第4話  5月10日 月曜日 昼休み

 空になったお弁当箱を洗いながら白雪さんと話している。彼女も大変だったそうだ。

「お疲れ様。雰囲気には慣れた?」

「はい。前の職場より男性社会って感じではありますが、皆さん荒っぽくないんで」

「良かった!先週までいた人の前職はテレフォン・アポインターだったらしくて。雰囲気が合わないからと言って辞めてしまったのよ」顔を歪めた。

「そうだったんですか…」話題を変えようと

「宮迫さんに伝えている希望は何ですか?」

と聞いてみる。

「異業種で制服無し。できれば少人数」

「分かり易いですね。見付かりますように」

 食器拭きを借りてコップを拭いていると

「ちょっとごめんよ。ノンキ、タイプだからさ。これ、受け取って欲しいんだけれど…」

丸坊主の人が紙切れを渡してきた。

「はい、確かに」

コップを置いて、一応受け取る。

「えっ、なになに?」

からかう白雪さんに、帰途に見ると伝えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る