第50話『天孫降臨と二つの恋・1』
誤訳怪訳日本の神話・50
『天孫降臨と二つの恋・1』
ニニギノミコトの天孫降臨には二つの恋バナがあります(#^▽^#)。
アメノウズメ(天宇受賣命)を憶えておられるでしょうか?
スサノオ(須佐之男命)の乱暴に耐えかねたアマテラス(天照大神)が天岩戸に隠れて世の中が真っ暗になったことがありました。
真っ暗では、流行り病や災いが一杯起こるので、思いあまった神さまたちは天の安川の河原に集まって対策会議を開きました。
議長はオモヒカネという老人の神さまで(アマテラスの第一のブレーンで、中つ国を帰順させるため、毎回アマテラスの相談相手になりましたね)、ニニギノミコトが中つ国に降り立つ時には神さま団の団長で付き添っています。
で、その天の安川の河原で、アマテラスを引き出すためにダンスパフォーマンスをやった女神です。
戦前の教科書や、戦後の子供向きの本では「アメノウズメが踊った」としか書いていませんが、要はストリップです。
胸乳(ムナヂ)も露わに、裳(も・スカートの一種)の紐を女陰のところまで引き下げて……動画サイトに上げたら一発で削除されそうなダンスをやったんですなあ(^_^;)。
刺激的で、現代の感覚ではR指定の代物ですが、神さまたちは明るく大笑いしました。
現代人なら、真っ赤になって目を伏せてしまうでしょう。セクハラだと訴えられて裁判沙汰になります。
脱線しますが、古来から日本は性的なものには寛容でした。
祭りでは、田んぼの真ん中に柱を立てて、藁で作った巨大な女陰と男根をぶら下げます、風が男根を揺らして女陰に入る度に、ワーワーキャーキャーと囃し立てるなんてことをやっていました。むろん、笛や太鼓で囃し立て、お酒も飲んで、とことん発展いたします。中には、選ばれた男女が、みんなが見ている前で本番をいたすこともありました。
それは、五穀豊穣を祈る神事だったからだ! 常日頃から乱れていたわけでじゃない!
いえ、今の感覚からは乱れていました。
以前述べたかもしれませんが、西南戦争において藍郷隆盛が私学党の若者を引き連れて政府軍に夜襲を掛けた時のこと。
あまりにも息を潜めて真剣に進むのが可笑しくなって、ポツリと言いました。
「まるで、ヨベ(夜這い)のごたる」
それまで、緊張していた夜襲軍の中で、クスクスと笑い声が上がって止まらなかったそうです。
夜這いついでに。
夜這いの末には、女の子のお腹の中に赤ちゃんができます。
親は、娘に尋ねます。
「腹の子の父親はだれだ?」
今なら、親の目は怒りに燃えるのでしょうが、親は嬉しそうです。
「えと……太兵衛、治郎作、茂兵衛、弥助、喜六……清八もいたかも(#^_^#)」
そうして、心覚えのある男たちが集められ、娘は、好きに男を指名します。
DNA鑑定などありませんから、ほんとうに娘の好み次第。時には親が「○○にしとけ」と言ったかもしれません。
それで、男は娘の夫になります。
この、妻問婚と言いますか自由恋愛と言いますかフリーS〇Xと言いましょうか、そういう空気があったわけです。
これと、五穀豊穣が重なるものですから、イタすことは目出度いことで、アメノウズメのダンスも明るく目出度く、そして、何よりも魅力的だったのです。
おそらく、神話世界ではアマテラスと並び立つ魅力です。
アマテラスは女王、巫女の女ボスとしての美しさの権化で、性的な対象にはなりません。
しかし、アメノウズメは、そういう対象としての魅力に満ちています。ウズメみたいな女の子が彼女ならいいなあと思わせる魅力ですなあ。会いにけるアイドルのもっと身近で、スゴイものですね(n*´ω`*n)。
長々と書きましたが、アマテラスがウズメを派遣団に加えたのは、おそらく、中つ国の男たちがその気になるだろうことを予感というか望んでいたのでしょう。
良き夫婦となって、子を増やし、中つ国を豊かな国にしなさいという思いが託されていたと思います。
そして、そのウズメを見初めたのが猿田彦という国津神(地上の神さま)でありましたぞ。
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