22話 コラボが終わっても
『《九津々海》告知と雑談だよ《重大発表》』
「バーチャルの海を統べる女の子、九津々海だよー。皆の衆、元気にしてたかなぁ?」
コメント:こんくつつ~
コメント:こんくつつ~
コメント:こんくつつー
コメント:こんくつつ!
コメント:かいママー!
コメント:海ママぁ
「ふふふっ、そんなママ、ママってどうしたのかなぁ?今日も皆の衆、頑張れて偉かったね。よしよし、えらいえらい」
コメント:海ママ、がんばったよ・・・!
コメント:ままぁ・・・仕事がんばった
コメント:ママ・・・
【¥10,000 海ママ褒めてくれてありがとう!】
「あっ、赤スパチャありがとう♪でも無理しちゃダメだぞ?ちゃんと美味しい物を食べて、元気に過ごすんだよ」
コメント:うん!
コメント:やっぱり海ママなんだよなぁ・・・
コメント:元気にする!
「そうそう、あの放送は視たかな?」
コメント:Vワールド3期生のやつか
コメント:もちろん見た
コメント:すごいてぇてぇかった
コメント:心臓が5回は破裂したゾ
コメント:仲良さげでとてもよかった
「ねぇーーー、すごい仲良さそうだったよね。シロネたそを中心に纏まっている感じがするよね。進行役はイズモちゃんだけど、みんなで愛でてるのが良いよね!」
コメント:分かりみしかない
コメント:わかる
コメント:分かる分かる
コメント:そうそう
コメント:海ちゃんはシロネちゃんを推してるよね
そう、私は振上シロネが初ツイートをした時から自分の配信で事あるごとに、この子可愛い、なでなでしてあげたい、ママになってあげたい、などと話題にしていた。
コメント:それもしっかりとシロネちゃんの枠で5万投げてるしw
コメント:それな
コメント:高額お小遣い
コメント:甘やかしママ
「だって、余を推しって言ってくれてる推しの子が頑張っているんだよ?投げたくなっちゃうよね」
コメント:推しの推しは推しだった
コメント:推しの推しは推しを推していた
コメント:推しのゲシュタルト崩壊が起こってますねぇ・・・
コメント:あの悲鳴を聴いたらもう・・・
コメント:シロネニウム被害者の会
「シロネニウムって上手い事言うなぁって思った!1度摂取したら止められない栄養素って感じで、ずっと聴いてたいもんね」
あの子が小さい時に猫と仲良くなろうと頑張ってたら、あんな可愛らしい悲鳴に成ってしまったというエピソードは今でも鮮明に思い出すことが出来る。
今はもう抱き着いてもあまり悲鳴をあげなくなってしまったけど、今日のベビードール姿を見た時、衝動的に抱きしめちゃったら久しぶりに可愛らしい悲鳴を上げたのよね。
「あまりシロネたそのお話するのもなんだけど、ついでに告知もしちゃいます!」
コメント:お、告知助かる!
コメント:タイトルの重大発表がここで!
コメント:この流れはもしや?
コメント:まさか?
コメント:え、まじ?
「コメントでも察しの良い人は気が付いてそうだけど……なんと、Vワールド3期生の振上シロネちゃんとコラボしまーーーす!イエーーーーイ」
コメント:おおおおおおおおおお!
コメント:まじか!
コメント:やったーーー!
コメント:神回の予感
「それも外部コラボ解禁1人目という栄誉を頂いちゃいました♪シロネたその、は・じ・め・て!」
コメント:おいこらw
コメント:いいかたw
コメント:草
コメント:おいw
「だってだって嬉しいんだもん!ずっとコラボしたいって思ってたから、すっごく嬉しいんだもん!」
コメント:可愛いからゆるしちゃう
コメント:2回いうなしw
コメント:こんなに可愛いのにバブみ溢れるとか犯罪
コメント:幼女ママを幼女にする猫
コメント:幼女の姿でも歳は
コメント:種族違うし、生きている時間が違うからね
コメント:まあ、多少はね?
コメント:↑おい、その話はNGだ
「あーーーっ、今年齢の話した皆の衆がいたねぇ……。そんなに悪い子には、もういい子いい子してあげないぞ」
コメント:ごめんなさい
コメント:ごめんママ
コメント:反省してます
コメント:生きる糧を奪わないで
「女の子に、年齢の話はメーッなんだからね?分かった人は手をあげて」
コメント:はーいノ
コメント:ノ
コメント:ノ
コメント:ノ
コメント:ノ
コメント:ノ
コメント:ノ
「はい、良く出来ました♪じゃあ、マシュマロが沢山来てたから、それを読んでいこっか」
マシュマロに届くのは、相談事や疲れたから癒して欲しい、告白、セリフのリクエストなど色々と届く。
その中でも相談事が多くて、それに答えていたら人気のコンテンツとなったのよね。
『最近とある悲鳴を聞きすぎて中毒者になっています。
こんな時はどうしたらいいですか?』
コメント:これはシロネニウム中毒者
コメント:シロネやんけ!
コメント:シロネリアン
コメント:シロネリアンってなんぞ?
コメント:シロネちゃんの悲鳴中毒者のことだゾ
コメント:ここにも立派なシロネリアンがいますねぇ・・・
「わかる、とっても分かるよ!余も大好きだからね!でも、このマロを送ってくれた皆の衆は、推しが増えてしまって辛いんだね。よしよし」
コメント:よしよし助かる
【¥4,444 たすかる】
コメント:よしよし助かる
コメント:たすかる
コメント:たすかる
【¥4,444 よしよしやったー!】
「同じように悩める皆の衆にも言いたいの。余は別に他の人も推して良いと思ってるから、その子の事もいっぱい好きになって応援して欲しいの。もちろん余も応援して欲しいから、どっちもいっぱい、いーーーっぱい応援してね。そしたら、たっくさんヨシヨシしてあげる♪」
コメント:幼女特有の欲張り
コメント:でもそれがいい
コメント:悩むだけ損
コメント:どっちも推せば問題ない!
コメント:皆の衆でシロ友になる!
コメント:↑おまえのマロかw
「それじゃあ次のマロいくね!」
こうして、私は1時間ほど放送を行った。
コラボが楽しみね、フフ。
「ミ゛ャ゛ア゛゛!?ミ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?」
瞼を開ければ、目の前に
みんなが寝る用のお布団は、ちゃんと用意したよね……?布団を見れば、案の定もぬけの殻だし。
「うんん……、あっシロネちゃんだ、ギューーーー」
「ミャアアアアア!なっ那月、寝ぼけてないで起きて!起きてってばーーー!」
下着付けてないし、僕も薄着だから感触がががががが!
「ウエッヘッヘッ、いいにおひ…………」
「おーーーきーーーてーーー!」
「ムフーーーー」
誰か助けてーーー!
その後、騒ぎによって起きた
着替えと朝ごはんを済ませて、明奈達が長居はお邪魔だからと帰ろうとすれば那月が駄々をこねたりしたが、無事にお泊り会が終了。
「はーやーせーたーーーん」
「ムギュッ」
昨日のコラボで疲れていたから、お昼寝をしようとベッドへ寝転んでいたところに
「お母さん、だからノックしてって言ってるよね……?」
「ごめんなさい。でも、無事オフコラボリレーをやり終えたシロネたんを褒めたくて仕方がなかったの」
「…………もう……」
僕にだだ甘なお母さんは、こうやってよく褒めてくれる。
嬉しいけど、もうそんな年でもないのだから、少しは遠慮してもらいたい。だって毎回抱き着くから、その……ね?
「子供はね。親からしたら、いくつになっても子供なのよ」
「だから心読まないでよ……」
「フフ、湍ちゃんが判り易いのよ♪それよりも、あともう少しで私とのコラボね」
「うん……そうだね」
嬉しいような、むず痒いような、気恥ずかしいような、複雑な気持ちが渦巻く。
だって、ママになってとか言っていた相手が本当にママで、それも相手に知られているとか羞恥プレイじゃない?
コラボを了承した今でも対応を決めかねている。
「どんな風に話せば良いか分からないんだよ……」
「最近は、コメントもしてくれないものね」
「うぅ…………」
配信は観にいってるけど、お母さんの言う通り、以前の様にコメントをすることが出来ずにいた。
だってだってだって……恥ずかしいし……。
「もう可愛いんだから!」
「ウギュゥゥゥゥィ」
抱きしめたまま離してくれないお母さんと共にそのままお昼寝タイムへ突入した。
あれ、最近よくあるね?
それから数日が過ぎ。
お母さんから、海ちゃんとシロネが一緒に居るイラストを頼まれて、それを仕上げたりと作業をこなしていた。
元から描くつもりだったけどね。
「海ちゃんとシロネたそが一緒に抱き合っているのが欲しいの、おねがいおねがい」
と言われて、依頼料まで渡されてしまったのだから気合を入れざるをえない。
また、それとは別件で運営からVワールドの先輩を選んでくれと言われたので吟味していた。
これってアレだよね。コラボ相手だよね……。
断ることが出来ないので、どうにか無難な相手を探さないと。
やっぱり女性相手は凄く緊張する。
体は同じ女でも、心はいつまでも男だからね。先輩だから嫌いな訳ではないし、むしろVTuberとして好きだからこそ余計に緊張してしまう。
そうなると、消去法で行けば……拓馬たろう先輩かな。
兄貴分として頑張っている姿は頼もしく、弄りも何だかんだで受け入れてくれる心の広さとユーモラスさ。
きっとクソザコメンタルな僕相手でも、どうにかしてくれるに違いない!
運営に返事を送り、九津々海ちゃんとのコラボをツイート告知したり、今後の配信でゲーム枠をやる為にアレコレと準備を進める。
ゲーム画面をパソコンに映す為にはキャプチャーボードを買わなければいけなくて、普通に1万以上するからお財布に優しくないよね。
「そういえば、そろそろ夏のボイス販売するから、販売したい人は提出してくれって言われてたなぁ」
企業所属のVTuberはオリジナルグッズを出したりシチュエーションボイス販売を行うことで、企業へ貢献しつつ自分の稼ぎも得る。
ボイス販売は季節ごとに出しており、参加は自由だが基本的に大体の人が出している印象。Vワールドだと全員が参加。
「最近までワタワタしてたから、シチュエーションボイスのこと全然考えてなかった……どうしようかなぁ……ミャッ」
ピョコン
悩んでいたら、丁度良いタイミングでディスコードの3期生サーバーにチャットが送られてきた。
イズモ:みんなはボイスの台本書けた?
私は全然書けてないよ!
まさにホットな話題。
とても悩んでいた話題が送られてきた。
シロネ:全然できてない!
余りのタイミングの良さに、食い気味に返信しちゃった。
シチュエーションボイスは、購入者である自分のファンが望んでいるであろうモノを提供してあげなければならない。
だから自分で考えるとなると、ちょっと難しい。
アリア:お、私も悩んでたところ
メメ:私もです
なんと、まさかの全員が出来ていない状況。
3期生てぇてぇな、なんちゃって。
イズモ:それなら、お互いに台本書き合わない?
アリア:いいね!
メメ:良いアイディアですね
シロネ:いいけど、誰が誰のを書くの?
2人ペアで組んで書き合うのか、別々の人のを書くのか気になる所。
イズモ:シロネちゃん書かせて!!!
アリア:シロネの書きたい!
メメ:シロネちゃんのを書いてみたいですね
返信がほぼ同時に送られてきた。
シロネ:えっと・・・
これにはどう反応したらいいんだろう?
まさか、僕以外全員から指名が来るなんて思っていなかったから戸惑ってしまう。
どう返信しようか悩んでいると、チャットが打ち込まれていく。
イズモ:どうやら
アリア:決着を
メメ:つける時が
3人共仲が良いなぁと眺めていたら、止まってしまった。
えっ、誰も打たない……もしかしてこの続きを打てと?
シロネ:来たみたいですね?
たぶん、続きはこれだよね。
イズモ:競争じゃい!リスナーからの投票で雌雄を決しようではないか!
アリア:おうとも!
メメ:望むところです
なんでそうなるの!?
どうやら、また慌ただしいことになりそう……。
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