失われたジャーンを探して

第1話 フランソワとミシェル

――フランソワとミシェルはとても仲の良い姉妹です。姉妹は、王から寵愛を受ける母マリアと一緒に、王宮で人々から愛され幸せに暮らしていました。

　しかし、王妃との間に娘が生まれた王は、マリアを自分から遠ざけました。そして、その子供たちである姉妹の存在も、王宮で邪魔者として扱われるようになったのです。

　そんな日々が続いたある日、とつぜん母マリアが王宮から姿を消しました。母は、大魔法の国『ジャーン』のへ旅立ったのはないかと考えたフランソワは、ミシェルを連れて船に潜り込むと長い旅路につきました。途中、不安になることもありましたが、船は無事にジャーンの国へ着き、姉妹はジャーンの大魔法を浴びて一年間を健やかに過ごすことが出来たのです。

　けれど、姉妹がジャーンの国へやってきた本当の目的、母マリアと巡り合うことは、まだ叶えられていませんでした――