この分野の勉強はきちんとしたことがありませんが
『情報』を『返済能力』と読み替えれば作者様の主張の通りかもしれませんが
おそらくは『情報』には他の要素もあるのではないでしょうか?
例示をすると間違えてしまいそうですが、そう思えました。
作者からの返信
海乃 果 さま
応援コメありがとうございます。
おっしゃる通り、『情報』には他の要素も含まれていると考えます。
ただ、引用した文献のなかで用いらている「情報」は、主に消費者法の分野で、事業者側が持つ契約内容等についての「情報」を指してきました。
けれども、お金の貸し借りの契約(金銭消費貸借契約)においては、借主が重要な「情報」を持っている点を見逃していないだろうか?
「消費者保護」というキーワードだけで議論を展開すると、他の重要な点を見逃すのではないか?
という私なりの問題提起です。
ここは、そんなふうに読んでいただければ幸いです。
大変有益なご指摘を賜り、ありがとうございました。
編集済
※法律も経済も不勉強ですので、素人の意見だと笑ってください(笑)
貸し手は消費者が返済できるか否かにかかわらず取り立てを行うことができ、そうすると消費者は別の貸し手から借金せざるをえなくなり、その借金によって返済がなされるために貸し手の儲けとなる……という理解でいいんですかね?
そうであるならば、多重債務での儲けは、消費者が別の貸し手から借金することによって成り立っているわけですから、消費者が返済する能力を偽れるかどうかはあまり関係ないでしょう。本人が返済できなくても儲けられる仕組みなんですから、やはり問題点は消費者がずっと沼にはまったまま抜け出せないという部分にあるのではないでしょうか? だとすると、これを防ぐためには端的に「別の貸し手がその消費者に金を貸せなくしてしまえばいい(過酷な取り立てを無意味にする)」のですから、指定信用情報機関という制度を作って貸せる限度を決め、貸し手には制度を使うように義務を課すという感じなのではないでしょうか? (当然、貸し手側が不用意に不利になってしまう制度は問題でしょうから、返済する能力に見合った分だけ……というのは適切だと思います)
少なくとも、多数の業者が切磋琢磨した結果、市場が壊れてしまったのでそれを直すというのは納得しがたい主張のように思われます。薄利多売に動かないのですから、(消費者が対等でないがゆえに)儲かる市場だとわかっているからこそ価格にあたるものを釣り上げたと考えたほうが自然でしょう。
もちろん、上述したすべての内容が私の理解力不足による妄言である可能性は十分にあります。そのときは、先に書いたように笑ってください!
……ところで、手のひらを返すようで恐縮ですが、制度ができたところで消費者の二進も三進もいかない状況が変わらないのであれば、保護できているのかは疑問ですね。ひょっとすると貸金の範囲内では保護できているのかもしれませんが、弱者がいるという根本的な部分に変わりはないわけで……。
色々と言いましたが、「消費者側も偽れるよね?」という指摘は「なるほどな」と興味深かったです。
作者からの返信
御咲花 すゆ花 さま
いつも応援コメを賜り、ありがとうございます。
そして有益なご意見・ご指摘を賜り、重ねて御礼申し上げます。
私の理解が正しければ、御咲花さまのご指摘は「消費者保護」の視点からのものとお見受けいたしました。
「やはり問題点は消費者がずっと沼にはまったまま抜け出せないという部分にあるのではないでしょうか? 」
ご指摘のとおりで、私もこの部分を否定するものではありません。
そして、その原因のひとつに「過剰与信」があるのでは?と考えたのです。
いいかえれば「貸し過ぎ」は、なぜ生じるのか?
これを私なりに思考実験(妄想ともいうw)してみたのが、今回のお話でした。
そこで出てきたのが「過剰な顧客獲得競争の結果」です。
借りたいという人がいれば「とりあえず貸しとけ」という点に原因があったのではないかと。
そして、いろいろなご意見ご指摘をいただいて、この話を「鍛えて」みようと考えたのです。
ですから、御咲花さまのご指摘、とても嬉しいです。
こういうご意見やご指摘を踏まえて、あれこれ考えるのが好きなのです。
ただ、ご指摘下さった
「薄利多売に動かないのですから、(消費者が対等でないがゆえに)儲かる市場だとわかっているからこそ価格にあたるものを釣り上げたと考えたほうが自然でしょう。」
おそらく利息のコトを念頭においておられたのではないかと推測します。
利息については、御咲花さまのおっしゃる通りの構造がみられます。
この点、私は、「顧客獲得の場面」と「価格決定」とをひとまず分けて分析してみたのです(そのような分析が適切なのかどうかも不安ですが)。
「価格」である利息については、「上限金利規制」のところで扱ってみました。
今回の話で登場した「市場の失敗」という用語の使い方が正しいかどうかも、あまり自信がありません。
もう、不安で不安で……。
今後とも、本作をご笑覧ください。