いわゆる「遊び」の部分
八時に家を出ないといけないとして、それならば、八時までは好きなことをして過ごせるかと言ったら、それは違う。外出のための身支度であったり、電車が遅れた時のため早めに出たりと、余裕をもって行動しなければならない。これが非常に難儀である。予定と予定の間だけでなく、その前後にも何かあったら対応出来るぐらいの時間を確保する必要がある。
私はわりと時間を守るほうで、八時に家を出る計画なら、電車で一時間、余裕に一時間で、集合の時間はおそらく十時であろう。この匙加減がまた人それぞれで難しい。電車で一時間、なら集合一時間前に家を出ればいいかと、考えるものもいるし、それならばまだマシな方で、集合時間が十分過ぎて、電話をしてみたら「寝てた」というとんでもないやつもいる。というか、多い。それだけが理由でもないが、一人での行動が増えたのはそういう背景もある。彼奴は一時間は遅れるから、あらかじめ一時間前の時間を教えてとか、彼奴の家からは三十分かかるから、その前に連絡をしてとか、そういうのが面倒になってしまったのだ。
こういうことを言うと、神経質だの、人生楽しくなさそうだの、自分の所業を棚に上げて、好き勝手に宣う輩もいるが、最近はそれも気にならなくなってきた。どうぞ、好きに言ってくれという気でいる。少なくとも私は、他人を待たせて惰眠を貪ることを、楽しい人生だなんて思わないし、新しい場所であるなら、早めに到着して散歩したりしたいので、価値観の違いと理解するしかない。そう、あくまでも理解である。エーミールのように「つまりきみはそんなやつなんだな」と心に留めるだけだ。間違っても、じゃあ私が正してやろう、なんて思い上がった行動はするべきじゃない。
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