雨が降る瞬間

 その時が来るまで私は

 日陰ばかりを選んで歩いていた

 目的もなく

 そうしているのが好きだった

 すでに曇っていたが

 湿気もあって暑苦しいぐらいだった

 不意に

 冷たい風が吹いて

 あまりにも冷たいので

 どこかの窓が開いて

 冷房が外に出たのかと思った

 そんなことはなく

 ただただ冷たい風が吹いてるだけで

 それが止むと

 強い風が吹き続け

 止まるころにはポツポツと

 五分経つころにはごうごうと

 雨が降っていた

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