第56話休日……が



ゲームセンターに寄りホッケーゲームや太鼓な達人、バイオなハザード系の銃撃戦ゲームを途中で出会った紅葉、芥、鹿島を含めた7人で遊ぶ。


Sランクハンターが2人にAランクハンター2人と響、そしてデルガとアグリードがいる集団は当然の如く注目の的となる。

勝手に写真を撮ったりなどしていて7人の気分はあまりいい物では無かった。


「荒鐘さんどうしましょうか?」


「真君これは……」


真はうざったらしい状況を打破するために提案をする。


「どこか貸し切れる場所知りませんか?お金にはかなり余裕あるんで」


「む、近くに貸し切る事が出来るカフェがあるからそこに案内するか?」


「意外ですね鹿島がカフェなんて」


「趣味なんだ」


鹿島の案内について行くとあまり人がいないカフェについた。

知り合いなのか鹿島が率先して店員に話しかけている。

話し合いが終わると真達を手招して呼ぶ。


「今いるお客様には私達が事情を説明しますので鹿島様達は奥の席でお待ち下さい」


店員の言う通りに奥の席で待つ。

5分ほどするも事情も全員に伝わりカフェに真達以外の人は店員以外いなくなった。


元々このカフェは外から見えない仕組みになっているため中央の少し大きめのテーブルに座る。


「はぁーーー!やっと落ち着いたよ!私自身有名人ではないから写真撮られるの少し怖かったよ」


響が疲れたように呟くと真の耳に届くと光の早さでその言葉に飛びつく


「怖かったの?」


「あまり経験した事ないからね」


「消す?」


「何がとは聞かないよ?そしてやらなくて良いよ。それよりお昼なんだしここカフェだから何か食べよ!」


「響ちゃんの言う通り何か食べましょうか。すいませーーん!」


鹿島は手を上げて店員を呼ぶ。

それぞれ食べたいメニューを頼み出来上がるのを待つ。

10分も待たずに全員分の食事が運ばれてくる。

デルガやアグリードは運ばれて来た食事を見て目を輝かせていた。


「じゃあ食べよっか。頂きます」


そこから30分ほど最近のレベルアップの状況や世界各国のハンターの情報を共有し合った。

やはり色々な情報が飛び交う事もあり少し気になるデータを知る。


「ダンジョン内でハンターと戦わずにそのままダンジョンの外を目指す個体が例年より僅かばかりだが増えてる?」


「まだまだ誤差の段階だがこのまま減らずに増え続ければ誤差では済まなくなる。出て来るモンスター自体はどんなに高くてもまだCランクらしい」


「まだ……ねぇ」


そのまま響がいるが構わずかなりの機密情報を共有していく。

徐々に「これは私が聞いて良い情報なのか?」と響は心の中で自問自答を始めた。

ある程度話すと喉が乾くのか頼んだ微炭酸のジュースを口に含む。


「アグリードこれはやっぱり前兆?」


真が唐突にアグリードに声をかけるがノータイムで答える。


「十中八、九前兆で間違いないかと。そもそもこの世界のダンジョンは私達の世界のどこかに繋がっているんですよ」


さらりととんでもない爆弾を会話の中に落とす。

それはさながら核の威力だった。

何故なら人類史にダンジョンが出来てからダンジョンはどこに繋がっているか?の疑問にいきなり答えを得たのだから。


悪魔族である2人を除いて全員口を開いて固まったいる。

ハンターではない響でさえあまりの衝撃に魂的なやつが口から出るのを幻視出来るほどに衝撃だった。


カチャ……カチャ……


2人を除く全員が固まっている間に店員が来て食器を下げて行く。


「俺は何も聞いてない……俺は何も聞いてない俺は何も聞いてない俺は何も聞いてない」


鹿島や芥が頭を抱えてブツブツ言い出す。

なんとか正気を保っている紅葉は頭を抱えているが今出た情報をどうしようか悩んでいた。


変な空気になると外から何かが聞こえてくる。


「デルガ探知」


言い終わるよりも早くデルガが魔力を渋谷に一帯に広げて音の出所を探るとすぐに見つかる。


「300mほど離れた所に突如ダンジョンゲートが開きその中からランクはかなり低いですがモンスターが現れたようです」


「噂をすればなんとやら……芥さん、鹿島さん。俺が処理してきます。響の護衛頼みました」


「真君私行く?」


「いえ少しでも紅葉さん達に追いつきたいので経験値は貰わせて頂きます。ゲート」


一言いうと真の目の前にお馴染みのゲートが出現する。


「デルガ、アグリードも一応来い。もしかしたら救助を頼むかもしれん」


「「はっ!」」


そしてゲートを潜り現場に向かう。








8メートルぐらいの獣型で人型のモンスターが暴れまわっていた。

たまたま近くにいた野良のハンターが雑魚の処理に成功したようだがそのモンスターだけは倒せていない。


小手調べとしてアイテムボックスからそれほど良い物でもないレア度の低い短剣を取り出す。

その短剣を軽く握りしめ投擲の体勢に入る。

レベルも上がり筋力が上がった事によりそれほど本気で握っていなくても短剣の持ち手が軋んでいる。


(小手調べだっ!!!)


力を入れずぬるりとした動作で短剣を投げると200キロ以上のスピードが出て獣型の巨人の肩に当たる。

周りの肩の肉も巻き込んで吹き飛ばすと右腕がボトリと地面に落ちる。


いきなりの変化にモンスターに対応していたCランク程度と思われるハンターは戦いの最中であるにも拘らず真のいる方へ顔を向ける。


「こいつ1匹倒してもレベルは上がらないか」


トンーーーー


軽く足裏で叩くとアイテムボックスに貯蔵してある武器が真に周りに浮かび上がる。

そして指でモンスターを指差すと左腕を斬り落とし、脚を全部斬り落とした。

そして動かないようにする為に鎖がモンスターの体に絡みつき動けないようにする。


「そのモンスターの経験値やるよ。そんな半端な経験値を求めてないから」


「あ、アンタは?」


「荒鐘真。休日を潰されたSランクハンターだ」




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