第2話 ただ、気分転換がしたかっただけ
あれから時が流れて三ヶ月が経った。ストレートの短い茶髪にベージュのコートを着た十六歳くらいの男の子。それが、今の僕だ。
普段は黒髪に黒い服を着た魔人の姿をしているが、外出と言うこともあり、人間の姿に身を変えている。
魔界から
「――僕、まだ
「いいですよ。その代り……私も同行します。あなたひとりでは心配なので」
そうして僕はロビン様とともに魔界から人間界へと移り住み、今に至っているのだ。
ロビン様
一言も口に出していないのに、優しい笑みを浮かべるロビン様に目的を言い当てられた僕は内心、動揺したものだ。
その時はまだ、移り住むとは考えてもみなかった。ただ少しの間だけ人間界に行ければ、それだけで良かったのだ。そう、僕は単なる気分転換としか考えていなかったのだから。
僕は、ロビン様に仕える魔人としてはまだまだ半人前。そのくせ、魔界特有の空気に
魔界から人間界に移り住んだ今、一度も身体を壊したことはない。気を抜いても、すぐに気分が悪くなることがなくなった。どうやら、この地球の空気が僕には合っているらしい。
けれど、ロビン様も一緒なのでとても安心していられる。要は、神使いや天空の騎士団と遭遇しなければいいのだ。
たまたま通りがかった公園から物音がした。好奇心がある僕は不思議に思いつつも緑豊かな公園に近づき、足を踏み入れた。それが、もっとも出逢いたくない不吉の始まりだった。
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