空飛ぶ鮫、ゾンビ鮫、ロボット鮫……日本人が愛してやまない鮫映画。これはその小説版だ! 日本神話に紐付けられた強鮫!語られる鮫伝承!そして、伝説の剣!それらが融合して新たなる鮫の神話がここに!……生まれたのか? 頭を空っぽにする。細かい事は考えない。これこそ、鮫系の作品を見るルールです。
鮫沢博士(この時点では博士ではない)は、鮫の重力に魂を引かれていること以外は普通の少年だった。普通の少年が、普通の怪異に遭うジュブナイル……のはずだった。しかし、少年は鮫に魂を支配されていた。怪異すら恐怖する鮫に。しかし、我々は鮫沢博士をただの狂人と言えるだろうか。我々の見ている世界は果たして同じだろうか。読みながら、狂っているのは鮫沢か、それとも自分なのかと坩堝に入ってしまう。