テンプレの勇者召喚に巻き込まれたましたー『無職』のステータスの私ですが持ち前の能力でチートさせて頂きますー

高井繭来

第1話

 破上千波夜-わるがみ・ちはや-がゴミを焼却所で焼いていたら学校内でもカースト最上位の4人組がはしゃぎながら裏庭へとやって来た。


「あれ、破上さん。またゴミ焼いてるの?」


 学園の姫と名高い相武永遠-あいぶ・とわ-がクラスメイトの千波夜に声をかけた。

 永遠は読者モデルをしている正統派美少女だ。

 性格も良いので男女問わず人気がある。

 そのぶん妬みも凄いのだろうが、兄によってセコムされている為大事に至った事はない。


「誰だ?友人か?」


 永遠の兄であるこの学園の生徒会長の刹那-せつな-が永遠に尋ねる。

 長身に綺麗に筋肉の付いた体。

 顔は永遠の兄だけあって正統派の和風美形。

 文武両道で性格も良い。

 アラを探す方が難しいイケメンである。


「うん、クラスメイトで凄くまじめな子なんだよ。あんまり話した事無いけど、いつもゴミ捨てさせられてるの。お兄ちゃんからクラスの子にガツンと言ってやってよ」


「あ、大丈夫です。物燃やすの嫌いじゃないですから…何やら”焼却炉の魔術師”とかあだ名も付けて貰えましたし」


 小声で千波夜が返す。

 だが正義感の強い兄妹の2人には逆効果だった。


「破上さんそれ虐めだよ、ちゃんと学校側に言おう!」


「止めとけよ永遠。学校側に言ってもどうしようもないから今の位置でいるんだろ?だいたい嫌なら本人が拒否すれば良いだけだ」


 正論である。

 その正論を言ったのは剣道部のエースの十束剣斗-とつか・けんと-だった。

 今年のインターハイで2年ながらに個人全国優勝を果たした。

 刹那が知的なイケメンならこちらはワイルド系イケメンだ。

 少し粗野だがそこが良いという女子は絶えない。


「でも~悪い人に罰が当たらないのは~腹が立ちます~」


 プン、と頬を膨らませて怒っているのは学園1の頭脳の持ち主の時雨凛-しぐれ・りん-だ。

 高校2年で千波夜の1年先輩にあたる。

 何でも2年連続、全国模試1位なのだそうだ。

 外見は小学生にも間違えられそうな低身長幼児体型。

 顔立ちも眼がクリクリしてて幼い。


(は~カースト最上位は外見能力だけじゃなく性格も良い、か。ライトノベルの主人公みたいな属性だな4人共)


 千波夜はゴミを燃やしながら感心する。

 そしてその感心はフラグとも言う。


 4人を中心に大地が光る。

 光の柱の端の方に、少し距離をあけて居た千波夜も巻き込まれた。


 そして光の柱が天高く上がり、消えるとソコには誰も居なかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る