第10話依存症

ネットって素晴らしい。顔を見せなくても人と付き合えるのだから。

俺がネトゲにハマったのは高一の初め。中学校とは別の華々しい同級生の瘴気に充てられてネオ引きこもりになった。学校が終わればすぐ家に帰りネトゲをして土日はずっと部屋でゲーム。そんな時俺は彼女に出会った。ハンドルネームは桜舞。彼女とは結構すぐに仲良くなった。そして現在俺と舞は付き合っている。会ったことはないけど。

「今日はどんな日だった?」

「つまらない一日だったわ」

と何回も使い古した言葉で電話が始まる。

舞は結構可愛い声をしていて、そこが惚れたところでもある。

「ねえねえ」

「どうした?」

「少しエッチしたくなっちゃった」

甘えたような声でささやく。俺は「仕方ないなあ」と満更でもないことを隠して自慰に勤しむ。サイバーセックス依存症だ。

舞の喘ぎ声が耳の中をこだまする。行為をし終えた時には舞も頂点に達していた。

「なんか疲れちゃたね」

「もう寝ようか」

「そうだね」

そして俺は明日もサイバーセックスに忙しい。

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