ゴミ箱の横で出会った真面フマジメ女教師

冬蜜陽果

プロローグ

凍り付くような寂しい冬の夜。


ふんわりと、

ツンとする酸っぱくて罪悪感の混じるゴミの匂いが漂う。

冬でも、ゴミは臭いのか…。


慣れたはずなのに、思わず

残り少ないエネルギーを使って顔を歪ませた。

「こんなところから飯を漁るくらいなら…死んだ方がマシだ。」

ここから離れたいのに、意識が朦朧としてもう立ち上がれない。

スチールのゴミ箱に頭を預けて目を閉じた。


手の甲にひんやりとした人肌を感じた。

寒い冬の夜に栄養失調の俺よりも低い体温。

迎えが来たかなと思った。


頬にも同じひんやりとした人肌を感じて確信を持った。


これで俺も楽になれる。

こんな無能な人間になるくらいなら生まれるんじゃなかった。

生まれたくなんてなかったんだから。


「…う……。…やった……。」


ふと爽やかな風が揺れ動いた

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