不思議な魔女と不死身の男

猫町大五

第0話

「銃をくれ」

 俺は、店主にそう告げた。

「銃・・・銃ですか、成程。それで、どのような目的で?」


 困惑をされた。ここは銃砲店だ。場違いの言葉でもなし、何故困惑されたのか。・・・まあ良い。質問は返すべきだろう。


「自分より強いものを、倒せるだけの銃」

「・・・は、はあ」

「自分の血が見たい。自分が一体どのような物なのか、そして戦ったそれが、如何様な物なのか。それが知りたい。それが理由だ」

「・・・・・・」


今度は絶句をされた。どうしたものだろうか。ここまで来ると、本格的に手の施しようがない。――その時だった。


『如何ですか?』


 背後からの声。振り向くと、妙な装束――カピロテ、と言ったか――を着けた者が、こちらを見ていた。


「如何、とは?」

『今のあなた様のお話、僭越ながら拝聞させて頂きました。そしてあなた様の願い――我々が限りなく理想に近い形で、実現できるやもしれません』

「・・・確実に?」

『そこまでは。然し十割には至らなくても、九割九分は』

「・・・乗った」


――それが、全ての始まりだった。

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不思議な魔女と不死身の男 猫町大五 @zack0913

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