第97話 変わらない2人
翌日は場所を移動し別の廃墟に車を停めてそこで機械獣の討伐をする4人。サクラとマリーの動きは前日とは違ってきびきびとして動きに無駄がない。スナイプも正確で2,200メートルの距離で全弾大型機械獣に命中させる。エリンとルリもその姿を見て安心し、そうして何度か戦闘をこなして昼過ぎに廃墟を出て夕方遅くにD門を潜って都市国家に戻ってきた。
D門を潜って車を降りると
「お疲れ様、結構倒したからいい稼ぎになったでしょう」
エリンの言葉に
「ありがとうございました。おかげさまで吹っ切れました」
サクラが言いマリーと二人で頭を下げる。ルリがその二人に近づいて小声で、
「そう。いい表情よ。今ならリンドウも抱いてくれるわよ」
その言葉に顔を赤くして今日はこのまま部屋に戻ってゆっくりと休みますと言う二人と別れたエリンとルリ。車を支部の車庫に戻してから二人で夕刻の4層をぶらぶらと歩いていく。周囲の男の視線は浴びているが無視して通りを歩く二人。
「元気になってよかったわね」
「貴重なAランクだからね。たまにはこう言う指導をするのも先輩の役目でしょ?」
そうねとルリがエリンの言葉に相槌を打つ。そうして少し歩いてから、
「もしリンドウが死んじゃったらどうなるんだろう」
ルリがそう言うとエリンも
「考えたくないけど、もしそうなったとしたらあの子達以上に落ち込むのは間違いないわね」
「だよね。私たちの中でリンドウの存在が大きすぎるよね」
ルリがそう言ってから、
「あ〜、そんなこと考えてたら抱かれたくなっちゃった」
「今から行く?」
エリンがルリの顔を見て言う。
「行こ」
そうしてすぐにルリがリンドウの端末に連絡を入れてそのままリンドウのマンションに向かって足速に歩きだした。
「いきなり行っていい?と聞いてきて、部屋に来たと思ったらものも言わずに寝室に連れ込まれてびっくりしたぜ」
キングサイズのベッドで全裸で仰向けに寝ているリンドウの胸に顔を埋めている二人。とりあえず抱かれて満足した二人からベッドの上で昨日と一昨日の荒野での話を聞いたリンドウ。エリンはリンドウの胸に顔を置いて手でリンドウの顔や耳をなぞっている。ルリは同じ様に胸に顔を押し付けながらその手はリンドウの太ももを撫で回している。二人とも体を横にして抱きついてきていた。
ベッドの周囲にはエリンとルリの迷彩服と身体保護スーツが散乱している。
「でもこれであの二人は大丈夫よ」
「以前より気持ちが強くなってると思うわ」
「二人の指導の賜物じゃないか」
そう言うと二人顔をあげてリンドウを見て
「でしょ?だからリンドウに褒美をたっぷりともらおうと思って来たの」
「なるほど。そう言うことなら二人をたっぷりと慰労しないとな」
リンドウもそうだがエリンとルリも毎日荒野に出ていない。勝手に明日を休みにしても誰からも文句を言われない商売だ。
そうして当然の様に夜をリンドウの部屋で過ごした二人。明け方まで3人で乱れ狂ってそのまままどろみ、翌日の昼間にようやくベッドから起き上がるとエリンとルリが作ってくれた食事をする3人。エリンとルリは当たり前の様に全裸にリンドウのTシャツを着ている。
食事が始まってそうだ忘れてたと言ってリンドウがマヤから聞いた新しい武器について話をすると目を輝かせてその話を聞く二人。話が終わると
「確かに弾丸を乱射して倒すスタイルは変わっていくかもね。銃が少々重くなっても確実に倒せるのがいいかな」
「そうね。セミオートの3点バーストで1,000メートルで確実に大型を倒せる銃が出来るのなら重くなってもそっちに買い換えてもいいわね。いい銃なら乱射スタイルを変更してもいいかも」
「おそらくサクラやマリーが使っている狙撃銃と今のエリンやルリとの銃の中間の位置付けになるんだろう。一応フルオートでの連射もできる様にすると言ってたな」
食後のジュースを飲みながら言うリンドウの言葉にそれなら全く問題ないわねと頷く二人。
「機械獣だって進化するだろうし、武器も早めに新しのを手に入れておかないと対応できないね」
そうしてひとしきり銃の話をしてからルリがニヤッとして
「リンドウ、そのメーカーの技術者ともしたんでしょ?」
「なんで何も言ってないのに女だってわかるんだよ?」
「実は私たちも知ってるのよ、彼女の事。わざと地味な格好で伊達メガネをかけてるけど彼女美人よ、スタイルもいいわ」
ルリの鋭い指摘にタジタジになるリンドウ。
「その子マヤっていう人でしょ?私たちがマシンガン使っていた時にユーザーの感想を聞きたいって何度か会ってるの。ルリが言うようにわざと地味にしてるけどなかなかいい女性よね。リンドウの好みでしょ?」
「知ってるだろう?来るものは拒まないのが俺の主義だって」
二人の意地悪な視線と言葉を聞いて開き直って言うリンドウにそう言うところが可愛いのよねというエリンとルリ。
「そういえばこの前のミッションの前にずっとメーカーの研究所に泊まり込みだったけど、夜は彼女とやりまくってたのね」
「うるせえ」
その言葉にやっぱりと声をあげて笑う二人。
「リンドウを揶揄えるなんて滅多にないもの」
「ほっとけ」
二人からたっぷりと揶揄われたリンドウ。その後は再び寝室に戻ってたっぷりと3人で楽しんで夕食を食べてから全裸に迷彩服だけ着た二人。
「リンドウが誰としても全然気にならないの。でも私たちのことを忘れたりしたら承知しないから」
玄関で靴を履いたエリンが抱きついて言う
「それは大丈夫だ。安心してくれ」
「本当よ。私もエリンも今は男はリンドウだけなんだからさ」
エリンに変わってルリが抱きついてきた。そして二人が交互にリンドウとキスをしてから帰っていった。
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