第31話 合同調査隊 その2


 しばらくしてタツミをはじめC地区のハンター達が近寄ってきた。タツミがリンドウに


「俺たちは決まった。そっちは?」


「こっちも決まった」


「じゃあすり合わせするか」


 そうして再び全員が集まって5名ずつのメンバーを紹介した。今回の10名はこうなった。


リンドウ (狙撃、スナイパー)

タツミ (狙撃、スナイパー)

エリン (連射、情報収集)

ルリ (連射)

イズミ (連射)

ケイン (連射)

スミス (連射)

ヤナギ (連射)

リリー (狙撃 情報収集)

スティーブ (大型マシンガン)



 メンバーを見てタツミが


「いい構成じゃないか」


「ああ。悪くないな」


 リンドウも頷き、そして、


「巨大廃墟は高い建物やら倒壊した建物、瓦礫が多数ある。敵も味方も身を隠す場所には困らない。連射チームはフルオートとセミオートをうまく使い分けてくれ」


 頷くメンバー。タツミが


「そう言うことでこのチームのリーダーはリンドウだ」


「なんだと?」


「お前さんが適任なんだよ。C地区のメンバーからは既に了承を取り付けている」


 リンドウがびっくりしてC地区のメンバーに顔を向けるとケインが、


「リンドウの凄さはC地区まで響いてるんだよ。3,000メートル以上で大型機械獣を1発で倒す。スナイパーも狙撃の腕も超一流だ。D地区でぶっちぎりのトップランカーだってね」


「そんな与太がまかり通っているのかよ」


「あら、事実じゃない」


「ルリ、よしてくれよ」


「とにかくリンドウがリーダーだ。ミッションの間は俺達C地区の5名はあんたの指示に従う」


 反論する間もなくリーダーに祭り上げられたリンドウ。


「頼むせ、リーダー」


 スティーブが巨体を揺らせてリンドウの背中をドンと叩く。会議室に笑いが起きた。

 

 しばらくしてアズミとツバキが部屋に戻ってきた。テーブルに着席するなりツバキが、


「正式にミッションになったわ。期間は現地で1週間。それでメンバーは決まった?」


 リンドウが代表してメンバーを告げる。そして最後に俺がリーダーにならされたというとツバキが、


「まぁそうなるとは思ってたわよ。じゃあ皆にはミッション通知をこれから転送すので確認して」


 メンバーの端末に入電があった。それを開いて目を通すメンバー。直ぐに


「弾代は本部持ち。当たり前だな」


 と言う声が聞こえる。さらに


「ミッション開始時期は3日後ね」


アズミが答える。


「準備が必要だろう。弾は各自で購入して購入時に店に端末の請求を本部にしてくれたらそこから落ちる。食料、水は各自で。車については装甲車を2台用意する。ただし車にマシンガンはついていない、予備の燃料、タイヤもつけておく。質問は?」


 ミッションの内容は巨大廃墟の機械獣の潜伏場所の捜索及び地下通路の発見と遭遇する機械獣の殲滅だ。潜伏場所の調査に関しては現地のハンターに一任すると明記されている。


 黙っているとツバキが続ける。


「3日後、出発はそれぞれの門から出て荒野で合流して2台で現地に向かう。くれぐれも安全第一でお願い。期間は1週間だけど突発事故や危険を感知したら離脱してくれて構わないわ。サポートメンバーについては行動の制限はないけどこちらからの指示が出てから5時間以内には活動できる様にしておいて」


 メンバーが各自同意をクリックして返信し、例によって最後にリンドウがしっかりと内容を確認してから同意をクリックして返信した。難易度の高いミッションだ。報酬が跳ね上がっている。その分命を失うリスクも高い。


「これで契約成立だ。周波数は当日連絡する。3日後までしっかりと準備してくれ」


 アズミの言葉で解散となった。その後サポートメンバー以外のミッションに参加するメンバー10名はそのまま残った。


「まずは自己紹介しあおう。これから生死を共にする仲間だ」


 リンドウの言葉に頷くメンバー。


 C地区から頼むと言うリンドウの言葉に頷くと


「じゃあ俺からだ。俺はタツミ。武器はリンドウと同じ狙撃とスナイプ。リンドウとは研修で一緒だったんだ。よろしく」


 タツミはリンドウと同じ緑系の迷彩服に中は黒の保護スーツ、黒髪だがそれを五分刈りにしている。頬に傷がある強面の顔つきだが性格は温厚だ。身長は175センチとやや小柄だ。


 隣に座っていた男が、


「俺はケイン。武器はこの銃だ。どちらかと言えば連射が得意だ」


 ケインは金髪でこちらは茶色系の迷彩服を着ている。金髪、青い瞳で身長は190センチ。なかなかの男前だ。


 ケインの持っている銃はエリンとルリのと同じタイプだ。弾丸が共有できるなとリンドウが思っていると、


「私はイズミ。ケインと同じ連射タイプの銃を持ってる。よろしくね」


 イズミも茶系の迷彩服を着ているが首から見える服の中は黒のメッシュの保護スーツを着ている身長は165センチ程、黒髪のショートボブ。黒い瞳。すらりとした美人だ。


「俺はスミス。皆と同じ銃だ。よろしく」


 短く挨拶して座ったスミスはの肌は黒い。身長は190センチで穏やかな目をしている。


「私はリリー。狙撃タイプの銃を持ってる。みなさんよろしく」


 リリーは金髪で長めの髪を後ろで1つにしている。身長は170センチ、茶系の迷彩服の胸の盛り上がりがすごい。顔も美形だ。C地区は茶系の迷彩服が主流なのか多い。


 一方D地区では茶系もいるが緑系が多い。荒野だから茶系がいいのではという声もあるが機械獣は色ではなく動く物と熱に対して反応して攻撃してくるのがわかっている。服の色がアドバンテージにならない。なのでハンターは皆自分の好きなのを着ている。もっともルリやエリンの様なのを着るのは少数派だが。


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