ダメな私とヤンデレ王子

野口マッハ剛(ごう)

第1話 私はダメ令嬢

 私はダメ令嬢とよく言われる。私は普通にしているつもりなのに。今はお茶会の時間。他の令嬢たちはグループにわかれている。楽しそうに話している。私はいつも通りにひとりでお茶と軽食をとっている。私はこれでも公爵令嬢、お父様は軍事指揮官でもあり、私のことをとても大事にしてくださる。それなのに、どうして私はダメ令嬢とウワサがたったのだろうか?

「やあ、ポピー? ボク、となりに座ってもいいかな?」ラーニー王子が私に言った。

「ええ、どうぞ」私は笑顔で返した。

 私は静かに食事をしている。それなのに、他の令嬢たちから、嫌味な声が聞こえてくる。あー、そういうのは無視よね。私はチラッとラーニー王子を見る。まぶしいニコニコ顔のラーニー王子。私の数少ない理解者でもあり、なぜかラーニー王子はヤンデレ王子とも言われる。まあ、私はそういうのは気にしませんけどね?


続く

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