精神的どぶさらい

 移り行く季節、何も形にならない日々。そんな虚無感に耐えかねて、なんとなく書き出してみました。


 さて、何の話をしましょうか。


 なんかね、なんでしょうね。何がしたいんでしょうか。


 他にすることもなくて小説を読んだりもしてますが、それもどこか虚しいのです。書き手の性で、こうしてぼんやり読むだけで身になるのだろうか、とつい考えてしまいます。


 季節の変わり目だからか、どうにも気だるくアンニュイです。


 けっきょく今年は掌編を1本書いただけでKACも不参加。アウトプットもそうですが、インプットも満足に行えておらず、いったいこの3か月は何に時間を使っていたのだろうと首をかしげています。


 いやー、本当に。


 やりたいことはたくさんあるはずなんですが、全然形になってません。たくさんありすぎて優先順位がつけられないからかもしれませんが――


 アウトプットするにしても漫然とやることに意味があるのだろうかと考えてしまいます。


 それで色々と考えようとするのですが、何を考えればいいのかよくわかりません。


 そもそも何のために書くのか。


 何を表現したいのか。


 問われればいくらでも答えられるはずなのですが――


 目標としてひとつはっきりしているのは、やはり次の長編、次のカクコンです。


 別に他のコンテストでもいいんですけど、とりあえず次の長編です。


 が、しかしこの長編というのも放タルで一度やってみて少し幻滅してしまったのですよね。


 結果がどうこうというより、自分の中で達成感が皆無だったことにがっかりしてしまって。


 10年抱えた構想のわりにあっさりとしたものです。


 それは何でなんだろうとずっと考えているのですが、これもまた手応えのない問いかけでして、徒労感ばかりが募っていきます。


 目的や結果なんておまけみたいなものなんですが、ああでもないこうでもないという試行錯誤は楽しいものですし、そうした過程の部分にやりがいを感じればこそ創作を続けてきたんですが、いまはそれがうまくできない状態で、ただただぼーっとしてしまいます。


 完成を度外視した試行錯誤が一番楽しいんですよね。


 ただ目的や結果への期待感があまりに薄いとそれもままならなくなってくるところがあり――


 うーん。


 次の長編で同じようにカクコンに出すとして今度は何を目標にすべきなのだろうと考えてしまいます。


 放タル以上の結果を望むのは当然として――しかし、そうなってくると意識しないといけなくなってくるのが読者というものです。


 これがなんか逆によくない気もして。


 書籍化ありきなら、そりゃもう売れ線の作品を書こうとなるのでしょうが、わたしはそうじゃないのでバランスがむずかしいところです。答えがない問いです。


 わたしの趣味は本当にニッチで受けないです。そして、感想を共有しづらいです。どうにかエンタメ的要請とのアウフヘーベンをと考えはするのですけど、けっきょく、そのとき書けるもの、書きたいものしかかけないわけです。目的ありきで構想を選ぶような器用なことはできません。構想してるうちに別物になってしまうこともしばしばです。


 そうなると読者受けを考えようにも選択肢は限られ、堂々巡りになりがちです。放タルはそのパターンで延々と試行錯誤を続けた例でした。そこに見切りをつけてようやく形にできたのです。


 では、次の長編はどうするか。また悩むのか。それとも最初から読者受けに見切りをつけるのか。


 おそらく後者の選択肢を取ることになるでしょう。数字とか賞とか、外的な結果には期待しないという選択肢です。


 あくまで作品の完成を目指す。自分にとって満足度の高いものを目指す。それがけっきょくは外的な結果にもつながるのだと信じてみる(というより、その可能性を試してみる)。


 それしかないのでしょう。


 長編はそんな感じで進めるとして、短編も可能な限り形にしていきたいところです。


 これもね、けっこう切実というか、イベントやコンテストに関係なく書いた作品って「ずっと好きだったあなたへ」っていう掌編なんですが、これがもう2年前です。何かしらきっかけや締め切りがないと書けなくなってるんですよね。完成しなくていいので手をつけるくらいのことはしておきたいところです。


 自信はなくとも意地はあるので、粘り強く諦めずに、気長に、でももうちょっと継続的に活動していきたいものです。

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