第25話 国王様の所へ

 次の日、起きてくっきーをすりすりしてから起きる。うん、いつも気持ちいいなぁ。着替えをして、王都に帰る準備が出来たらくっきーを抱っこして食堂へ向かう。


「おはようございます」


『おはようくま』


「「くっきー様、サラ様。おはようございます」」


 みんなで朝ごはんを食べてから、宿を出る手続きをして貰い外に出る。宿を出て、西門へ向けて歩いていると、色々な所から声を掛けて貰えた。くっきーも私も笑顔で手を振る。


 西門で手続きをして貰い外に出る。今日も大きくなったくっきーの背中に乗せて貰ってのんびり帰ろう。


「そういえば王都に帰ったら、どうしますか?」


「くっきー様とサラ様には一度国王様に会って頂きたいのですが、よろしいですか?」


「はい、大丈夫です」


『分かったくまよ~』


「後、薬草入りのスープの検証もやりたいですよね。普通に作れることが分かったら騎士団でも助かります」


「そうですね。検証やりたいですね! 後は薬草を使ったご飯も試してみたいんですよね~」


「お料理ですか! やりましょう! ぜひぜひやりましょう!」


『やるくまよっ!』


 レイナさんとくっきーの圧が凄い。食いしん坊コンビからの期待の目が凄いです。


「ふふっ、やりましょうね」


「ふふっ、やりましょうか。断ったら大変な事になりそうですしね」


「ジークさん、良く分かってらっしゃる」


『くふふ、楽しみくま~』


 王都に帰って、次の日に国王様に会いに行く事になった。突然会いに行って大丈夫なのかと思ったら、くっきーが神獣様だものね。確かに優先されるわぁ……。


 途中でお昼ごはんを食べたり、休憩をしたりして走っていると、夕方前には王都につけた。今日は宿に泊まる事にして、ジークさんは王宮に報告に行った。


「レイナさんは報告に行ったりはないのですか?」


「そうですね、明日にでも報告はしますが、今はくっきー様とサラ様と一緒にご飯を食べるのが最優先ですね!」


「ふふっ」


『くふふ、さすがレイナくまね!』


 3人で宿に向かって、食堂でご飯を食べる。のんびり食べられるのは良いね。楽しくご飯を食べ終わったら、それぞれの部屋に戻る。


 部屋に戻ったら、くっきーにクリーン魔法で綺麗にして貰う。ベッドに座ってのんびりしよう。


「街が無事で安心したね~」


『そうくまね~』


「これからどうしようか?」


『そうくまねぇ。サラは何かやりたい事はないくま?』


「うーん……やりたい事、やれる事はお料理とお菓子を作る? 後は何かなぁ」


『くふふ、お店でもやるくま?』


「お店? ちょっとしたお料理と焼き菓子を置く?」


『それは良いくまね!! いつでも食べられるくまね!』


 くっきーの圧が凄いけど、それも楽しそうだなぁ。


「いやいや、お店の商品を食べちゃダメなのよ~? でも、のんびりとお店をやるの楽しそうだよね」


『食べちゃダメなのくま!? そ、そんな……。でも、のんびり……は無理かもくまね』


「えぇぇ?! 無理かなぁ?」


『無理くまよ! だってサラのお菓子はとっても美味しいくまよ!』


 うん、でもくっきーと一緒にそんなお店をするのも楽しそうだなぁ。


「だったら、お家を探す時はお店も付いた所がいいね!」


『そうくまね!』


「ふふっ、なんだか楽しくなってきたよ!」


『くふふっ、今まで浄化で大忙しだったからしょうがないくまよ~』


 確かに、ずっと浄化を急がないと危なかったからね。でもまだ終わってないんだよね……。誰があの魔石を埋めたのかまだわかってないもんね。


「そういえば、あの魔石も誰が埋めたか分かってないんだよね……まだ終わってないんだよね」


『そうくまね。終わったらお家を探しに行こうくまよ!』


「うん、そうだねっ!」


 さて、くっきーを抱っこしてのんびり寝よう! くっきーをむぎゅむぎゅっとすりすりっとしておやすみなさーい!



 今朝は目が覚めてからくっきーをもふもふすりすりしちゃう。


(ふふふ、気持ちいい~。癒される~!)


『くふふ、くすぐったいくま~』


「ふふふ、くっきー大好き~すりすりしちゃう!」


『きゃーくまっ!』


 くっきーをひたすらもふもふすりすりして、朝からもふもふの幸せ気分になりました。



 今日は国王様に会いに行く予定なので、着替えて準備をしてから食堂へ向かう。食堂へ着くと、ジークさんとレイナさんが座って待っていた。いつも遅くてすみません。


「おはようございます。お待たせしてすみません」


『おはようくま~』


「大丈夫ですよ」


「本日の打ち合わせをしていただけなので大丈夫ですよ」


「ありがとうございます」


 一緒に朝ごはんを食べてから宿を出ると、王宮に向かって歩いて行く。王宮に着くと、また部屋に通された。少し待っていると、国王様が部屋に入ってきた。


 国王様は私の前に来ると、片膝をついて頭を下げる。


(えぇぇ?! ど、どうしたらいいの?!)


「くっきー様、サラ様。この度は本当にありがとうございました。おかげでこの国は救われました!」


「えっと、頭を上げてくださいっ」


『間に合って良かったくまよ。頭を上げるくまよ。サラが困ってるくま』


「ありがとうございます。サラ様も皆の傷を癒してくれて感謝する」


「怪我が治って本当にホッとしました。でも私には何も力はありません。たまたまそうなっただけで、本当に運が良かったんだと思います」


「それでも、我が国民を癒してくれたのはサラ様です。多大なる感謝を!」


「ありがとうございます。そう言って頂けるだけで嬉しいです」


『そういえば、調べて貰っていたのはどうなったくま?』


 私がオロオロしていたので、くっきーが助け舟を出してくれた。国王様にそんなに感謝をされても、余計緊張するし困りますー!


「それが、こちらの本を見つけまして、この地には邪神を封印したという記録があったのです」


『邪神……それくまーっ!! 確かにあれは邪神の気配くまっ!』


「くっきー、知っているの?」


『知っている気配なのに分からなくて、ずっともやもやしていたくまよ。でも確かにあれは邪神の気配くま!』


「その邪神が復活をしようとしているんだと思うのです。邪神の本体を封印したのは北の泉です!」


 そこまで聞くと抱っこしているくっきーがはーい! と手を挙げた。


『それならもう浄化したくまよ~』


「あっ、あの汚れていた泉ね?」


『そうくまよ。あそこは入念に浄化したから大丈夫くまよ』


「えっ!? くっきー様、浄化出来たのですか?!」


『そうくま! 邪神を封じた時はまだ力が足りなかったけど、今のぼくにはそれだけ力が溜まっていたから浄化も出来たくま!』


 くっきーったら、邪神をいつの間にか倒したって事ですね。無自覚って怖いわ~……。



「サラ様の記憶がないのも、こちらに召喚される時に、邪神の影響を受けたからだと思われます」


「えっ!? そ、そうなんですね! じゃぁ、邪神を倒せば私の記憶と身体も?」


 またくっきーがはいはーい! と手をあげる。どうしたんだろう?


『サラ、もう倒したくまよ』


「あっ、そうだった!! ってことはやっぱりこのままなのー!?」


『そうだと思うくま。でも、何か困る事あるくま?』


「ん?? そういえば、ないかも? 日本に帰れないって最初に言われているし、こっちで暮らすなら別に記憶なくても困らないかな。小さいのは困るけどね」


『そうだと思うくまよ。ぼくはサラと一緒にずっといるのくま! だから寂しくなったらぼくが大きくなってむぎゅってしてあげるくまよ?』


「ふふっ、それはステキだね! それに小さくなった分、くっきーと一緒に居られる時間が増えたんだね!」


『くふふっ、それは嬉しい事くま!』


「うんっ!」


 邪神の影響を受けてたのかぁ……だから記憶がなくなって小さくなったんだね。

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