第38話 報告会~後編

「こんな所でした。」

「意外だなぁ……。恨み言の1つも言ったんじゃねーのかと思ったぜ。」

「むしろ、『好敵手』だと認められた。そんな気がします。」

「私も、同じ思いです。多賀君。」

 暫し見つめ合う二人。

「……お二人さん、特に、何もなけりゃ、今日はお開きでいいんじゃね。」

 未開封の煙草の箱を、左手で弄ぶ伸綱。

「そうですね。僕は、特にありません。」

「私も、ですね。」

「では、僕は、帰ります。お先に。」

 荷物を手に、立ち上がる宗竜は、伸綱に一礼。

「私も帰ります。ごきげんよう、伸綱叔父様。」

 生徒会長む同様だ。

「おう、またな。」

「何処か寄りませんか。多賀君。」

「生徒会長、僕は、まっすぐ帰ります。……いえ、1つ『頼み事』を聞いて下さい。」

 こうして、報告会はお開き。二人は、寄り道の後、帰宅する。


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