電話記録

「何だ」

『ごめんね猪狩司令いがりしれいちょっとお願いがあるんだけど』

「…………」

『具体的にはー、交渉したいから、その手伝いなんだけど、他の部会が出てこないようにして欲しい、です。出来る?』

「問題ない」

『助かる助かる!じゃあよろしくね。……そっちの計画とは関係ない?大丈夫そ?』

「…………問題ない」

『相変わらず分かんないね。でも助かります!じゃ、よろしくお願いしまーす』

…………。

「猪狩」

「……涼月先生」

「よせ、同級生だろう」

…………。

「霧原武会から協力の要請でした。部会に介入させるなと」

「ふむ、ずいぶん直接的に牽制してきたな。体は良いが、我々が他の部会を差し向けるとでも思っているのだろう。あそこの副長は心配性だな」

「ええ」

「が、もし仮に他が介入する様子があればどうする?」

「問題ありません」

「……そうか、猪狩」

「…………」

「私が他の部会の様子を見てこよう。それまでにお前がサーレの計画を進めてくれ」

「問題ありません」

「ああ、頼むぞ。その計画が存在しないと気付かれた時には、我々がどれだけの人間を敵に回すか想像もつかないからな」

「……。全てはサーレのシナリオ通りです」

「だといいんだが……」

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