第32話 とてもステキな結婚式と披露宴でした💒
「はーい、皆さん。おはようございます」
「おはようございます」
「あら、何か随分と久しぶりになっちゃったわね」
「あの方も多忙ですからね」
「だから、あの方って言うな!アイツの事はアイツで良いのよ!」
「今日はおめでたい話題なのですから、その辺で」
「そうそう。アイツなんかに構ってる場合じゃないのよ」
「お友達の結婚式と披露宴にご出席なされたんですね」
「そうなのよ!友人じゃ無くて親戚なんだけど」
「それも色々とあったようですね」
「うん。本来なら昨年の11月にやる予定だったんだけど・・」
「コロナの影響ですか」
「・・そう言う事。だから昨年の11月は断念したの」
「まあ、三密になってしまいますからね」
「そうなのよ。だから今年の5月の連休明けに規模を縮小してやる事にしたんだけど」
「まさかの第4派と」
「そうなのよねぇ。アタシ達の県でも緊急事態宣言が出るかも知れないって」
「もし出ていたら ? 」
「勿論、アウトよ。披露宴会場のレストランからもそう言われてたらしいわ」
「しかし、出なかった」
「本当に安堵したわ。勿論、1番安堵したのは結婚する2人と親御さんだと思うけど」
「良かったですね」
「ホントに良かった!世界中にキスを送りたい気分だったわ!」
「貴女のキスなんて迷惑でしか無いと思いますが」
「何か言った ? 」
「・・いえ、何も。それで結婚式はどちらで ? 」
「教会よ」
「えっと、貴女達はクリスチャンなのですか ? 」
「うっさいわねぇ!日本は無宗教の国なんて言われるくらいだから別に良いのよ!」
「はあ」
「お正月は神社に初詣。お盆は仏様に手を合わせる。クリスマスだってやるでしょうが!」
「確かに」
「アタシはこの寛容さが好きよ。結局、全ては八百万の神々として受け入れてるのよ」
「そうですね。日本国内では宗教対立なんて聞かないですからね」
「訳のわからない宗教団体はあるけどね」
「また御幣のある事を」
「あら、ごめんなさい。おめでたい話の時に言う事じゃ無かったわね」
「それから、披露宴ですか」
「そう!庭園の敷地内にある、とてもステキなレストランだったわ」
「それは良い場所でしたね」
「去年の11月にやる予定だった所よりも規模は縮小したみたいだけど、アタシは却ってその方が良かったと思ってる」
「どうしてですか ? 」
「とてもアットホームな感じだったもの!レストランの飾り付けも新郎新婦の2人が考えて自分達でやったのよ」
「それは良い事ですね」
「出席された皆さんも、心から2人の幸せを祈る人達ばかりだったわ!」
「それは当たり前なのでは ? 」
「うーん。新郎は東大卒で某巨大企業で働いてるのよ。その人がアタシの親戚なんだけど。もし、コロナが無くて普通の披露宴だったらどうなってたと思う ? 」
「うーむ」
「多分、東大とか巨大企業から何人かの人が来て長ったらしい祝辞を述べてたと思う。新郎の人は心配りが出来る人だから、新婦さんやその親族の方に配慮はするだろうけど。それでも日本は組織社会だから断るのも難しいだろし」
「そのような一面はありますね」
「今回の披露宴では新郎の大学時代の友人の方も数名来て下さったけど、東大って一切言わなかった事にも好感が持てた」
「それは良かったですね」
「新婦さんも芸大出身で自分の個展も何回か開いてるし、実際に画商さんが付いて作品が売れてるから大したものよ」
「お似合いのカップルですね」
「披露宴ではパンフレットも配られたけど、そのデザインや中の2人のなりそめなんかの4コママンガも新婦さんが描いてるしね」
「本当に手作りなんですね」
「そう!とてもステキな披露宴だったわ」
「良かったですね」
「それでは改めてお2人の幸せを祈って乾杯するわよ」
「そう思いましてシャンパンを用意しました」
「あら、アンタにしては気が利いてるわね」
「それが近所のスーパーで安く」
「そう言う事は言うな!」
「はぁ」
「オホン。それでは気を取り直して。乾杯!」
「乾杯!」
「お幸せにー💐💐💐」
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