第16話 卵かけご飯 直接入れる❔溶いてから入れる❔


「はーい、皆さん。こんばんはぁ」


「こんばんは」


「昨日はちょっと朝寝坊しちゃったのよねぇ」


「貴女の場合は、毎日じゃ無いのですか」


「何か言った ? 」


「いえ、別に」


「それで出かけなきゃいけないから、朝食は卵かけご飯にしたのよ」


「よろしいんじゃ無いですか」


「卵をお椀でかき混ぜてる時に焦ってたから、ひっくり返すところだったわ」


「え ? ちょっと待って下さい」


「何よ」


「卵をご飯の上に直接かけるのでは無いのですか ? 」


「はあ ? かき混ぜてからかけるに決まってるでしょ!」


「決まってると言われても。私はご飯の上に直接かけますよ」


「えぇ!信じらんなーい!」


「そんな驚かれても困ります」


「そんなの、邪道よ!邪道!」


「と言われましても。私の家ではそのようにしていましたよ」


「何 ? アンタの生まれた所は隠れキリシタンの里とか ? 」


「違います」


「はっ!なんか邪神をあがめてる秘密結社とか ? そうに違いないわ!」


「・・卵かけご飯からどれだけ飛躍するんですか」


「だって、アタシの家では・・あっ!」


「ようやく何かに気づいたようですね」


「アタシ、学校とかで卵かけご飯の話なんてした事ないわ」


「普通はあまり、そんな話題はしません」


「じゃあ、小学校の時の友達でも卵を直接かけてた子も居たって事 ? 」


「その可能性はありますね」


「あぁ、なんて恐ろしい」


「また、大げさな」


「ちょっと待って。ウィキペディアで調べてみる」


「どうぞ」


「うーん、直接かけるか溶いてからかけるかは特に地域性は無いみたい」


「そうなんですね」


「後、生卵をたくさん食べるのは世界でも日本くらいみたい」


「そうですね」


「卵の殻にサルモネラ菌とかが付着してるんだって。何かコワイ」


「外国に行ったらちゃんとした食堂以外では生卵は食べない方が良いですね」


「そう言えば日本人が外国で生卵を食べて食中毒おこしたって聞いた事あるぅ」


「基本的に外国では生卵を食べる習慣はありませんから」


「皆さんも外国では生卵は食べないように注意してね」


「お気をつけ下さい。それでは」


「ちょっと!なに勝手に締めようとしてんのよ!」


「は ? 」


「物事の本質を見失ってるわよ。卵は直接かけるか、溶いてからかけるのか!」


「まだ続けるんですか」


「あったり前でしょ!溶いて醤油を入れたらご飯にまんべんなく絡むじゃない」


「しかし、そもそも卵かけご飯は急いで食べる時のものでしょう ? 」


「そ、それは」


「でしたら直接かける方が合理的です」


「うっさいわ!普段の時でも食べたくなる時ってあるじゃない!」


「それは、ありますけど」


「スーパーとかに行ってみなさいよ!卵かけご飯専用の調味料とか売ってるんだから」


「それだけ日本の食文化に浸透してる、って事ですね」


「ふん!判ればいいのよ」


「で、この問題の解決はどうするんですか ? 」


「そうねぇ。人によって好みもあるでしょうから」


「はい」


「卵を割って直接入れるか、溶いてから入れるかは」


「ごくり」


「その時の気分!」


「なんじゃそりゃあああ」





この重大な問題は・・・・・美味しけりゃドッチでも良い




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る