第12話 デジタル通貨 あんた大丈夫❔


「・・皆さん。おはようございます」


「おはようございます」


「うぅ、頭痛い・・・」


「二日酔いですか? 」


「・・大きな声出さないで。うぅ・・」


「全く。あれからどのくらい呑んだのですか」


「・・知らない。記憶が無いもの」


「つまり酔いつぶれていたと? 」


「・・・・・」


「皆様、少々お待ち下さい」


10時間経過


「はーい、皆さん。こんばんはぁ」


「こんばんは」


「あら、何か様子が変? 」


「今朝の事がありましたからね」


「今朝? 何かあったかしら? 」


「・・二日酔いはもう大丈夫なんですか」


「ふっ。アタシの肝臓をナメないでよね」


「じゃあ、もう大丈夫なんですね? 」


「あったり前じゃ無い。このアタシが二日酔い如きに!」


「威張る事では無いと思いますが」


「いちいちうるさい!本題行くわよ。本題」


「わかりました」


「おほん。デジタル通貨って知ってる? 」


「ビットコインとかですか? 」


「それは仮想通貨ね。今回取り上げるのは1つの国の中央銀行が発行するデジタル通貨」


「それは、つまり」


「そう。日本の円とかアメリカのドルとかEUのユーロなんかをデジタル化しよう。って言う事」


「そんな事して大丈夫なんですかね」


「さぁ。ウチはいつでも現金払いだし。アタシはネットをあまり信用してないから。信用できるのは現金よ!」


「とか言って色々な投資信託をしてるじゃ無いですか」


「あら、資産運用は大切じゃない。堅いものしかやって無いし。色々な投資をしているのはリスクの分散よ。アタシが直接ネットで取引してる訳じゃ無いし。どういう運用をしてるのか、のチェックくらいしてるわよ」


「はあ」


「それでさ。日経平均の株価が3万円を超えたでしょ。そろそろ株だけでやってる投資信託は売ろうと思ってるのよ」


「まだ上がるかも知れないですよ? 」


「そんな事言ってるからバブルが弾けたんでしょーが!永遠に株が上がり続けるワケ無いでしょ!」


「あの、本題から脱線しているように思うのですが」


「あっ、そうね。国が発行するデジタル通貨の話だったわね」


「そうです。そもそも、その事は決定事項なんですか? 」


「うーん、世の中の流れではそうなりそうね。中国はデジタル人民元の実証実験を既にやってるし」


「何か、ちょっと怖いですね」


「だから、世界中でデジタル人民元やらデジタル円が実際に流通する前に世界的なちゃんとしたルールを決めなきゃいけないでしょ。それで昨年の10月に各国の財務大臣がテレビ会議をしたのよ」


「それは良い事ですね」


「良い事って言うか、絶対にやらなきゃいけない事よ!これからアタシのセリフが長くなるけど、読んでくれている方は付いてこれているのかしら? 」


「大丈夫だと思います」


「よっしゃ。それでその会議では、中央銀行がデジタル通貨を発行する場合には、透明性、法の支配、健全な経済ガバナンスに取り組む、の3条件を満たすように取り組む、と言う声明をまとめたの」


「それは当然の要件ですね。しかし」


「それで麻生さんが言ったのよ。必要な要件を欠いているデジタル通貨に対しては注意喚起をする必要があるって。そして、デジタル人民元の実証実験をしている中国に対して言ったのよ」


「何て言ったのですか」


「中国さん、あんた透明性は大丈夫 ? という話ですよね。もうちょっと品よく条件を満たしてないとダメですよ、と言う事だと理解してもらった方が良いのではないか。ってね」


「ほう。ズバリと言ったのですね」


「そうなのよ。中〇共〇党なんて色々な隠蔽してるじゃない」


「ストーップ!」


「わーってるわよ。でも現実問題としてデジタル人民元には注意しなきゃ。今のドルに変わってデジタル人民元が世界の基軸通貨になる可能性もあるのよ。この事を殆ど報道しない日本のメディアもね」


「うーん」


「ま、これ以上は止めておくわ。これはエッセイだし。いちおうね」


「難しいところですね」


「さーてと!」


「何かなさるんですか」


「何か嫌な雰囲気になっちゃったから、昨日の大坂なおみさんを祝して」


「祝して? 」


「二次会よ!」


「まだ、呑むんかーい」




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