第5話 ホンネと建前

「はーい、皆さん。こんにちはぁ」


「こんにちは」


「あら、まだやるのね? 」


「当たり前でしょう」


「いや、しばらく時間が空いたからもう飽きたのかと思って」


「誰がですか? 」


「北浦十五よ。アイツ根性なしだから」


「まぁ、それは否定しませんが」


「おい!そこはウソでも否定してやれや!」


「私は嘘はつけません」


「うーん。あっ、そうだ!方便よ、方便」


「方便? 」


「そうそう。嘘も方便って言うでしょ」


「そのような慣用句と言うか諺は知っておりますが」


「そうねぇ。例えば、アンタは融通の利かない面白味のないバカな男でしょ」


「・・そのような言われ方は心外ですね」


「ほらほら。ちょっとムッとしてるぅ」


「私も人間ですからね」


「うんうん。そういう時よ」


「は? 」


「そういう時に、アナタはとても実直なお方ですね。って言うのよ」


「なるほど」


「そう言われたら、不快には感じないでしょ? 」


「確かに」


「そう言う心にもない事を言うのを、嘘も方便って言うのよ」


「心にもない事なんですか」


「あら、ものの例えよ。例え」


「ほう、ではあなたの事を」


「ん? アタシの事? 」


「毎回毎回、どーでも良い事をベラベラ喋るバカ女」


「テメェ!ケンカ売ってんのか!殴るぞ!」


「痛っ!殴ってから言わないで下さい」


「表に出ろ!表に!」


「落ち着いて下さい。あなたの言った、ものの例えですよ」


「ん? 例え? 」


「ですから、この場合は思った事を正直に喋る真面目な方。こう言えば良いんですね? 」


「あぁ、そういう事ね。やだわ、アタシったら。おほほ」


「それなら、私にも理解できます」


「うん、判ってくれて良かった」


「いえ・・・・・」


「え? ちょっと大丈夫? 」


「・・・・・・」


「皆様、少々お待ち下さい」


1時間弱経過


「皆さん、お待たせぇ」


「お待たせしました」


「もう大丈夫? 」


「はぁ、幸い軽い脳震盪でしたから」


「まぁ、アタシのコークスクリューパンチを受けたんだから仕方ないわよ」


「は? そのコークなんとかって何ですか? 」


「知らないの? 世界チャンピオンのホセ・メンドーサの必殺パンチよ」


「ホセ・・そのような世界チャンピオンっていましたっけ? 」


「ジョーと互角の戦いをしたカーロス・リベラの頭蓋骨を一撃で破壊したのよ!その威力たるや」


「・・ひょっとして、あ〇たのジョーですか? 」


「カーロスはそれで廃人になっちゃったけど、ジョーはそのパンチを何度受けても立ち上がる!ホセは思った。コイツは何者なんだ? 私はジョーの幻影と戦っているのでは無いか? 」


「ストーップ!」


「その時だった。ホセのセカンドである」


「ストップ!ストップ」


「何よ。これからが良いところなのに」


「ここで、マンガの実況をしてどうするんですか」


「あら、アニメよ」


「同じです。そんな事をしたら何時間かかるんですか。著作権にもひっかかりますよ」


「えー。どうしてもダメ? 」


「ダメです」


「ちぇっ。じゃあ最後に一言だけ言わせて」


「一言だけですよ? 」


「うん!」


「それでは、どうぞ」


「立て!立つんだ宍戸錠ぉぉぉ!」


「一言じゃ無いし」





大丈夫かな・・・・・ドキドキ


ちば先生・・・・・ごめんなさい



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