目指せ!魔王討伐!

降花

第1話  時は来た!

  私は山崎 結衣やまざき ゆいだった。20歳の頃、交通事故によって命を落として女神テミスのおかげでわたしの望む力と新しい身体をくれた。そう転生だ。私の記憶が戻るのは5歳くらいだった。魔物も魔王も魔法もある異世界にわたしは居る。記憶が戻ってからは図書館から魔法、歴史を学んだ後に修道女見習いとして教会に入った。テミスが語りかけて来たのだ。『11年後に勇者が来ます。その時まで教会に入り魔法の腕を磨き、勇者と共に魔王を倒してください。』と。


 この世界での私の名前はルナ・スミス!ピッチピッチの16歳。テミスの加護を受けているそうだ。使える魔法は絶対治癒ゴットヒールと一般で知られているヒールより強力なヒール、ファイヤーボール、マジックボックス。後は魔法以外に色々仕込まれた。大変だったなー。そして今日、勇者が召喚されます。楽しみです!






 私が王の間に通された時には中央に3人、並んでいた。


「さあ、列にお加わりおくわわりください。」


 なんとかその声に頷いて緊張の中、列に入る。国王様が立ち上がり、魔物や魔族による被害を語った。一夜にして消える街や村、犠牲者の数……。


「世界中が魔族どもに脅かされおびやかされている。どうか、魔族の王、魔王を倒してくれぬか?」


 わたしはこの国に世界に何が起きているか知らなかった。歴史の本には戦争が絶えなかった、と言う記述があったくらい。教会の規則上、滅多に外に出られず新しい情報が手に入らなかったからだ。絶対治癒やヒールが使える為、大勢の怪我人や病人を治す事に使い潰されるくらい働かされた。給料もお小遣いも貰えない。私有財産の所持を禁じられているから。私はシスターとしてでは無く、女神テミスの使徒として自由に生き、魔王を倒す!


「はい!必ず!」


 勇者の勇ましい返事が響く。


「一同、面を上げよ。」



「勇者、ユウト・ナカジマ!


 我が娘、ビィクトリア・ボルネオ!


 第3王女付き近衛騎士、バリス・アッカーマン!


 女神テミス様の使徒、ルナ・スミス!


諸君らに魔王討伐を命じる!!」


 肩書きだけ聴いていると豪華なメンツだ。

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