救世主登場

そう彼女に注意したのは、


「山羊、、、。」


生徒会仲間の山羊遥だった。



「どうしてですの?この方は私に、、!」


女の子は山羊に講義するが、


「黙りなさい。」


といった山羊の迫力に押されて黙る。



「私は見ていました。あなたに、痴漢行為をはたらいたのは別の男性です。」


「そうよ。」


そう言って立ち上がったのはさっき俺が

助けたお婆さんだった。


「彼は私に先程、席を譲ってくれました。

とても、心優しい少年でしたよ。」



「うっ、、。ご、ごめんなさい!!」


女の子は俺に謝って、そのまま


電車をおりて駆け出してしまった。



「さて、ありがとな山羊。」


俺がお礼を言うと


「いいのよ。私達も降りましょう。」


と山羊はそう言うと俺に背を向けて歩き出す。



山羊は同い年の女子たちの中でも、

落ち着いている方で時期会長候補の女の子だ。


さっきみたいにハッキリした物言いを

することもあるが、基本的には穏やかで


男女問わず人気がある。



俺も、次の会長は山羊がふさわしいんじゃないかな

って思ってる。


初めてあった時も今みたいに堂々としていて



俺は密かに、彼女に憧れている。



「どうしたんですか大吉くん。」


山羊は進みの遅い俺を心配して、


後ろを振り返り俺を見ている。



「ううん。今行くよ」


俺は少し駆け足で山羊の横に並ぶ。






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