　俺の名前は御門義明（みかどよしあき）。

　私の名前はクリスティアーノ・アクアレイク。

　何を言ってるのか意味不明だろうが、説明してしまえ簡単な話だ。

　クリスティアーノというのが今の名前で、御門義明というのは前の――いわゆる前世の名前だった。

　なんで前世の名前を知ってるのか？　もちろんそんなこと俺が知るわけない。

　クリスティアーノだった私は物心がつくように御門義明だった自分を思い出し、御門義明だったことを認識しながら、クリスティアーノという第二の人生を歩むことになったのだ。

　不可解な状況に困惑しつつもそんな第二の人生を始めることになったわけだが、混乱から立ち直って考えてみれば前世の記憶――というより自覚があるというのはかなり大きかった。

　なんせ人生を大人から始められるということなのだ。

　つまり子供の時から時間をかけて将来の準備ができるというわけだ。

　ゲームで言えば強い自分でコンティニューみたいなものだ。

　しかも。しかもだ。

　このクリスティアーノという第二の人生はアクアレイク王国という小国ながらも一国の第一王子だったというおまけ付き。

　俺の第二の人生は勝ち組。もう幸せな未来しか思い描けなかった☆

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