第22話ライズの気持ち
俺はあの時どうかしてたって後悔している。
俺とセラとテラは幼馴染みだ。成人して冒険者として一花咲かせてやろうと意気込みこの街迄来た。
村で我流ながらも鍛えた俺は、少し調子に乗っていたのかもしれない。ギルドで登録した後に金を稼ぐのは大変な事だと知った。
依頼を見ても新人には稼げるような仕事は無いんだ。しょうがなく毎日生命草を三人で採取した。
場所を移せばそれなりの稼ぎにはなったが、それでも三人で割ると大した稼ぎにはならない。ギルドに教えて貰った場所で採取を終えると他の場所を探して採取した。
新しく採取する場所を探して採取しようとすると黒猫が居たんだ、それも弱っている様だった。俺はその時面倒も見切れないし放置しようとしたが、セラがそれを許さなかった。セラに説得され折れた俺達はその黒猫を抱えて街に戻った。門番に咎められると思ったがまだ小さかったからか注意だけで済んだ。ギルドに行くと拾った場所を聞かれてそれについて答えると怒られてしまったんだ。
あの森は新人が行くような場所じゃ無かったみたいだ。
キツく注意されると魔物牧場を教えて貰った。
魔物牧場に着くと、色んな魔物が居た。
魔物牧場の店主に事情を話すと今回は面倒を見ると言われて預けた。でも次は無いと言われて目の前で弱っている可愛い魔物が居ても見捨てなければいけない事に俺達は少し悲しくなった。
それから一週間が経った頃、やっぱり金が必要だねって話になって、早く討伐依頼を受ける為にその日も生命草の採取に出掛けたんだ。そこで暫く採取をしているとルシウスが現れたんだ。俺はルシウスと話すセラに嫉妬めいた気持ちになった。俺は個人的にセラを可愛いと思っていて、変な虫が付かないようにしないといけないと思った。
少し話すとルシウスは離れて行ったので目で牽制しといた。それからルシウスの肩に居る黒猫を見て、セラがあの時の黒猫かも知れないと言い出して、あの黒猫の面倒を見てる人なら悪い人じゃないかもって
言い出したんだ。確かに人脈は必要だけど俺は止めたんだ。他の男と仲良くするセラを見て苛つくからだ。
それでも話をするって聞かないセラを見て諦めると俺から見ても鍛えてると分かるルシウスに喧嘩を吹っ掛けた。今考えても馬鹿だった。
ギルドに行くと修練場の使用許可を貰った。
皆で修練場に行くと時間が早いからか誰も居らず決闘が始まったんだ。
最初は様子見だったんだが、ルシウスが煽って来たから腹が立って攻撃に出た。それで分かったんだコイツは強いと、俺は攻めの一手でルシウスは守りに回った。けど、どんなに攻めてもルシウスの守りは突破出来なかった。体力が切れかかって一瞬気が抜けるとルシウスが攻めてきた。どれもこれも俺は防ぎ切れずに攻撃を受けた。その後木剣を落としてしまったんだが、セラの前で負けられないと思った俺は突進して殴り合いをした。泥仕合だ。
すぐに間に入ったテラにこの時冷静じゃ無かった俺は苛立った。ルシウスも同じ様だった。セラが間に入ると少しずつ冷静になり自分を恥じた。
俺は引き分けたから金を半分渡そうとするとルシウスは受け取らなかった。それだけでは無く言い掛かりをつけた俺にも謝ってくれた。俺はこんな良い奴に吹っ掛けた自分を殴りたかったが、ルシウスはそのままギルドを出ていった。
このままじゃ俺は後悔すると思いセラとテラに用事があると言ってギルドを出た。テイマー協会に向かうと前方にルシウスが居たから隠れてやり過ごし、ルシウスが帰るまで待った。ルシウスが帰るまで待つと協会に入って櫛を購入しようとしたんだ。黒猫を可愛がっていたからこれなら黒猫とルシウスに受け取ってもらえると思って。でも協会で話を聞くと協会に登録している者以外に売る事は出来ないと言われた。諦められなかった俺は他で売ってる場所は無いか聞くと、ここよりも高いと言われたが場所を聞いて店まで行った。
店に着くと確かに高かった。協会では銀貨一枚だったのに同じ様な物で銀貨三枚だった。宿屋の大部屋に泊まる事で金を節約してきたから買えない額ではない。受け取ってもらえるならと思い銀貨三枚で購入した。それを大事に皮袋に入れてルシウスの所に向かおうとしたが泊まっている宿屋が分からない。
やっちまったと思いながらも何件かある宿屋に聞き込みをしたんだ。
それでもルシウスの場所は分からなかった。
最終手段で協会に行き、聞いてみるが芳しく無かった。事情を説明すると渋々だが教えてもらえた。
教えて貰えたのだが肝心の魔物牧場に直ぐには行けなかった。
どんな顔をして会えば良いのか分からなくて、その辺をうろちょろしていたんだ。暫くうろちょろしているとセラとテラに出くわした。少し話をすると決心して魔物牧場に行ったんだが中に入る事が出来なかった。うだうだしていると後ろから声をかけられた。そこにはルシウスが居たんだ。黒猫が威嚇をしていたが俺は、ルシウスと仲良く出来る事を願って櫛を渡そうとした。でもルシウスは受け取ってくれなかった。それでもお願いすると渋々だが受け取ってもらえた。
ルシウスは俺に気を使ってくれたんだろう、俺は渡すとそのままその場を離れた。ルシウスならセラと仲良くしても良いと、それに俺も仲良くしたいと思った。
ルシウスにしてしまった事を後悔しながら俺はセラとテラの元へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます