葉月 涼

ひび割れたガラスの器に

様々な色の砂を注いでも

割れた隙間から砂は

こぼれ落ちる


昔はその器は小さいけれども罅の1つもなく

ほんの少しの砂だとしても綺麗に重なり

器を彩った


僕が大人に近付いていく中で

人とぶつかり落とした時に

小さな罅が増えていき

そこから砂はこぼれ始めた


一つ一つ違う色を重ねても

砂はゆっくり零れ去る


重ね続ける僕からもどんな色が重なるのか分からないまま




そんな時の中で時々なぜだか悲しくなる時があるんだ


理由はきっと…


壊れた器がだったのかな

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葉月 涼 @kiminokoe

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