ワンシーン 2話
■雪緒(女)・・・悟と幼馴染
■悟(男)・・・雪緒に片思い
■場面シーン(放課後の昇降口)
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「なんだ、悟も今帰り?」
「お前こそ」
「うわ、なにその紙袋。チョコいっぱいじゃん」
「べ、別にいいだろ?」
雪緒が呆れるその先には、クラスの女子だったり、部活動の後輩だったり、主に義理チョコを詰め込んだ紙袋を悟は握っている。
「あんた、加奈子のチョコもそこに入れてないでしょうね?」
「お前に言われなくても、ちゃんとカバンの中に入れてる」
「だったらいいけど」昇降口で雪緒も靴に履き替えながら、トントンとつま先で地面を叩く。「そう言えばさ、バレンタインって海外の行事じゃない?」
「んん? なんだよいきなり」
「それを日本のお菓子業界が商業目的でチョコレートを流行らせたわけよ」
「……知ってるけど」
「だから、二月十四日のバレンタインに好きな人にチョコを送るのは、お菓子業界の陰謀なのよ」
「……なんか悪い物でも食べたのか?」
「わたしも、そのお菓子業界の陰謀に乗っかろうと思ったのよ」靴に履き終えた雪緒はカバンからきれいにラッピングしたチョコを取り出す。「もちろん、義理だから」と、雪緒からチョコを受け取った悟は、雪緒の指先に巻いている包帯に気付いたのだった。
終
ワンシーン くおん @kisaragi_kuon
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