サイコパス探偵 一本道トオルの事件簿

岡崎マサムネ

サイコパス探偵 一本道トオルの事件簿

まどかくん?」


 カツ、カツ。

 革靴の音が響く。


「隠れても無駄だよ。早く終わった方がきみのためにもなる」


 わたしは口を手のひらで覆う。少しでも息を殺して、出来るだけ縮こまった。

 神様。どうか、どうか。

 がたん。

 わたしの身体を隠していた木の板が、取り除かれた。


「見つけた」


 最後に見たのは、暗闇の中、鈍く光る銃口だった。


 ◇ ◇ ◇


 薄汚れた雑居ビル。「一本道いっぽんみち探偵事務所」と書かれたドアをノックして、開く。


「おや。ずいぶんお若いお客人だ」


 ダブルのスーツを着た男が、デスクに座っていた。

 泣き黒子が印象的な、垂れ目の男だ。年齢は見たところ30代。髪は整髪料できちんとセットされていて、清潔感がある。汗ばむ陽気だというのに、ベストまで着込んでいた。


 男は立ち上がると、わたしのほうへ歩いてくる。すらりと背が高く、足が長い。紺のピンストライプのスーツがさらに縦長の印象を強調している。履いている茶色の革靴はよく磨かれているようで、ぴかぴかだ。


「ぼくは一本道いっぽんみちトオル。一本の道と書いていっぽんみち、トオルは片仮名。名探偵だ」

「あ、わ、わたしは住良木すめらぎまどかです。住むに、良いに、木で、すめらぎ。日本円の円で、まどかです」


 差し出された手を握り、挨拶を返す。

 あれ? 今、この人……自分で名探偵とか言ったような?


「きみ、ぼくに相談があって来たんだろう」


 人がよさそうに微笑んでいた一本道さんの瞳が、きらりと鋭く光る。


「さしずめ……おじいさんの遺産について、とか」

「どうして分かったんですか!?」


 驚いて問いかけると、彼は小さく笑って左手を見せ、人差し指を立てた。そして当然のことを話すように、流れるように言葉を紡ぐ。


「第一に、ぼくの依頼料はそれほど安くない。きみみたいな子どもが依頼に来られるような額じゃないはずだ。つまりきみにはパトロンがいる」


 彼がもう一本指を立てる。


「第二に、パトロンがいるはずなのに、きみが着ているのは近くの公立高校の制服だ。そのパトロンと知り合ったのは、つい最近なのだろう」


 3本目の指を立てた。左手の薬指だ。ちなみに、指輪はない。


「第三に、きみに近づいたときにお線香の香りがした。かつ、袖に僅かにお焼香の灰が付着している。誰か近しい人が亡くなったと見えるが……涙の跡はないようだ」


 思わず袖口を確認した。確かに、紺色の制服の袖がほんの少しだけ、白くなっている。

 最後に、彼は4本目の指を立てる。


「第四に、資産家の五百塚ごひゃくづか円次郎えんじろうが亡くなったというニュースが朝刊にあった。そしてきみの名前は「まどか」だったね」


 彼の話を聞いて、わたしは舌を巻く。全部、見事に当たっているからだ。

 さすがに自分で「名探偵」と名乗るだけのことはある。


「ぼくの推理に拠れば、きみは五百塚円次郎の血縁者だけれど、それを知らずに育てられた。だが彼の死によってきみの存在が明らかになり、きみは彼の葬式に招待され、遺産の一部を受け取る権利があることを説明された。そして、その遺産がらみで何かきな臭いことが起き……ここに相談に来た、と言うわけだ」

「す、すごい……ほんとうに探偵なんですね!」

「簡単なロジックだよ」


 わたしには驚くような推理に思えたのに、彼は何でもないことのように振舞っている。もしかしたら、とんでもない「当たり」を引いたのかもしれない。


 彼に促されて、応接セットの椅子に座る。彼が長い足を組んで優雅に腰掛けたのを見て、わたしは本題を切り出した。


「あの! わたしと一緒に来てほしいんです! 今度、亡くなった五百塚円次郎さん……おじいさんの遺言を開封する集まりがあって……」

「なるほど、そこに行くと遺産がもらえるわけだ」


 彼の言葉に、わたしは首を横に振る。


「遺産は、どうでもいいんです。わたし、小さいころに両親が死んでしまって、今の家に引き取られて。ずっと、おじいさんがいるなんて知らなかったから……知りたいんです。わたしの本当の家族のこと、おじいさんのこと。だから、行ってみたいと思ったんですけど……でも、この手紙が届いて」


 わたしはかばんから取り出した封筒を机の上に置いた。

 新聞の文字の切抜きで、わたしの宛名が書かれている。


「中を見るまでもなく脅迫状だね」

「はい。それで、怖くなって……」


 制服のスカートの上に載せた手を、ぎゅっと握り締める。自分でも分かるくらいに、震えていた。


「知り合いに聞いたんです。一本道さんのこと。その、補導されたときに、警察の人が話しているのを聞いたって」

「おや、悪い友達がいるようだ」

「警察の人が頼るくらいだから、きっとすごい探偵さんなんですよね? だから、どうかお願いします!」

「分かった、引き受けよう」


 勢いよく頭を下げたわたしに、一本道さんは即答してくれた。

 顔を上げると、彼はにこりと穏やかな微笑を湛えていた。


「事件のあるところ、探偵はどこにだって赴くものさ」


 ◇ ◇ ◇


 遺言状の開封の日、指定された小さな離島に集まったのは、わたしと一本道さんを除くと5人だった。


 小さな連絡船を降りる。わたしは思いっきり船酔いしてしまったのだけれど、一本道さんは涼しい顔をしていた。

 海辺からでも見えるくらいの大きな屋敷を目指して、一同歩き始める。自然が豊かで、ほとんどハイキングコースだ。周りには他の建物もない。携帯電話もとっくに圏外になっていた。


 皆目指すところは同じなので、歩きながら自己紹介をした。


 二宮にのみやさんという妙齢の女性は、五百塚さんの行きつけのスナックのママをしているそうだ。とても妖艶で、露出の多い服装も相俟って色気がむんむん出ている。後で七瀬さんがこっそり耳打ちしてきたところによると、実質は五百塚さんの愛人……らしい。


 三枝さえぐささんという壮年の男性は、五百塚さんの会社の部下だということだ。右腕として五百塚さんをずっと支え続けてきたそうで、五百塚さんの死を深く悼んでいた。


 六角ろっかくさんという40代くらいの男性は、五百塚さんの実の息子だと言った。三枝さんと同じ会社で、今は代表取締役をしているそうだ。


 七瀬ななせさんという30代後半くらいの女性は、五百塚さんの実の娘であるらしいが……六角さんとは母親が違うと言っていた。五百塚さんの女癖の悪さに辟易し、早くに結婚して家を出たので長いこと疎遠だったそうである。


 八戸はちのへさんという20歳くらいの男性は、五百塚さんの孫のひとりということだった。何故両親ではなく自分の名前で招待状が来たのかと、不思議そうにしていた。彼の母親とわたしの母が姉妹だったようなので、わたしの従兄弟にあたるのだろう。


 屋敷に着くと、九条くじょうさんと言う執事の方がわたしたちを出迎えてくれた。長いこと、五百塚さんの持っているこのお屋敷の管理を担当しているらしい。


 案内されるまま広々としたダイニングに赴くと、中にはすでに一人男性が座っていた。五百塚さんの遺言を預かっている弁護士で、遺言開封の立会いのためにここに来たのだという。彼は四谷よつやと名乗り、わたしたちに向かって一礼した。


 わたしと一本道さんを入れると、全部で9人。全員が――正確には、九条さんは四谷さんの後ろあたりに立って控えていたけれど――テーブルに着いたところで、九条さんが口火を切った。


「皆様、本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。円次郎様より、まずは今日のところは長旅の疲れを癒していただきまして、翌日に遺言の開封を行うようにと仰せつかっております。つきましては、夕飯のご用意をいたしましたので……」

「そんなものはいいから、早く遺言を開封してくれ。こっちは仕事がある。一刻も早く戻りたいんだ」


 いらいらした様子で言う六角さんに、九条さんは困ったように眉を下げる。


「……申し訳ございませんが、この島への連絡船は1日1本、夕方の便しかございませんので……どちらにしろ、お帰りいただけるのは明日の夕方になってしまいます」

「何だと!? おい、三枝、どういうことだ」

「ですから、何度も申し上げましたが……」

「聞いていないぞ!」


 三枝さんに怒鳴り散らす六角さん。三枝さんは黙ってうつむいてそれに耐えていた。

 見るに見かねたのか、七瀬さんがなだめるように言う。


「まぁ、いいじゃない。遺言がもし不平等な内容だったら、開封されたあと長い時間一緒にいるのも気まずいわよ」

「そうそう、遺産を狙って血で血を洗うバトルロワイヤル、なんてことになったら笑えねぇもんな」


 八戸さんの冗談に、誰も笑わなかった。いや、二宮さんだけは終始、にこにこと微笑んでいたけれど。


「あれ。スベった? ……もしかして、お前らのとこにもこれ、届いてるとか?」


 八戸さんが、ポケットから封筒を取り出した。無造作に突っ込まれていたので少しくたびれているが、新聞の切り抜きで作られた宛名に覚えがある。


「あ……!」


 わたしは思わず声を漏らした。周りの皆も目を見開いている。

 そして全員が次々と、同じ封筒を机に出した。


「全員に届いているとは……」

「内容も、皆同じなのかしら」

「俺のところに来たのは、『遺産は諦めろ。さもなくば、命を失うことになる』って内容だった」


 六角さんの言葉に、次々と皆が頷いた。


「私も」

「わたしもです」

「ふむ」


 一本道さんが、顎に手を当てて小さく呟いた。


「悪戯にしては手が込んでいますね。皆さん、ここにいる間は身の回りに気をつけたほうがよさそうだ」


 一本道さんの言葉に、わたしや七瀬さんは頷く。六角さんは「ばかばかしい」と笑っていた。


 ◇ ◇ ◇


 夕食の支度が整うまで、各自割り振られた部屋で待機することになった。屋敷の中はとても広く、全員に寝室を割り当ててなお空き部屋があるほどだ。


 脅迫状の件ですっかり怖くなってしまったので、わたしは一本道さんに割り当てられた部屋で夕飯まで待機することにした。

 夜はさすがに一人で寝ないといけないけれど、果たして寝付けるだろうか。寝室のドアにはきちんと鍵がついていたけれど、それでも、怖いものは怖い。


 雨が降ってきてしまったので散策に行く気も起きなかった。一本道さんとポーカーに興じていると、何やら廊下の方が騒がしい。一本道さんの後ろに隠れながら、そっと外を覗いた。


 執事の九条さんが、隣の部屋のドアを叩き、声をかけているところだった。


「六角さん、大丈夫ですか? 六角さん」

「どうかしましたか?」

「ああ、一本道様、住良木様」


 九条さんはどこか焦った表情で、こちらを振り向く。


「お声掛けしているのですが、返事がなくて。鍵はかかっているので、中にいらっしゃるとは思うのですが……」


 九条さんの言葉に、一本道さんがドアノブを握る。確かに中から鍵がかかっているようで、がちゃがちゃと回してもドアが開く様子はない。


「眠っておられるだけならよいのですが……先ほどの脅迫状の件もありますので万が一があってはと、少し心配に」

「合鍵は?」

「ございません。部屋の鍵は、皆様にお渡ししているもの1本だけです」

「……マスターキーは?」


 一本道さんの言葉に、九条さんははっと息を呑んだ。


「部屋はまだ余分があります。もし寝ているだけだったら、謝って別の部屋に移ってもらえば良いでしょう」

「は、はい!」


 駆け出した九条さんの背中を見送る一本道さんは、どこか苦い顔をしていた。六角さんが「寝ているだけ」とは思っていないらしいことが、わたしにも分かるくらいに。


 戻ってきた九条さんは、手斧を持っていた。それを一本道さんに手渡す。

 一本道さんは何の躊躇いもなく、その斧をドアに振り下ろした。

 木製のドアに亀裂が入る。もう一度振り下ろすと、穴が開いた。彼は穴から手を突っ込み、内側から鍵を回した。なるほど、確かに「マスターキー」だ。


 一本道さんに続いて、わたしと九条さんも部屋に飛び込む。


「きゃああああ!!!」


 わたしは思わず悲鳴を上げた。

 そこには、頭から血を流した六角さんが倒れていたからだ。


「下がりなさい」


 わたしたちを手で制して、一本道さんが部屋の中に進む。

 そして臆することなく六角さんに近づき、首筋に触れる。次いで、瞼を開いて瞳孔を確認した。


「死んでいる」

「なっ」


 九条さんが驚きの声を漏らした。わたしは怖くて、声も出ない。


「この部屋には鍵がかかっていた。だからこそぼくたちはドアを壊して入ったわけだが……」


 一本道さんが、ぐるりと部屋の中を見渡す。

 隅に据え付けられた文机の上に、この部屋の思しき鍵が置かれている。

 窓も締め切られていた。ガラスが割れているわけでもない。


「窓にも鍵がかかっている。ほかにこの部屋に出入口はない……つまり」


 彼は、部屋の真ん中に倒れている六角さんを見下ろす。


「つまり、この部屋は完全な密室だった」

「密室殺人……」


 九条さんの声が、どこか他人事のように聞こえた気がした。


「とりあえず警察に連絡を」

「は、はい!」


 一本道さんの言葉に、九条さんが慌てて駆け出した。一本道さんはもう一度部屋の中を見回す。わたしもつられて、視線を巡らせた。

 窓のすぐ近くに水たまりが出来ていた。先ほど雨が降り出したので、それが吹き込んだのだろう。雨が降ってきたときには、窓が開いていたのかもしれない。


 他には窓も、ドアも、天井に通じそうな通風孔もない。壁に、絵画等を掛けるための小さなフックが二つほど、ついているだけだ。そして、六角さんが倒れている周りには、彼が頭を打ちそうなものは見当たらない。自分で頭をぶつけてしまったとは考えにくい。


 ちらりと六角さんが視界に入った。死んでいるのだ。そう思うと、反射的に恐怖と吐き気が催してくる。少し視線をそらした先、倒れた六角さんの指先のあたりの床に、不自然に血の跡があることに気がついた。


 横棒一本、まるで、漢数字の「一」のような何かが、血で描かれているようだ。たまたま血しぶきがその形に伸びただけ、かもしれないが……そうではないかもしれない。

 これを見た人が、そうではないと感じるかもしれない。


「い、っぽんみち、さん」

「うん?」


 名前を呼ぶと、彼はこちらを振り向き、わたしの視線を追った。床にある血文字らしきものを見つけて、彼は屈みこむ。


「……ああ、何だろうね。漢数字の一、にも見えるけれど」

「あの、わたし。今の家に引き取られる前の、わたしの、名前。おじいさんの関係者の人は、みんな知ってると思うんですけど」


 がたがたと身体が震えだす。


一ノ瀬いちのせ、なんです」


 立ち上がった一本道さんが、わたしを見下ろす。その瞳が、ポーカーをしていたときよりも鋭いような気がして、わたしは身を竦むのを感じた。


「で、でもわたし、何も知りません! 何もしてません! 信じてください!」

「それを言ったらぼくだって一本道だ」


 ふっと、一本道さんが苦笑いする。


「探偵というものは、1つの事象に拘泥せず、大局を見て判断をしなければならない。それが依頼人の利益になることでも、不利益になることでも」


 こちらを見る一本道さんの表情は、淡々としたものだ。普段話しているときと変わらないその調子に、何故だかとてもほっとする。


「きみに特別に肩入れすることもしないけれど、この1つの証拠で判断をすることもない。そこは安心してくれたまえ」


 これが探偵というものなのだ、と思った。

 きっと一本道さんなら、真実を見つけてくれる。それだけで安心できた。


「い、一本道様!」


 妙に慌てた様子で、九条さんが戻ってきた。


「どうでしたか?」

「それが……電話線が切られているようで、どの部屋の電話も通じず……」

「えっ!? こ、この島、携帯も圏外なのに……?」

「……船の定期便が来るのは明日の夕方でしたね」

「はい。……残念ですが、それまで外部と連絡を取る手段はありません」

「そんな……」


 わたしはぺたりとその場に座り込んだ。

 人が死んでいて、誰かに殺されたかもしれないのに。

 警察が来てくれない。それどころか、明日までわたしたちもここから出ることが出来ない。


 恐ろしくて立つことができなくなってしまったわたしを、九条さんが支えてくれた。


「……とりあえず、皆で一度集まりましょう。それから、順番に空き部屋を確認します。どこかに殺人犯が潜んでいるかもしれませんので」


 一本道さんが冷静に告げた。


 ◇ ◇ ◇


 わたしたち以外はすでにダイニングに集まっていた。

 一本道さんが皆に事情を話す。六角さんが殺されたという情報に、ダイニングは騒然となった。


「そんな……」

「まさか、あの脅迫状、本当に?」

「だけど、鍵が掛かってたんだろ? 転んで頭を打っただけじゃ……」

「挫傷の形状に合うような家具は部屋にはありませんでした。詳しいことは検死を待たなければ分かりませんが……他殺の可能性が非常に高いことは間違いありません」


 一本道さんの言葉を、八戸さんがふんと鼻で笑った。


「まるでミステリだな。次は俺たちが順番に殺されるのか?」

「ちょっと、ふざけてる場合じゃないでしょ」

「空き部屋にでも、誰かが潜んでいるんじゃないかねぇ?」


 二宮さんが首を傾げる。その言葉を肯定し、一本道さんは提案した。


「その可能性はあります。これから、空き部屋を確認して行きましょう。離れていると襲われる危険性がありますから、出来れば全員一緒に」


 一本道さんの申し出に、全員が頷いた。その後連れ立って屋敷中を調べて回ったが、わたしたち以外の誰かが潜んでいる姿も、形跡も、見つけられなかった。


「ふむ」


 ダイニングに戻ってきたところで、彼は顎に手を当てて、少し考え込むような仕草をする。

 その姿はとても探偵然としていて。わたしはごくりと息を飲んだ。


「第三者がここに潜んでいる可能性は、非常に低い。つまり……」


 一本道さんの言おうとしていることを、その場にいる誰もが理解していた。今、ここにいる人間以外、この島にはいない。その中で、人が殺されたのだ。


「犯人は、この中にいる」


 彼はぐるりとそこに集まった人たちの顔を順番に見回す。


「よし」


 そして、特に微笑みもせず、だからといって苦渋の決断と言う風もなく、あっさりとこう言い切った。


「順番に、全員、殺そう」

「はい?」


 思わず聞き返してしまった。しんと静まり返ったダイニングに、一本道さんの平坦な声が響く。


「考えてもみたまえ。1/7の確率で殺人犯が潜んでいるんだ。野放しにするリスクを冒すよりも、全員今すぐ殺すのがもっとも合理的だ」


 世のため人のためだ。

 まるで当たり前のように、電車では老人に席を譲るべきだ、とでも言うように。

 それがベストだと、善行だと信じて疑わない様子で、彼は言った。

 言い切ったのだ。


「ねぇ、ちょっと、冗談なんか言ってる場合じゃ、」


 銃声が轟いた。

 七瀬さんが派手な音を立てて床に転がる。


「心外だな。ぼくは冗談なんて言ったつもりはないよ」


 一本道さんはやれやれと言った様子で肩を竦める。その手には、拳銃が握られていた。

 床に転がった七瀬さんの額には、風穴が開いている。

 沈黙の後、ダイニングが悲鳴に包まれる。


「うわぁああ!?」

「ひ、人殺し!」

「人殺しはきみたちの方だろう」


 一本道さんは悲鳴を気にする様子もなく、淡々と言う。


「どのみち殺人犯を放置していたら、一人また一人と殺されるのがセオリーだろう? その時が少し早まっただけさ。大差ないよ」


 一本道さんが、今度は銃口を八戸さんに向ける。


「時計回りに殺す、それだけさ」

「お前、人の心がないのか!?」

「探偵に必要なのは心じゃない。明晰な頭脳と臨機応変な対応力だよ」

「これのどこが臨機応変なんだ!」


 三枝さんは激昂していた。だが、一本道さんはそれを気にする様子もなく、銃口を八戸さんに向けたままだ。

 時計回りの順番だと、次は八戸さんだった。


「もういい、分かった、俺だよ、俺がやった! ほら、これでいいんだろ!?」


 八戸さんが両手を挙げて、一歩前に出た。一本道さんを含め、全員の視線が彼に集まる。


「お前、まさか本当に!?」

「ああそうだ、クソ! なんだってこんな目に……一人殺して死刑になるんじゃ割にあわねぇ。刑務所入った方がよっぽどマシだ」

「は、八戸さん……」


 震える声で名前を呼べば、彼はふんと鼻で笑った。ひどく獰猛な、憎しみのあふれるような……歪んだ表情だった。


「信じられないんだったら、俺がやったって証拠にトリックの説明だってしてや」


 銃声が響く。


「な、ぜ」


 胸を押さえて、八戸さんが倒れた。絨毯にみるみるうちに血溜まりが広がる。


「だって、嘘かもしれないだろう」


 一本道さんは、けろりとそう言った。


「嘘をついてまで庇いたい相手が犯人なのかもしれないだろう? 恋人とか、親とか、子とか」


 淡々と、種明かしをするように、トリックの説明をするように、一本道さんは言う。

 わたしが彼の事務所を訪れたとき、理由を言い当てたように。当たり前のことだとでも言うように、話す。


「そ、それは……」


 続けて、銃声が響く。

 四谷さんの身体が椅子の上で僅かに跳ね上がり、動かなくなった。


「探偵の仕事は信じることじゃない。疑うことさ」

「こ、こんなことをしていいと思っているのか! 人を殺しているんだぞ!?」


 三枝さんの言葉に、一本道さんはゆるゆると首を振ってみせる。


「探偵の仕事は正しいことをすることじゃない。もう二度と、こんな悲しい事件が起きないようにすることさ」

「よくも、よくも他人事みたいに、ご立派な台詞を言えたもんだな!」

「ありがとう。今日もぼくは、人に誇れるような仕事をして、立派に生きているよ」


 銃声が轟いた。


「あと3人」


 一本道さんの声が、どこか遠くで聞こえたような気がした。がちがちと頭の中で音がする。歯の根が合わない。足も震えている。指の感覚がない。

 逃げろ、逃げろ、逃げろ!


 頭の中が真っ白になりながら、わたしは彼に背を向けて、駆け出した。


 ◇ ◇ ◇


 どこをどう走ったか分からない。わたしは屋根裏のような場所に辿り着いた。置いてあったカンバスらしき板の後ろに身を隠す。

 階下で銃声が聞こえる。わたしは耳をふさいで震えることしか出来ない。

 しばらくして、何の音も聞こえなくなった。


 ああ、神様。どうかこのまま、この悪夢のような時間が終わりますように。

 願わくば、これが悪い夢でありますように。


 遠くで、また銃声が聞こえた。

 わたしの祈りもむなしく、足音が聞こえて来る。だんだんと近づいてくる。


 カツ、カツ。

 革靴の音が響く。


「円くん?」


 その声に、わたしは絶望した。一本道さんの、穏やかな声だったからだ。

 誰かが助けに来てくれたと言う可能性が消えてしまった。


「隠れても無駄だよ。早く終わった方がきみのためにもなる」


 わたしは口を手のひらで覆う。少しでも息を殺して、出来るだけ縮こまった。目からこぼれた涙が、手のひらを伝って落ちる。


 神様。どうか、どうか。

 命だけは。


 がたん。

 わたしの身体を隠していた木の板が、取り除かれた。


「見つけた」


 最後に見たのは、暗闇の中、鈍く光る銃口だった。


 ◇ ◇ ◇


「やぁ」

「ヒッ」


 目を開けると、死の間際に聞いた恐ろしい人の声がした。

 思わず息を呑み、ベッドの上で飛び退く。


 声の主……一本道さんはベッドサイドの横に置かれた丸イスに腰掛けて、長い足を組んでいた。にこにこと穏やかな笑顔で、手を組んで膝の上に乗せた。


「目が覚めて何よりだ」

「なん、え、? わたし、生きてる? こ、ここは?」

「そうだね。きみは生きている。ここは病院。そしてぼくは一本道トオル。名探偵だ」


 さらりとなんでもないことのように名乗ってみせる。まるで最初に会った時のように。

 もしかして、記憶にある恐ろしい出来事は、わたしの見た夢だったのだろうか。だとしたら、どこからどこまでが?


 頭の中をいろいろな疑問が駆け巡る。あまりに考えることが多すぎて、ふっと集中が切れた瞬間、腹部に違和感を覚えた。

 一本道さんの視線も気にせず服をたくし上げると、大げさに包帯が巻かれていた。左腕には点滴が刺されていて、見上げると点滴のパックには血の色をした液体が入っている。

 さーっと血の気が引くのを感じた。


 夢じゃない。わたしは間違いなく、撃たれた。

 そしてわたしを撃ったのは、目の前にいるこの男だ。

 殺される。直感的にそう思った。

 どうしよう。逃げる? 助けを呼ぶ?


 わたしが考えていると、病室のカーテンがしゃっと開かれた。

 視線を向けると、くたびれたスーツ姿の男が立っている。年頃は一本道さんと同じか、少し上くらい。ぼさぼさの髪に、無精髭の、だらしないにやけ顔をした男の人だ。


「ああ、目が覚めたんだ。よかったよかった」


 へらへら笑いながら、男がサイドボードにフルーツの盛り合わせを置く。我が物顔で丸イスを持ってきて、一本道さんの隣に座った。


「初めまして。まどかチャン。一本道が世話になったみたいだね」

「逆だろう、二階堂にかいどう


 一本道さんが不満げな声を出す。どうやら2人は知り合いらしい。

 ということは……


 わたしが警戒しているのに気づいたのか、二階堂と呼ばれた男は違う違うと首を振った。


「いや、一緒にしないでね。俺はこう見えて、ほら」


 ポケットから、黒い手帳を取り出し、上下に開いて見せる。金色の桜の代紋と、彼の顔写真が並んでいた。


「け、刑事さん!」

「そうそう。ね、怪しいものじゃないでしょ」

「た、助けてください!」


 思わず悲鳴が口をついて出た。腹部の痛みも忘れて、二階堂さんに縋り付く。


「わたし、撃たれて! ころ、殺され」

「はい、これお見舞い」

「もが」


 わたしの口に、うさぎの形に剥かれたりんごが突っ込まれた。


「大丈夫、ちょっと事情があって。こいつはもうきみに危害を加えることはないから、安心して」

「じ、事情?」

「そ。大人の事情」


 二階堂さんがにたりと笑った。どうにも裏がありそうな、胡散臭い笑顔だった。


「こいつの事件解決の方法って、特殊だから」


 そう言われて、はっと思い至った。確かに、あんなにあっさり人を殺すような人がそうそういるとは思えない。何か仕掛けがあるのかもしれない。


「も、もしかして、あの銃は実は麻酔銃、とか」

「いや?」

「ゴム弾、とか?」

「いや?」


 二階堂さんは笑顔のまま、わたしの言葉をばっさばっさと否定した。

 わたしたちの様子を横目に見ていた一本道さんが、何でもないことのように言う。


「彼らは罰が当たっただけさ」

「は?」

「人殺しなんて悪いことをしたんだ、罰が当たるのは当然だろう? だから、撃たれたら、死ぬ」


 淡々と言う。

 当たり前のことを言うように、他人事のように。

 明日の天気を話すように。

 どこか遠くの国の出来事を話すように。


「そして悪いことをしていなければ、きっと幸運が味方をして、命が助かる。こんなに簡単なことなのに、どうしてなかなか理解を得られないんだろうね?」


 探偵としての技量不足を痛感するよ、と肩を竦めてみせる。


「人の生死なんて大切なことが掛かっているんだ。悠長に推理なんてしている時間が惜しいし、万が一間違いがあったときのリスクが大きすぎる。ぼくに任せてもらえれば、3分でカタがつくのに」


 ため息をつく一本道さん。その表情は本当に残念そうで、わたしは身の毛がよだつのを感じた。

 この人は、本当に心から、そう思っているのだ。


「……ちなみに、今回、助かったのは?」

「きみだけだ」

「は?」

「こんなに悪人ばかりだったなんて。考えただけで恐ろしいよ」

「…………」


 絶句してしまった。

 わたし以外、全員、死んだのだ。

 それでなお、この人は淡々と、当たり前のように微笑んでいるのだ。自分の仕事を全うしたと信じて。


「そうだ、遺産はどうする? いろいろあって、きみにかなりの額が入ったようだけど」

「い、いい、いりません! わたし、そんなの!」

「そう言うと思ったから、恵まれない子どもたちのための施設に寄付をする段取りをしておいた。ああ、もちろんぼくの報酬はいただいておいたけれど」


 彼はにこりと笑って言った。穏やかで優しそうな笑顔だが、今のわたしには恐怖の対象でしかない。思考を先回りされたことも恐ろしくてたまらない。


「一本道。すまないがちょっと買い物を頼まれてくれ。下の売店でアイスクリームを買ってきてほしい」


 二階堂さんが胸ポケットから財布を取り出して、一本道さんに押し付ける。くたびれた革の長財布だ。


「何故ぼくが」

「ついでにナンクロ買いに行きたいんじゃないかと思ってな」

「仕方ない。ついでに買ってきてやる」

「いいか、バニラ味だぞ!」


 さっさと部屋を出て行った一本道さんの背中に、二階堂さんが重ねて声をかけた。

 そして振り返ると、わたしに向かってへらりと笑う。


「よし。邪魔者がいなくなった。ここからは本当のところを話そう」

「え」

「あいつは実は探偵じゃない。本人の希望で『探偵』ということになっているが、そもそも俺たちの、いや国の認識では――」


 二階堂さんは、声を潜めて言った。


「――あいつは『人間ではない』という扱いになっている」

「は?」

「人間が人を殺したら罪になる。当然だろう? そしてもし、動物が人を殺したら、殺処分だ。つまりあいつは、人でも、動物でもない」


 一本道さんを思い浮かべる。彼の言葉からして、今回のことが初犯ではないようだった。なのに彼は罰されず、野放しにされている。罪を重ねている。

 人間じゃない。じゃあ、一本道さんは。

 一本道トオルは。


「人間じゃないなら……何なんですか……?」

「『司法』さ」


 二階堂さんは言った。スーツのポケットに手を伸ばし、煙草の箱を取り出す。空だったのか、その箱をぐしゃりと握りつぶした。


「司法が人を殺すことは、合法だからな」


 現職の刑事が言う言葉としては、その言葉はあまりにも、不適切なものだった。


「依頼さえなければ無害なやつなんだよ、あいつ」


 言い訳をするように、二階堂さんは付け加える。


「あの部屋に置いておいて、安楽椅子探偵をさせておく分には非常に有用だし……国家権力でなく『司法の力』でなければ解決できないこともある」


 確かに、一本道さんはきちんと探偵らしい推理をすることも出来るようだった。

 だからこそ、分からない。


 その力があるのに、なぜ人を撃ち殺すという解決方法を「合理的」だと判断してしまうのか。

 そしてなぜ警察と言う組織がそれを「司法」として、罰せずに利用しているのか。


「ところで。きみ、もらった遺産をすべて寄付してしまったようじゃないか。あいつに支払う分以外」


 二階堂さんがふっと話を変えた。

 遺産の話をされた瞬間、あの惨劇が蘇る。


「だって、あんなことがあったんですよ!? そんなお金、怖くて……」

「きみを養ってくれていた家は、どうもそれをあてにしていたらしい」

「え?」

「きみが無一文だと知ったら……今までのように接してくれるか分からないぜ」

「で、でも……そんな」


 そんなわけがない、と言いたかった。

 でも、わたしには言いきれなかった。脅迫状を見て怖気づいたわたしを励まして、一本道さんに依頼するための前金を持たせてまで送り出したのは、おじさんたちだった。


 もし、それが……おじいさんの遺産目当ての行動だったとしたら?

 わからなかった。まともな精神状態ではないわたしには、もう何も、分からなかった。


「そこで提案がある。きみがあるバイトをしてくれたら……俺がきみのパトロンになるよ。おじいさんからの仕送りという体で、きみの保護者の口座にお金を入れる。きみが18になるまでの、3年間限定のバイトだ」

「バイト?」


 パトロンになる、という言葉に怪しさを感じる。この人がわたしにそんなことをするメリットはないはずだ。真っ当な仕事でないことは間違いない。


「何の、バイトなんでしょう?」

「あいつの見張りさ」

「え」

「たまにいるんだ。きみみたいに、あいつを普通の探偵だと思って依頼しちゃう人が」


 彼のことを知ったきっかけを思い出した。そうだ。警察の中で、彼の話をしていた人がいたという話だった。そうして知る人もいるだろうし、普通に雑居ビルには看板も出ている。検索すればウェブサイトだって出てきた。

 依頼人がいるのは何もおかしなことではない。


 そう思うと、恐ろしくなった。わたしのように彼に依頼をしてしまった被害者が、いったいどれだけいたのだろう。

 一本道さんが野放しにされていることの恐ろしさが、あれが穏やかな日常のすぐそばにいることの絶望が、じわじわと染みだしてくる。


「そのとき、あいつを止めてほしい。いや、出来るなら依頼人のほうを止めてほしい。繰り返すが、依頼さえなければおとなしいやつなんだ」


 二階堂さんが身を乗り出して、わたしとの距離を詰める。

 一瞬だけ、彼の表情が真面目なものになった。


「きみは1度生き残った。あいつのチェックをクリアしたんだ。きみのことなら信用するだろう。これ以上被害者が出るのを防げるのはきみだけかもしれない」

「そ、そんな! 嫌です、あんな思いをするのはもうごめんです!」

「俺も、仏さんになったきみと対面するのはごめんだな」


 二階堂さんがすっと目を細めた。口元はだらしなくへらへらと緩んでいるが、眼光が鋭い。


「人間って怖いぜ。金の切れ目が縁の切れ目。そういうの、腐るほど見てきたよ。刑事のおじさんが言うんだから間違いない」


 視線に射貫かれる。

 見抜かれているような気がしてくる。見透かされているような気がしてくる。

 本当に彼の言うようなことが起きるのではないかという不安が、思考を蝕む。


「なに、きみのようなのはレアケースだ。迷い込んでくる依頼はせいぜい浮気調査や失せ物探しだろうから、命の危険はそうそうないだろうし、そもそも件数が少ない。ほとんどは俺たち警察が一般人の振りをして依頼をしているんだ」

「どうして、一般人の振りを?」

「そのほうがあいつが気分よく仕事をするもんでね」

「…………」


 言葉を失ってしまった。

 国家権力が一個人のご機嫌取りのためにおままごとに付き合っているのである。一本道トオルというものの異常性が、それだけでも分かる気がした。


「警察組織としては、表向きあんなやつを囲っておくわけには行かないが……世の中には、時々ああいうやつじゃないと解決できないことがあるんだよ。必要悪ってやつだな」

「必要悪……」

「警察手帳を見せたら通す、そうでなければ『先生は他の依頼が立て込んでいて』とか何とか言って追い返す。それだけの仕事さ、簡単だろう? 俺がパトロンになると言ったが、実際の金の出所は国だ。きみの『ご家族』が満足するような額を約束しよう」


 二階堂さんはへらへらと笑う。信用できない、誰がどう見ても作り笑顔と分かるような、胡散臭い表情だ。


「さぁ、どうする? 選択肢、あるうちに選んでおいた方が得かもよ?」


 二階堂さんがにたりと笑う。目が笑っていなかった。

 一本道さんのほうがよっぽど真っ当な顔で笑っていたな、と思った。


 ◇ ◇ ◇


「ふむ」


 一本道さんが、ガラスのショーケースに入った骨董品たちを見渡す。


「このコレクションのうちで、もっとも価値のあるものを盗む、と。予告状にはそう書かれていたんですね?」


 一本道さんのところに舞い込んだ依頼。怪盗から骨董品のコレクションを守ってほしい、という物だった。

 頑張ったのだが、依頼人のお爺さんの押しが強すぎて、追い返せなかったのである。万が一の場合に一本道さんを止めるべく、わたしも一緒に派遣されることになった。


 まぁ、警備のアドバイスが欲しいということだったので、誰かの命にかかわるような事態にはならないだろう。


「よし」


 何やら考えていた様子の一本道さんが顔を上げた。


 あれ。

 何だか、嫌な予感がするような。


「全部、壊そう」

「え」

「悪人の手に価値のあるものが渡るリスクを考えれば、今ここで価値をなくしてしまうのが最も被害が少ない」


 そう言って彼はバールのようなものを振りかぶる。


 がっしゃーーん。


「一本道さん!! やめてください、一本道さん!!!! 血税!! 血税から弁償だから!!!!」



 ◇ ◇ ◇



「窓の近くの水溜り、壁のフック、被害者の頭の近くで不自然な形に伸びた血痕。これらを考え合わせれば、密室殺人のトリックなど簡単に説明がつく。だが、誰がそれをしたのか。誰がそれに関わっているのか。誰がそれを見て見ぬふりをしたのか。すべてを明らかにするには時間がかかる。そんなことに時間と労力を費やすのは、実に無駄なことだと思わないかね?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サイコパス探偵 一本道トオルの事件簿 岡崎マサムネ @zaki_masa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ