二人の隣を、キミの隣を歩きたかったから

僕が幼なじみの花夏が好きだと自覚したのは、幼稚園のときだった

花夏は、僕がいじめられているといつも助けてくれた、いつも笑っていた

僕は、あの向日葵のような明るい笑顔が好きだった

でも、いつも隣りにいるのは、僕ではなくて、もうひとりの幼なじみの蒼空だった

花夏は、優しくて、いつも笑っている女の子で、蒼空は、かっこよくていろんなことを知っている知的な男の子だった。

僕は、そんな二人の後ろをついてまわり、蒼空が引き出す笑顔を見ているだけだった

でも、あの頃の僕は、小学校に入学するときに捨てた

「なんで、急に変わったんだ?」

と蒼空に聞かれたが、

「二人の隣を花夏の隣を歩きたかったから」

なんて言えるわけもなく

「ん〜、なんとなく?」

と答えていた

僕は昔のことを思い出しながら歩いていたら、いつの間にかいつもの樹に着いていた

「波瑠、急に呼び出してどうしたの?しかも、呼んだ本人があとから来るってどういうこと?」

僕は、今から花夏に告白しようと思って、花夏にいつもの樹のところに来てもらった

「ごめん、ごめん」

僕は、謝りながら花夏に駆け寄る

花夏の前に来たとき、花夏に向き直って

「好きです、僕と付き合って下さい!」

と言った

キキーッ自転車の急ブレーキの音で、現実世界に引き戻された

「すいません」

あのときは、どうなったんだっけ?と思いながら、僕は、学校へと向かっていた

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