第1話への応援コメント
情景だけでなく温度や匂いまで感じさせる描写で、読み終わった後、遠い遠い雪深い土地から現実に戻ってきたような、不思議な感覚に……とても面白い怪異譚でした。
私はお酒はあまり飲めないのですが、この作品は温めた日本酒を飲みながらもう一度ゆっくり読みたくなる、そんな気持ちになるお話でした。良い時間をありがとうございます。
作者からの返信
私はお酒が好きで、書くものの中にほぼお酒を飲むシーンが出てきます(笑)。真冬の寒い山の中が舞台なので、ちょうど今の時期に読んでいただけて、よりいっそう効果があったかもしれません。なかなか難しいことですが、日常と非日常の境界が、淡い世界を描きたいと思っているので、とてもうれしい感想をいただきました。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
@sakamonoさま、「不思議の里」へのご参加、ありがとうございました。
なんと緻密で丁寧な描写なのでしょう。物語の方向性さえまだ見えない最初の数行を拝読しただけで、完全に魅了されてしまいました。居酒屋の饐えたような芳しい温もりが、薄明るく心地よく匂ってきます。
「小さな電灯とストーブの光は、小屋の四隅にまでは届かず、壁際に雑然と置かれたものは闇の底に沈んでいた。」
うーん、まいりました。
あまりにも凄い文章に闘志を掻き立てられて、たとえ一ヶ所でも良いからケチを付けておかなければと、途中、目を皿にして重箱の隅をつついてみたのですが、大した成果は上がらずじまいです。でも、悔しいので、駅の改札を出る場面で「入口」とあるのを「出口」にしたかったとお伝えしておきます。
「高野聖」などを彷彿とさせる、どこかへいざなわれて行きそうな気味悪いファンタジーでした。
作者からの返信
自主企画のコーナーを見ていて「不思議の里」を発見し、企画内容を読み、これは私の書くものにぴったりだとうれしく思い、参加させていただきました。「里」という言葉が何やら「遠野物語」を連想させるようでもあります。ストーリー的な盛り上がりやオチがあるわけではないので、丁寧な描写で幻想譚としての空気が伝われば、という思いで書きました。その辺りを汲み取っていただけて、過分なお言葉まで。
ご指摘のところ、自分で読み直してみてなるほど、と思いました。視点人物からすると確かに「出口」ですね。その部分は文章に、語り手が顔を出した描写になっています。三人称で書いているから、これでもいいかな……などと悩んでおります。
お読みいただき、レビューまでいただいて、ありがとうございました。
編集済
第1話への応援コメント
お邪魔します。
素晴らしい情景描写で映画を一本見た気分です。雪の山道のシーンと居酒屋のシーンが交互に構成されているのもすごい!って思いました。
煮炊きの匂いもして来ました。イノシシのモツ煮は食べたことありませんが。
女将との会話に不穏なものを感じながら、主人公がリラックスしていってるのはお酒のせいばかりではないですよね。
女将に正面から見据えられて身動き取れなくなるイノシシと主人公が重なるのは私だけ?
作者からの返信
はい、まったくその通りです。罠にかかって観念するイノシシと、男が二重写しになるように書いたつもりでした。女の、人ならぬ者のもつ魅力に、男が次第に魅入られていくような。最初、ループ物みたいなことを考えていましたが、書いているうちに、こんなふうになってしまいました。交互にシーンが切り替わるのは、そのあたりの名残です(笑)。過分なお言葉と、素晴らしいレビューまで、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
昔、山形の奥の方で、急峻な山道を車で走っていたときのことを思い出しました。実際、杉ばかりで、そこからは距離がありましたけれど、ダムもあって。クマの肉が入ったラーメンとか、マスではないですがイワナやヤマメを焼いたのを食べたりだとか。そうそう、夜道を走らせていて、あれは多分、イタチだかキツネだかが道を横切ったこともありましたっけ。豪雪地帯で、酷いと家が押し潰されるくらいの雪が降る所でした。そういう空気が文章に滲み出していて、とても懐かしくなりました。
それにしても@sakamono さん、いくらなんでも飲み過ぎじゃないですかね笑?
肝臓の数値が心配になりましたけれど大丈夫ですか?
作者からの返信
とてもうれしい感想、ありがとうございます。空気感をどんなふうに伝えようか、といつも心を砕いています。雪の降る日の夕暮れの、鉛色の風景の中での、夢とも現とも判じかねる出来事…そんな空気を伝えたい、と考えていました。ここ数年、健康診断を受けていないので数値は分かりません(笑)。酒を飲む話ばかり書いていますが、基本的に月~木は飲まず、金土日に飲みます。あくまで基本的にですが。だからたぶん数値は問題ないと、思っています…。
第1話への応援コメント
ホラーな展開になるかと思いきや、絶妙な筆使いで眠りの道へと誘われてしまいました。確かに、ミステリアスで物静かな女性と冬を過ごすのも悪くないかもしれない。そう思わせるほどの筆力がありました。読み手も添い寝したいくらいです。(あ、石を投げるのが精々か)
とても面白かったです★★★
作者からの返信
今の暮らしやしがらみをすべてうっちゃって、美しい女性と静かに眠るのも悪くないかもしれません。そう思っていただけたなら、書いた私としてはとてもうれしいです。^^; 夢か現か、その辺りのところを曖昧にしたかったので、とてもうれしい感想をいただけました。お読みくださり、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
美しい情景描写と、幻想的であやしい世界観、不明瞭な幕切れ。素晴らしい作品だと思いました。
感動をうまく言葉にできず、まとまりのない文章になってしまいましたが、レビューを書かせていただきました(^^)
作者からの返信
現実と幻想の端境の感覚を書きたいと思っていて、このような感想をいただけて、とてもうれしく思います。怪異譚の定番、山の中で見知らぬ女にもてなされる、というお話なので、舞台となる山の風景や小屋の描写を丁寧にしようと思いました。石を投げる者や女の正体は書かずに、読んでくださった方に想像してもらえるようにしたかったので、こうなりました。お読みいただき、素晴らしいレビューまで書いていただいて、本当にありがとうございました。
編集済
第1話への応援コメント
『ただ、文章だけがあればいい』企画への参加ありがとうございます。
情景描写が秀逸で、うらぶれた山間の風景を想起しながら読めました。電車の車窓から見える雪景色、下車後の山道の散策、その後居酒屋に辿り着くまでの景色が自然と浮かんできて、男の足取りを追体験しているようでした。
ストーリーは不思議な感じですね。女は熊だったのでしょうか? 男は彼女に食べられてしまったのか……。想像の余地のある物語だなと思いました。
作者からの返信
『ただ、文章だけがあればいい』の企画内容を読んで、私もまったく賛同する者なので、参加させていただきました。どんな場所で起きた出来事なのか、ということを伝えようと、つい風景描写に力を入れてしまいます。もっと人物の内面や物語内容に力を入れなければ、とも思うのですが……。読み手の方に想像させるばかりで、結末も曖昧です。男はたぶん(寓意的に)女に食べられてしまっただろうと思います。お読みいただき、ありがとうございました。