410・u-a
――何故。
「他人を本当に理解出来る奴なんて、どこにも居ないわ。居たとしても、そんなのは理解した気になってるだけ」
――何故。問うてしまったのだろう。
「分からないから分かろうとするの。一生。それがコミュニケーションってモノでしょ」
――質すつもりなど、無かったのに。
「あとは……ああ、そうそう。私が月彦の隣に居る理由? だったかしら」
――返る答えなど、尋ねる前から知っているのに。
「別に無いわよ。大層な由縁なんか」
――思い知らされる、だけなのに。
「そうしたいから、してるだけ」
――届かない、と。
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