異世界転生して戦車に乗る話
松平真
第1話 戦車に乗る!
私はメイ・ン・トルタ。花も恥じらっていた19歳。
最近流行のトラック異世界転生をした結果、近代くらいに発展した世界に生まれ落ちた。
チートとかは特になかったけど(代わりに所謂TSはした。前世は男だった)、生まれた先のトルタ家はそこそこ裕福な商家で何不自由なく暮らすことができた……。
19歳の春までは。
国民兵召集令状、前の世界の故国日本で言うところの赤紙が来たのだ。
そこからは怒涛の二か月だった。
というか二か月で訓練終えるのヤバくない?そもそも女まで徴兵してる時点で我が国敗北寸前じゃない?とはじめは思ったがその疑問さえ訓練の厳しさと忙しさで押し流されていった。
訓練の支えになったのは戦車(正式名称は
戦車に乗れるなら、きっとそうそう死にはしない。
なにせ戦車は、魔道装甲(魔力が込められた魔石を融かして鋳型に流し込んで作った装甲)と、魔道射出砲(魔法が込められた弾丸を爆裂魔法カートリッジで射出する火砲)を備えている最新の魔法兵器なのだ(なお見た目は前の世界の戦車と大きな違いはない。物理法則が同じなら兵器の形は自然と似るのだろう)。
訓練の内容が、
そして訓練は終わり、私は前線の部隊に配属された。
配属は108戦闘団。戦車が中心の機動部隊だ。
やった!戦車だ!ヤッホーイ!
荒野の中のやや小高い丘に設営された戦闘団の司令部で、他の配属兵と共に参謀将校から辞令を渡される。
大尉の階級章をつけた参謀将校は私の前に立つとにこやかに言う。
「トルタ二等兵。君の部隊は……ああ、ちょうどあそこで訓練している」
参謀将校が指で示したのは、戦車……否、そこにへばりついている歩兵だ。
つまり……
「君は385猟兵中隊に配属される。我が戦闘団では基本的に戦車と共同任務だ。歩くことはあまりない。よかったな」
戦車に乗れるって、タンクデサントかよ!!!
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