第7話 女としての生育歴

 もう一度言うわ。それ以降、私は女として、生きることになった。


 男の子に女の子の格好させるだけでも可哀想なのに、私は女として生活をしている。


 世の中に私みたいな人間他にいる?


 何しろ、男性ホルモンが、強くならないように春彦、夏彦兄さんの成長記録を見ながら今も女性ホルモンを注射とかしており、健康なのに病弱設定がついているのはそれの副作用だと言われている。


 また、普通に女の子が、好きな男子なのに、大学に入り、成長がとまったら性転換の手術を受けるようにとの指示も受けている。


 文句を言おうにも祖母は、私が、小五の歳になくなり、母も私を女として育てるようになってから姉の幻覚は見なくなり、もとの精神に戻った。しかし、私が小学校に通う頃から、心臓病が悪化して入退院を繰り返すようになり、私が小六の歳に他界した。


 由布ゆう叔母さんからこのことを聞かされたのは私が中一の普通なら声変わりをしょうかという時期で、文句を言おうにも家の名誉のために私は性転換やお金を積んで女としていきていくことを覚えるしかなかった。


 泣こうが喚こうが愚痴ろうが現実は変わらなかったし、母に似て病弱で入退院を繰り返している春彦兄さん以外は誰も話をきいてもくれなかった。


 父は母の死後昔の彼女と再婚し、遅いながらも生まれた弟と妹を猫可愛がりしており、父の事業はその子達が継ぐことになっており、病弱な長男の春彦兄さんと母似の面倒くさい娘の私に興味ないのは当然としても、若き医師として才能や期待されている次男の夏彦兄さんについても関係ないと父は考えており、私がぐれようにも母方の力で阻止され親友の未央みお愛美まなみにも偽ったまま現在に至る。


 できれば男に戻りたいけど、今更戸籍は、変えられないし、このことが公になったら母の実家の病院も学校も倒産してしまうほどのスキャンダルとなり、沢山の人を路頭に迷わすことに私はなってしまう。


 それにガールズトークはわかってもボィーズトークはわからないし、頭はいい春彦兄さんですら病弱で生きにくい男社会で生きていく自信なんて私はない今のまま自分すら偽り生きていくしか私はできないのだ。

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