怪しげなアプリで神を召喚するつもりが勇者(♀)を召喚したので、色々と責任をとらされています
天津 虹
根元伸の召喚
第1話 プロローグ(怪しげなアプリ)
舞台は神話時代、創造神たる根元神が、神々の後継者争いから端を発し、主義主張の異なる神々、人族、人に非ざる者らを巻き込み、体主霊従を唱える万古大神率いる八百万の神々に戦争を仕掛けるが、焦燥の内に戦争に敗れ邪神または破壊神として艮(うしとら)の地に封印された。
その後、数代のちに天照大御神が天地を収めて数万年の月日がたち、現在にいたっている。
そして現代・・・
俺の名前は安倍明人(あきと)、平凡な容姿の高校生であり、駅のベンチに腰掛け、その辺の高校生と同じようにスマホをいじって、時間つぶしをしている。
時間にして午後3時過ぎであり、駅もまだそんなに人影もない。
この時間に帰宅していることからわかるとは思うが、部活は帰宅部であり、趣味は、ゲームとアニメとラノベであり、いわゆるオタクといわれる人種であると自覚しており、放課後ボッチが定位置である。ただ、同級生に言わせると「近寄りがたい雰囲気をまとっている」らしい。
なにか面白いゲームがないかとスマホのアプリ検索画面をスクロールしていると、星マーク(ただし、☆ではなく一筆書きの星印)が目に留まり、どうにもダウンロードしないと、いてもたっていられなくなった。
「この脅迫観念は何?ここはダウンロード一択でOK!」もともと深く考えない性格も災いして、星マークをクリックしてしまった。「こんな怪しげなアプリ、熟考に熟考を重ねクリックをやめるよバカ」と未来の俺が言っています。
スマホの画面が暗転し、ロード中と点滅している。「いつのゲームだ。これ」と画面に突っ込みを入れると、頭の中に誰かの記憶と映像が怒涛のように流れ込んでくる。
俺は気分が悪くなり意識が朦朧としてきた。そして、ベンチに崩れ落ちるように横になった。
どれくらい経ったかリクルートスーツ姿のお姉さんから「大丈夫ですか?」と声を掛けられたが、声も出すのもおっくうで手だけ振って答えておいた。薄れゆく意識の中で誰かに抱えられたようだが、駅の医務室にでも運んでくれるのかと安どして意識を手放した。
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