第4話

 前回までのあらすじ


 警備隊本部に到着したレイジ。

 会議しに行き、騎士団と合流。

 これから会議が始まる・・・。


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「では、合同会議を始める。では、今回の事件の説明をする、オーウェン。説明を。」


 ギルドラがオーウェンに説明を頼むと、オーウェンは席を立ち、黒板があるところまで歩いて行き説明を始めた。


「では、説明を始めます。ここ五日間で、王都各地にて失踪事件が相次いでいます。失踪者は基本子供で、下は6歳、上は15歳まで確認が取れてます。全員が成人前でもあります。ですが、これはここ1ヶ月の失踪者でこれ以前はまだ確認はとれてません。そもそも今回と関連があるのかも未だに不明で、現在調査中です。」


 オーウェンは黒板にこれまでの情報を書きながら説明していった。

 この世界では成人は16歳と決まっていた。すると、騎士団から質問がきた。


「全員成人前ならば違法奴隷として売られている可能性はないのか?」


「はい、一応そちらも捜査はしました。確認している最初の失踪者は奴隷として売られてはいなく、他の失踪者も未だに奴隷としてはおりませんでした。そちらも現在警戒しているので情報が入り次第教えます。」


 オーウェンがいろいろと報告をして、皆、しばらく静かになった。それもそうだ、いわばこの事件は1ヶ月経っても何一つ分かっていないのだ。

 だからこそ、この失踪事件は直ぐに解決出来るように警備隊と騎士団が合同で捜査するのだ。

 これは、この国にとっても重要なのだ。

 それから数分、沈黙が続き、グライムが口を開いた。


「何一つわかっていないのかぁ~。これは大変だな、、くそ!この事件は何としても解決するぞ。」


「ああ、そうだな。迷宮入りだけは何としても避けるぞ、いいな?」


「ああ」 「「「はい!!!」


 騎士団と警備隊がギルドラの言葉に返事をした。ただ一人を除いては。そう、返事をしなかったのはレイジだったのだ。

 すると、それを疑問に思ったグライムはレイジにこう問いかけた。


「どうした、レイジ。なにか気になるのか?」


「ああ、1つ聞きたいことがあるがいいか?」


「ああ、いいぞ。なんだ、聞きたいことって?」


「それはだな~。オーウェンに聞きたいんだが、裏町には失踪者はでているのか?」


 この王都には城下町、貴族街、市民街、そして裏町が存在する。裏町はスラムに似たものでホームレスや闇ギルドなどが住んでいる町で、この王都以外にも大きい町にはスラムやら裏町が存在する。

 王都の裏町は他の町に比べてマシな方である。


「いえ、そっちは調べていません。警備隊から協力を要請したのですが返事がありませんでしたので、調べようにも調べられませんでした。」


「そうか、で、誰に協力を仰いだのだ?」


「はい、ホーエンハイムに協力を求めましたが無理でした。」


「あいつにか。なるほどな、それは無理だな。」


 レイジは少し考えたのだ。この王都は1ヶ月前ぐらいから活発に失踪しているのだ。なぜ、1ヶ月前なのだ?それ以前にはないのかと、もしかしたらそれ以前は裏町から失踪しているのでは?っと思ったのだ。

 だからこそ、あの質問をオーウェンに聞いたのだ。

 そのことをギルドラが気付き、レイジに聞いた。


「1ヶ月から前は裏町から子供が居なくなっているってことかレイジ?」


「そうだ、その可能性がある。ホーエンハイムのことだ、裏町のことは裏町で解決するぞというプライドがあるんだろぜ。だからこそこちらの要請を無視したんだろな。」


 それを聞いた、グライムは頷いて呟いた。


「なるほどな、それならあり得るから。で、レイジどうする、そうなると捜査が難しくなる。俺たちでは無理だぞ?」


「大丈夫だ、俺が聞きに行く。ホーエンハイムには何個か借りがあるからな。明日、裏町に行き聞いてくる。」


「お前ら知り合いなのか?」


「ああ、知り合いだ。」


「なら、任せるぞ。いいな?」


「ああ、任せろ。」


 レイジとホーエンハイムは以前ある出来事で知り合いになり、それからの関係なのだ。


「なら、警備隊から1人補佐を出すから。報告はそいつから聞くからいちいちこっちに来なくていいぞ。」


 これはレイジにとっていいことだが、ついてくるのはめどくさいが行かなくてもいいのなら別についてきても気にならない。


「いいぞ、それなら構わない。」


「なら、騎士団からも1人つけるか。」


「えぇーーーー!!・・・まぁ、いいか。別に1人増えたって構わない」


 しょうがないと思うレイジとは裏腹にギルドラとグライムは

「よし、なら明日迎えに行かせるから裏町のことは頼むな。」


「ああ、わかったよ。店に居るから来たらすぐに出発な。」


「了解だ、人はこっちで決めとくからな。」


「ああ、わかった。じゃあ、おれは帰るな。またな。」


 そうして、レイジば会議室を去って行った。

 このあと、レイジは寄るところがあったためすぐになんでも屋に戻らなかった。

 どこに寄ったかはいずれ分かることなので、ここで触れないつもりだ。



 そのころ、会議室では・・・


「・・・帰ったか。」


「ああ、そうみたいだな。それでギルドラ、明日は誰をレイジにつけるつもりだ?」


「一応、あいつのことをあまり知らない有望な若手に行かそうかなと思ってはいる。グライムはどうするんだ?」


「俺もお前と同じだな。あいつのことを知るのは直で触れないた分からんしな。それにあいつの正体を知らんと将来大変だしな。」


「それもそうだな。それを思うと少しすまんと思うがな。」


「そうだな。」


 そんなことを話している2人は会議室に響くぐらい笑いあっていた。

 そんな2人を周りにいた部下たちは静かに見ていた。

 それからいろいろと話をしていろんな意見交換をした後、レイジが去った一時間後に解散になった。




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 なんでも豆知識コーナー


 裏町は約20年前はスラムみたいな場所だったが、ホーエンハイムが率いる"ケルベロス"がスラム牛耳った。

 それからのこと、ホーエンハイムたちはスラムを変えようと必死になり10年かけてようやくスラムを変えた。

 それからは比較的にまともに過ごせるようになり、それからは街の人はスラムのことを裏町と呼ぶようになった。

 裏町は今でもケルベロスがしきっており、ホーエンハイムは今でもボスである。


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