壊れない?
(……この島の側面にはなさそうだな)
四人で島の海中に浸かった部分を探索。
一つ目の島には見当たらず、二つ目……三つ目の島にも見当たらない。
(海中だからか、地上だと見慣れてる筈の外見を持つモンスターを恐ろしく感じるな)
海中ではマーマンの様な少しずつ倒し慣れたモンスターから、ワイバーンやリザードの様な亜竜の一種とされているシーサーペントなどが積極的にティールたちを襲っていた。
それらのモンスターに対してティールは多少の恐怖を感じながらも、冷静に水属性の剣を振るい、得意の風魔法を複数展開して対処を行った。
因みに不格好な体勢ではあるものの、ヴァルの放った爪撃波もマーマンやシーサーペントなどのモンスターに対してしっかりとダメージを与えており、その部分に関しては特に問題はなかった。
(でも、攻撃は通じてる。俺の水刃波も風魔法も、ヴァルの攻撃も通じてるんだ……そうなると、気を付けるのはやっぱり接近された時と、どの方向から襲ってくるか、だよね)
接近させる前に仕留めるという行動を取り続けられているが、それが上手くいき続けるとは限らない。
ティールはやや心音が早まりながらもラストたちと共に島の側面を確認し続ける。
そして六つ目の島でついに入り口を発見。
(よかった、ヴァルも入れる大きさだ)
冒険者であれば、従魔を連れている可能性は考えられる。
だが、ダンジョンからすればそんなの知ったことかと、人間が通れれば構わないだろう!!! といった大きさに設定される可能性も否めない。
なにはともあれ、今回はヴァルも共に移動することが出来た。
(……待てよ。ヴァルの場合、横穴に入れなくとも一旦外で待っててもらって、下の階層に降りてから召喚すれば解決できそうだよな……そう考えると、本当に便利な力だな)
形だけ見れば従魔であるが、関係性は盟友……そのお陰で得られた召喚という力の利便性に感心していると、あっという間に島の中に到着。
「ふぅーーーー………………一応、外には通じてるのかな?」
風を生み出し、洞窟内の通り道を確認したティール。
大きな通り道はなかったものの、ところどころから外に風が零れる道があった。
「あまり広くはないのかもしれないな。それなら、階段も早く見つかるだろう」
アキラの言う通り、洞窟内を十分も探索することなく下の階層へ続く階段を発見。
(良かった良かった。それにしても、あそこから下に続く階段があったのを考えると、階段がある島は絶対に壊れないようになってるのか?)
三十六階層に到着してからもボーっとしながら考え続けるティール。
「ティール、何か考え事か」
「っ!!! す、すいません」
「いや、構わないのだが、珍しくボーっとしていたな」
「ははは、えっと、階段がある島は何があっても壊れないのかなと思って」
「ふむ……なるほど。再生するのではなく、そもそも壊れない、か」
海中探索で疲れた一行はいつも通り遊泳の特訓は行わず、日向ぼっこをしながら休んでいた。
「再生するのと壊れない、とでは何か異なるのか?」
「まだ探索経験は少ないが、ダンジョンは探索者を迎え入れる存在。だからこそ、壊れた個所は直ぐに直りはしないものの、時間が経てば元通りになっている」
「……………………………………そうなのかも、しれないな」
あまりそんな事を考えながら探索をしてないため、ラストはあまり確信が持てない。
だが、アキラとティールは見覚えがあった。
「だが、ティールが考えた通り、下の階へ続く階段は探索者にとって、ダンジョンにとっても重要な存在のはず。だからこそ、階段がある場所は壊れることはないのではないか、ということなのだろう」
「はい。そうなると、今回みたいに島っていう限られた土地にあったんで、その土地の……土とか岩は、他とは違うのかなって思って」
「……気になるところではあるな」
その後もダンジョンの話で盛り上がるティールとアキラ。
ラストは……無理に混ざっても仕方ないと思い、珍しくのんびりと日向ぼっこをして体を休ませるのだった。
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