第16話 私より成長する子ども達
月日の流れは早いもので私が空狐に襲われてから二ヶ月が経った。
あんなとんでもイベントがそう何度も起こることもなく、この二ヶ月は四匹で平和な日常を過ごしている。
私自身の[ステータス]も大した変化はない。
……そう。大した変化が無いのだ。
『能力』の検証をしながら、草を食べ、魔核を食べてきたが私の種族は未だ中位種のままなのだ。
これは明らかに可笑しい。
種族の進化は単純に魔素の保有量で決定する。
魔獣は魔核を食べることで保有魔素量を増加させある一定基準を超えると進化する。
その上位種に至る基準を私は既に上位余裕で越えている。
だというのに私の身体は進化する様子を見せない。
はあ。
私は心の中で小さくため息を吐く。
因みに保有魔素量の増加で進化する事が判明したのはあの子達の成長を間近で見てきたからだ。
私は成長したミリム達へ視線を向ける。
(ママー)
ミリムは大木をなぎ倒し姿を現す。
サイズで言えば私がスライムだとしたらミリムはキングスライム位はあるだろう。
成長しすぎだ。
しかし、性格はまるっきり変わっておらず甘えん坊なままだ。
そんなミリムの[ステータス]だが、
___解析。
[ミリム]
[種族]:魔天兎(上位種)
[加護]
『生命之祝福』_全能力値に成長補整(小)・全能力強化(小)・生命力に補整(小)・生命の還元・意志疎通
[
『跳躍』
『魔導之教え』
『氷魔法(上位)』
『火魔法(中位)』
『風魔法(中位)』
『闇魔法(低位)』
見ての通り私を追い抜いて上位種になっている。
[能力]は『魔導之教え』の影響か魔法系統に特化しているみたいだ。
全くもって納得がいかない。
私より魔素を取り込んだ量は少ない筈なのに先に進化するなんて。
しかし、上位種といってもやはり兎だからか強さは他の魔獣よりは一段落ちる印象だ。
まだ中位種だった頃は勝てなかった剛火猿が複数匹いても勝てるようにはなったがまだ私よりも弱いのだ。
これでは他の上位種と戦えばまず勝てないだろう。
他の二匹も同じだ。
上位種になって見た目も大きく変わり、この森で負ける相手がいなくなる程度には強くなったものの私よりは弱い。
それに私を最初に襲ってきた狐。
あの妖狐は上位種だと思っているがそれと比べたら明らかに弱いと思う。
何故なら、あの時感じた威圧感は今彼等が発する強者のオーラとは隔絶していたからだ。
だから、また妖狐や空狐に襲われたら私達はみな、死ぬだろう。
しかし、本当に参った。
私はいつ進化出来るのだろうか。
強くなっている実感はあるのに私の種族は魔魔兎のまま。
もしかして私はこれ以上進化出来ないのかな。
進化上限がキャラ毎にあって私の上限が中位種までだとしたら私の計画は破綻する。
はあ。
完全に手詰まりと言うのはこういうことだろう。
(母上、元気が無いようですが大丈夫ですか?)
すっかり立派になったヒマが私の前に姿を現す。
小石程度のサイズの亀だったのに今では身長も170を超えて二足歩行で歩くようにまでなっている。
表皮はごつごつとした岩石に覆われ、重量はとんでもないことになっているだろう。
だというのに三匹の中で一番早く動く。
(大丈夫だよ)
(そう、ですか……あの報告ですがまた冒険者が現れました)
(また?)
最近、冒険者と遭遇する数が異常に多いのだ。
少し前までは一週間に多くて二回。少なければ会うことすら無かったのに。
近頃では日に二回は遭遇するのだ。
(はい。けれど個々の実力は剛火猿程度なので僕でも余裕で対応出来ます)
(それなら良いけど、あんまり無茶はしては駄目だよ。勝てない相手なら必ず逃げること!良いね?)
(__分かりました)
ヒマは真面目な性格なのでお願いした事が例え不可能であろうと無茶をして達成しようとする傾向が強い。
釘を差しておかないと心配でしょうがない。
しかし、何でこの頃冒険者が増えて来たんだろうか?
シーズンものの何か催しでもあるのだろうか?
全く、これ以上悩みのたねを増やさないで欲しいものだ。
____________
[白子]
[種族]_『try』¥﹄・:・_』』』』』__:(:(:・__。『error』.…
_|_﹃:﹄______「…………該当無|』『》
『対象接続先変更』
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_-_-----____『error』『error』『error』『error』
『魂位階及ビ肉体之位相ズレヲ確認』_-…?-・?…_-…_………_-…?-…?…・??……_-…?_…?_……?-…・_-…_-…_……_……_-…_-…_-・?……_……_……_……?……_-…_……_-…_-…_-…_-…_-…?-…_……_……-……?-…_-…?-…_……_-…_……_-…_……_……_-…?……?………?-…_……_-…_-…_-…_-…_-……_-…?……?・…_-…_-……_-…_……?-…_・…?…・?……_……_….…_……_……_………-_……_……?……__-…?-・?…_-…_………_-…?-…?…・??……_-…?_…?_……?-…・_-…_-…_……_……_-…_-…_-・?……_……_……_……?……_-…_……_-…_-…_-…_-…_-…?-…_……_……-……?-…_-…?-…_……_-…_……_-…_……_……_-…?……?………?-…_……_-…_-…_-…_-…_-……_-…?……?・…_-…_-……_-…_……?-…_・…?…・?……_……_….…_……_……_………-_……_……?……_…﹄﹄_-…?-・?…_-…_………_-…?-…?…・??……_-…?_…?_……?-…・_-…_-…_……_……_-…_-…_-・?……_……_……_……?……_-…_……_-…_-…_-…_-…_-…?-…_……_……-……?-…_-…?-…_……_-…_……_-…_……_……_-…?……?………?-…_……_-…_-…_-…_-…_-……_-…?……?・…_-…_-……_-…_……?-…_・…?…・?……_……_….…_……_……_………-_……_……?……_……『魂位階ヲ適応』________________『適応之為肉体ヲ精神生命体ニ移行』
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