第5話 リスタート
「にいに朝だよ、起きて」
朝日が部屋に入り込み、ぼんやりとした意識の中で弟の声が聞こえてくる。
「おはよう。エーデル、起こしてくれてありがとな」
「にいに起きるの遅い」
「もうすぐ起きるから先に下に降りててくれるかな?」
と、言うと、「わかった!」と元気な返事を返して階段を降りていった。
「さてと、『ステータス』」
俺がわざわざ時間をとったのは、エクストラスキルが気になったからだ。
昨日は24時まで起きていられなかったので、今初めて見ることになる。
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フリージア 人族 レベル 1
体力 420
パワー 190
スピード 280
ガード 230
魔力 520
スキル 植物魔法 風魔法 水魔法
エクストラスキル リスタート
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まず、最初にレベルを見て驚いた。
「レベルは上がることはあっても下がることはあり得ない」
これは誰もが知っている常識である。
にも関わらず、俺のレベルは1に戻っている。
これは、間違いなくエクストラスキルの影響だろう。
そして、次に驚いたのは、レベルが下がっているのにステータスが変わっていないところだ。
エクストラスキル『リスタート』を詳しく見てみると
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エクストラスキル 『リスタート』24時にレベルを1に戻す
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これを見て、最初に思ったことは、「このスキルは大化けする可能性がある」と言うことだ。
俺の昨日のレベルは29だった。
この一年は下級の魔物しか討伐してこなかったからあまりレベル自体は高くないが、そんな下級の魔物でもレベル5までは数時間で到達できる。
つまり、このスキルがあれば、毎日レベルが5つ以上簡単にあげられるということだ。
唯一の懸念は、レベルが上がってもステータスが伸びない可能性だ。
例えば、「自分のレベルの到達点によって容量が決まり、その容量がステータスの上限である」という説がある。
この説では、レベルが下がった場合、同じレベルに戻るまでは容量が変わらないため、ステータスが強化されないと考えられている。
つまり、この説が正しいならば、大ハズレのスキルということにもなる。
このような事例が過去にないため、なんとも言えないが、もし前者ならばSランクも夢じゃない。
そんな未来を思い描いていると弟がやってきて「にぃに早く!」と急かすので、一先ずご飯にしようと階段を降りていった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
朝ごはんを食べてから、森に出て魔物を倒すとレベルとステータスが上がった。
あれからさらに2週間ほどレベル上げに勤しんで現在のステータスは
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フリージア 人族 レベル 1
体力 5800
パワー 2700
スピード 3750
ガード 3000
魔力 8900
スキル 全属性魔法 空間魔法 聖魔法 体術
エクストラスキル リスタート___________________________________________________
このステータスはレベル90に相当する高さだ。
並のBランク冒険者などとも対等以上に渡り合えるだろう。
冒険者ギルドの初期登録では、最大でDランクまで上がることができる。
しかし、Cランク以上としてやっていけると判断された場合には、Cランクへの昇格試験を受ける資格を与えられる。
つまり、実質Cランクから始めることも可能だ。
そして今日、俺は冒険者ギルドに登録する。
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