第一章『猫と鼠と協力関係』その4
……え?
「いまなんて……?」
「ですから、
た、
そ、それってつまり、た、
「これ、使いますか?」
どうして? と思ったけど、ふと自分の頬に触れてみると、濡れていた。
涙が溢れて止まらなかった。
「ご、ごめんなさい……グスッ……ちょ、ちょっと、グスッ……驚きすぎちゃって……」
「嬉しかったのですね。私もあなたから
「……ってことは、
「泣いてはいませんが」
「……あっ、は、はい」
貸してもらったハンカチで涙を拭うと、僕は「洗って返すよ」って言ったんだけど、
「そ、そうだ! 二人が両想いってわかったんだから、すぐにでも
ズボンからスマホを取り出すと、
「
──が、急にスマホを操作している方の手を
「はぎゃっ!?」
今までに出したことないような声(本日二回目)が出ちゃって、明後日の方向にスマホを放り投げちゃった。あぁ、僕のスマホが……。
「さ、
「
「そ、それは……ふ、二人が両想いだから……」
「そうだとしても誰かの好意を他人が勝手に伝えてはいけません。違いますか?」
「うっ……そ、そうだよね。ご、ごめんなさい……」
いま僕がやろうとしていたことは、
冷静になればすぐにわかることなのに、
「そもそも私はたとえ
「えっ……じゃ、じゃあ、その……僕たちは
僕は
そ、そんなの嫌だよ……。
──しかし、
「私たちは
縦30センチ、横40センチくらいの四角の中には、
『
と書かれていた。
「さ、
「私たちの最初の目標です」
「も、目標って……で、でも、僕たちは
「当然、お二人の気持ちを直接伝えるような行為はいけません。……ですが、お二人の距離が縮まるように、こっそり手助けする分には問題ないと思います」
「……! そ、そっか! いま
僕の言葉に、
「ですので、本日の作戦会議ではお互いに意見を出し合って、こちらの目標が達成できそうな作戦を考えましょう」
それを合図に僕たちの初めての作戦会議が始まった。
まずは十分ほど使って、お互いにどうやったら『
「そういえば
「こちらの服の方が集中できるからです。作戦会議は
「そ、そっか……。普段はメイド服でお仕事しているんだもんね」
もし僕がご主人さまだったら〝
料理とか掃除とかもしてくれて……ま、まさかその他のお世話とかも……!?
「
「えぇ!? そ、そんなこと……ないよ?」
と否定しているのに、
まるで全部見透かしているみたいに。
「ごめんなさい! ごめんなさい! ちょっとはしゃいじゃいましたぁ!」
白状して、全身全霊で何度も謝った。
これは嫌われ──いや、それどころか殺されちゃうかもしれない……。
「いえ、別に気にしていません。男性はみな常に発情しているケダモノだと母から教わっていますから」
「そ、それは極端だと思うよ!?」
たしかに男の子はエッチな妄想とかはしちゃう時もあるけど、みんなケダモノは言いすぎだよぉ……。
「念のため、
「う、うん。そ、そうだね……」
小さいものを含めれば、だいたい一日に十回以上は口喧嘩している。
これじゃあ恋人になるのなんて、夢のまた夢だよ……。
「で、でも、どうして二人ってあんなに仲が悪くなっちゃったのかな? 元々は友達みたいに仲良く話していたと思うんだけど……」
「……
「……え? な、何が……?」
訊き返すと、
なんでも
一年生の頃のある日、
ちなみに、彼にとってこれがこれまでの高校生活で唯一の告白だ。
もちろん
その翌日、告白した女の子が学年の生徒たちに広めたんだ。
しかも、特徴は金髪のショートヘアーで、巨乳。
なんでも
以降、それを聞いた
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