後悔したく無い!

降花

第1話 物件探し

俺の名前は北村 慶きたむら けい

星導高校の2年生だ。実家暮らしが嫌になった俺は一年間アルバイトして48万円の貯金が出来た。1年の時に銀行口座作ったり携帯の契約を結んだ。携帯料金くらい自分で払えって母親に言われたから。


 現在は2022年の4月2日、日曜日。川岸の土手や草原にはタンポポが一面に広がっている。この時期、独特の香りが鼻腔を刺激された。俺は学校が始まる前に引っ越そうと思って居る。

何故この時期かというと新たな出会いがありそうだと、思ったからだ。最寄りの駅からすぐ近くにある不動産屋に入った。


「いっらしゃいませー!

本日はどの様な御用件でしょうか?」


 店に入ると明るい声が聞こえて来た。美人なお姉さんがパタパタと駆け寄ってくる。


「引っ越しを検討していてその物件探しの為に本日、お伺いしました。」


 ゆっくりと落ち着いて用件を伝えた。


「とりあえず、お席にお座りください。お飲み物は緑茶で良いですか?」


「それでお願いします。」


 お姉さんは飲み物を机に置き、どうぞって言い椅子に座った。


「私は株式会社 物件パートナーの代表を務めています。吉川 咲きっかわ さきです。よろしくお願いします。」


「まずはお客様情報を一緒に埋めていきましょう」


 住所や名前、電話番号、この会社を知った理由、引っ越し経験などを埋めていった。

いよいよ、引っ越し先探しだ。


「北村様はどのような物件をお探しでしょうか?」


ニッコリと微笑んで聞いてくる。可愛い過ぎ。歳はいくつだろ?そんな事を考えながら希望の条件を伝えた。


「神里駅と星導高校から近い所でロフト付きペット可のアパートを探しています。」


吉川さんは相槌を打ちながら真剣に話を聞いている。真剣な表情は美しいながらも凛々しさを感じた。


「お家賃はいくら位をお考えですか?」


「3万円位です。」


「解りました。初期費用はいくらで収めたいですか?」


アパートを借りるにあたって敷金や礼金、共益費、火災保険、管理費、部屋の家賃がかかる。

敷金は場所によって値段に差があるが大体、家賃の1カ月分だ。家賃、3万円だと10万は超えてしまうかも知れない。敷金、礼金がかからない所も場所によってはあるみたいだ。


「10万円以内でお願いします。」


「わかりました。これからお調べしますので少々お時間をください。」


「どうぞ」


「それでは探して来ますね!」


    


    そう笑顔で言って奥に引っ込んだ。

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