第7話婚約者候補3

今度の婚約者候補の方は、とても女性らしい方でした。

胸が大きく、腰も細く、とても羨ましかったです。

そう言えば、と思い出しました。

この方も、舞踏の時にとても人気があり、殿御達が周りに溢れ、何時も人だかりでした。

つい、自分の胸を見てしまいました。

小さくはないのですが、大きくもないです。

普通です。

女性の私から見ても、とても、触り心地が良さそうでした。

そして、とても、色っぽい声と眼差しで、ナーバ皇子に話しかけられてました。

どうしてでしょう。

胸騒ぎがします。

苦しくて、嫌な気持ちです。

ナーバ皇子が、楽しそうにお話してるのが、凄く嫌でした。


「どうされました?なんだか、不安そうですよ」

ナーバ皇子は、何故か私の心が読めるように何時も質問されます。

「・・・先程の方のように、胸が大きい方が、ナーバ皇子はお好きなのでは、と不安になりましま。私は・・・あまり大きくないので・・・」

「・・・そんな事を考えていたんですか?」

「・・・はい。殿御達は、大きい方がいいと聞きました。だから・・・」

そんな事を言っても仕方ないと分かっているんです。

胸の大きさは変えることは出来ません。

つい、ナーバ皇子から、目線を反らせてしまいました。

「・・・申し訳ありません」

「何故謝るのでますか?」

そっと抱きしめ、耳元で囁かれました。

身体が、熱くなりナーバ皇子の背中に回した腕に力が入りました。

「・・・私は、あまり魅力というのがありませんから・・・何故だか・・・不安なんです・・・」

「貴女は・・・本当に分かっていない・・・」

頬に手をあて、見つめながら口づけをされました。


寝台に行くと、今日はナーバ皇子が座っていました。

何時もなら、横になっているのに。

「サリア、こちらに」

「はい」

言われるまま、横に座りました。

「サリア、貴方の胸が見たいです」

「・・・?」

仰ってる意味が解りません。

私の胸を見てもたいしたことありせんし、見せる程もありません。

「・・・ナーバ皇子。私の胸を見ても、なにも・・・」

口ごもり、声が小さくなります。

とても、惨めな気分でした。

「私は、貴女のが見たいのです。大きいのが好きだと私が言いましたか?」

首を振ります。

「昼間の方がいいと言いましたか?」

首を振ります。

「私は何と言いましたか?」

「・・・申し訳ありません・・・」

「謝らないでください。サリア・・・ 」

そっと私の顎を持ち上げ、ナーバ皇子の顔が近くに来ました。

「私は貴方のが見たいんです。見せてくれますね」

まるで、暗示にかかったような、まどろみと、心地良さに、頷いていました。

「サリア・・・。この間みたいに声は我慢しないでください。私しかいません。私にだけ聞かせてください」

「・・・はい」

少しずつ私の夜着を脱がしていき、初めは、私の唇に口づけし、少しずつ下におりていき、胸に口づけをしてくれました。

知らず声が出ました。

でも、淫らだとはもう思いません。

だって、

ナーバ皇子が、何度も、可愛い、と褒めて下さいました。

とても身体が熱く、とても幸せな気分でした。

でも、胸を触り、途中で辞められました。

そして、強く抱きしめられ、夜着を着せてくれました。

もう少し・・・と思う気持ちは・・・何故でしょう・・・。







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