第5話婚約者候補
それからナーバ皇子は、口づけをする事が多くなりました。
その度に、私は不安になり、聞きました。
少しは、上手くなりまかしか?
と。
すると、ナーバ皇子は、とても楽しそうに笑い、
もう少しですね、
と答えられます。
まだまだですね。だから、私は、では、もう一度お願い致します、と答えると、また、楽しそうに微笑まれました。
その顔を見るのが、私は、とても嬉しかったです。
少しして、ナーバ皇子が、
私もそろそろ、きちんとした婚約者を決めねばなりません。
と、私に言われました。
仰る通りです。王家なら、早い方なら15で御婚約、もしくは婚礼をされています。ですので遅いくらいなのです。
私は、それは、いい事です。
と答えました。
決まれば私はお役目御免ですね、良かったです、
と答えるべきなのでしょうが、何故でしょう。
とても、胸がドキドキ苦しくなり、言えませんでした。
なんて、可愛らしい方、でしょう。
何度か、舞踏会なのでお顔は拝見した事があります。
いつも、殿方達が周りにいて、とても人気のある方なのは覚えています。
ナーバ皇子が、婚約者候補として初めに呼ばれた方は、そんな可愛い方でした。
ふわふわと髪も柔らかく、声も可愛らしく、甘え上手で、女性の私でさえも、お願いを聞いてしまいそうでした。
勿論、私が、同じの部屋にいるべきではないと、お断りをしました。
ですが、ナーバ皇子は聞いてくださいませんでした。
女性も、その方は?と嫌そうに質問されました。
「私の身の回りをして下さる方です。気にされないで下さい」
その言葉に、逆らえる方はいません。
とても、睨まめれながら、その方は、ナーバ皇子に楽しそにお話をされていました。
何故でしょう・・・
胸が、少し苦しいです・・・
「どうしました?」
お話しが終わり、帰られてから皇子が私を抱きしめながら聞かれました。
「いえ・・・先程の方のように、私も、もう少し甘えることをした方が女性らしいのか、と・・・」
私の言葉にナーバ皇子は驚いたような顔をされた。
「何故そう思ったのですか?」
「ナーバ皇子もそうではないのかと思いました」
「では貴女は、私に女性らしい所を見せたいと、思って下さってるんですね」
今度は嬉しそうに、私を見た。
「・・・私が・・・?」
「違うのですか?」
「・・・分かりません。でも・・・そうかもしれません」
「そうですね、サリアからの甘えるのを聞いてみたいですね。何時も私が甘えていますね」
「そんな事ありません。ナーバ皇子は、とても頑張っておいでです」
「サリア・・・。少し散歩に出ましょうか」
ナーバ皇子は、嬉しそそうに微笑みながら言われた。
「いけません」
「・・・え?」
私がすぐに答えたので怪訝そうに傾げられた。
「どうしても今日終わらせないといけないお仕事があるのではないのでしょう。先程仰っておられましたよね」
「・・・手厳しいですね」
苦笑いしながら、
「確かにその通りです。急がないと終わらないかも知れませんからね」
と大きく溜息をつかれた。
「そうですか・・・もし、はやく終わったのなら、散歩がしたいです。ナーバ皇子と2人で」
顔を見て、思っている事を素直に口に出したら、また、驚いた顔をされました。
「サリア・・・。貴女は、私の心を掻き乱すのがとても上手いですね。そんな顔で・・・甘えられたら・・・」
甘える?私が?
ゆっくり考える暇を与えてくれませんでした。
何時もより、長く激しい口づけに、身体が火照り動きませんでした。
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