第三章 そして星をつかむために

その名はホバー発想法!

 第一章にて、私は「僕は戦わない」というオリジナルストーリィを例題としてでっちあげました。それを見た貴方は、こう思いませんでしたか?


 よくもまあ、こんなにスラスラと出まかせが書けるもんだ、と。


 実は、こんな話を思いつくとは、自分でも意外でした。面白いかどうかはともかくとして、なかなか例となる話が浮かばず、どうしたものかなあ、と思っていました。


※ご注意 「書き手」ストーリィ・テラーとして当然ですが、「いつか書こうと思っている話」のストックはそれなりに持っています。でもそれをただの例に使ったらもったいないでしょ?


 それが、とある「執筆ツール」をモデルに、とりあえずガシャガシャとサカローを試作して、自分の作ったメニューが自動展開ホバーするのを見てたら……ふっ、と「僕は戦わない」というストーリィが浮かんできたンです。面白いかどうかはともかくとして。2回言った⁉


 これはどういうことだ、書こうと思ったこともない方向性の話をなぜ思いつくことができたんだ、と驚いた私は、色々と検索やら自己分析やらを重ねた結果、とんでもないことに気付いてしまったのです。執筆ツールを作ろうとしていた自分が、うっかり「まったく新しい発想法」を発想してしまったことに!


 うっかりにも程がありますよ!


 もしこれを読んでいる貴方が、既存の「発想法」に詳しければ、こう反論されるかも知れません。


「発想法ってのは、グループが紙とペンでやるものだろう」


 もしそうおっしゃるのでしたら、そのご意見は私にとってとても重要です。それは、この……そう、「ホバー発想法」の斬新さと希少性を保証するものだからです。


 たぶん、これからも、ずっと。


 私は疑り深い性格なので、このホバー発想法を思いついた(と思った)とき、いやいや、この程度のものなど、すでに誰かが見つけている、発表されている、と思いました。しかし、探し方が悪かったのかも知れませんが、ネット、図書館、いい年こいて本屋の立ち読みなど当たってみたけれど、「アイデアの入力を促すタイトルをつけた未完の文書を、ブラウザの自動展開ホバーする自作テンプレート・ツリーにブックマークする発想法」は、まったく見つけることができませんでした。


 いったい、なぜなのでしょうか?


 これは私の妄想に近い推理なのですが、いわゆる「発想法」なんてウサンくさいものを口にしたり、ましてやビジネスに活用しようと思うかたがたは、とある蔑視を持っていると思います。

 それは、さきほどの言葉にあった、「グループ」ではない人間を、または「紙とペン」ではやらない(やらせられない)方法を、そしてお金儲けに繋がりにくい物事を、はっきり言って馬鹿にしてはいないか、ということです。


 まあ、私がそんな推理をできる理由は、私自身がそのような蔑視を、わずかと言えど持っているからなんですけどね!


 恥ずかしいィッ!


 私ももう還暦ですので、そのつもりがなくても老害的価値観とは無縁ではいられないのですよ。還暦をカッコ良く言うと、アルマナック・エボリューション!


 えー、こそ、そんな蔑視を持っている者は、ホバー発想法を、見つけることができない、いや、たとえ目の前にあって、役に立つと判っていてもなお、認めることができないのではないか、と思います。……いや、できない、ではなくて、できにくい、ですね。


 名だたる料理人が、大評判のレンチン時短レシピを認められないように。


 しかし、「発想法」なら発想できればいいのであって、その人数や道具にこだわるのは、発想とは真逆のガイネンである固定観念に他なりません。そして、小説とはたいていひとりで創るものであり、また今は多くの作家がPCで執筆しています。作家向けにチューニングされた発想法があってもいいはずですよね?


 では次に、ホバー発想法が発想法としてユニークな理由、そのアドバンテージについて、私の経験と推察をまじえて解説します。それは主に以下の3つであると私は思っています。



1. メニューのツリー構造がマインドマップの要素を持っている


 有名な発想法のひとつに「マインドマップ」(要検索ググ)というものがあります。ザックリ説明すると、大きな紙の中央に元となる言葉を書き、その周囲に次々と連想するアイデアのメモを、木の枝ツリーのように何又も線で繋げて書き広げていく、という発想法です。ホバー発想法のツリー構造は、紙いっぱいの大木には及びませんが、執筆という限られた目的のために、このマインドマップの機能の一部であるツリー型の連想構造を利用できていると言えるでしょう。



2. 自動展開ホバーするメニューがアイコニック記憶メモリーを刺激する


 視覚情報は、視神経内において約1秒ほどしか保存されないそうです。これを「アイコニック記憶メモリー」(要検索ググ)と呼びます。対象を長い時間見ていたとしても、長期記憶(要検索ググ)に転じるワケではない、とも言えるのです。この事実は、目に焼きつく、という言葉通り、記憶するためには短い瞬間を繰り返して見るほうが効果的である、という経験則を裏付けるものです。私の経験としても、街ゆく美女のスカートが風でフワッとめくれた中にゲフンゲフン。


 アルマナック・エボリューション!

 (カッコよく言ってゴマかすんじゃないわよby奥様)


 えー、失礼しました。そして、マウスカーソルの移動に応じてメニュー表示がオンとオフを繰り返すホバー発想法は、この要件を満たすもの、すなわち記憶イコール脳を刺激するものであると言えるでしょう。私がサカローを会社で展開したときに感じた高揚感は、この刺激も少なからずあったのだと思います。



3. より強調された「空白の原則」が、発想をより強く促す


「空白の原則」(要検索ググ)とは、自己啓発(笑)系の用語で、脳は空白(欠けている状況)を埋めたいという欲求がある、という原則のことです。これは残念ながら大脳生理学等の正式な学術用語ではないようですが、有名な発想法のほとんどは、この原則に基づいて成り立っています。ということは、おそらく経験則的な事実ファクトとして扱ってよいのだと思います。

 そしてホバー発想法では、自作テンプレートのサブフォルダにおける「空白」は、単なる空白ではなくて、「(なし)」とか「(空)」とかが記入されています。つまり、より強調して「空白」を意識させるイコール強く発想させるようながされている、ということですね。この点においては、「進捗プログレスタイトル」も同様です。



 上記以外にも、ホバー発想法は、他の発想法と比べて明らかに優れた特色を持っています。まず、アイデアは文章とは限りません。自作なら絵でも音楽でも動画でもいいのです。また、何か発想できたとしたら、それをただちに検証することができる、その結果をも、さらなる発想のための資料としてただちに取り込むことができる、という点も魅力です。


 ただし、この2つの特色はあくまでも単なる付加価値です。ここしか読まないで「な~んだ、その程度なら〇〇アプリで十分じゃん」なんて早トチリしてはいけませんよ。



 いかがでしょうか?


 私がホバー発想法を、「まったく新しい発想法」と言い切る理由を、お判りいただけましたでしょうか?


 さて、次回は。

 なぜカクヨムにこだわるのか、という点について解説したいと思います。



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