すでに作家様の気分だぜ!

 いよいよ「公開リリース段階」に進みましょう。

 

公開リリース段階 】


1. ブックマークバーに公開ボタンを用意する


 構想ボタンと同様に、バーに小説ボタンと公開ボタンを用意します。これでバーに「構想ボタン」「公開ボタン」の2つのボタンが並びました。



2. 「公開トップ」ページの作成と登録をする


 「構想トップ」ページと同様に、「公開トップ」ページを作成し、保存、公開ボタンに登録します。

 これで公開ボタン内に「公開トップ - カクヨム」というブックマークができました。



3. どんどん公開用エピソードを書き、保存と登録をする


 「公開トップ」ページ → エピソードを執筆 → 保存と登録。

 この小説はすでに「構想」コンセプトをそれなりに練っているので、さらに続く「次のエピソードを執筆」もまた、物書き初心者でなければ数話ぐらいは楽勝で書けるでしょう。


 ええーっ、そんな簡単には書けない、と、お嘆きの貴兄へ。

 ちょっとサカローの解説からは脱線しますが、そんなときは「シナリーノ」を書くのはいかがでしょうか?


 「シナリーノ」という言葉は、「シナリオ」という外来語にイタリア語の縮小辞の感じを合わせた私オリジナルの造語で、プロットと小説の中間の状態を指します。これは、私がフリーのゲームシナリオライターであったときのとある経験を、いまネーミングしてみた言葉です。


 ゲーム開発では、シナリオの完成を待たずにCGや音楽やパブを発注しなければいけない状況があります。そんなときシナリオライターは(特に後からヘルプに入ったフリーの人間は)、発注に必要な決め台詞やシーンだけが明確で、それ以外の筋書きはプロットのままのシナリオを大急ぎで書かなければいけません。これが今回私の名付けた「シナリーノ」であり、完成された細かいパーツが、プロットの流れと、まだら状に混じりあうストーリィのことです。


※ご注意 「プロットと小説の中間の状態」であっても、いわゆる「ラフ」とは違います。「ラフ」はテキスト全体が均一の完成度(未完成度)であり、小豆の餡子に例えるなら「こしあん」です。「シナリーノ」は「つぶあん」です。


 では、シナリーノで例題の1シーンを試しに書いてみましょう。

 港の倉庫で何者かに襲われた主人公が、傷ついたヒロインを連れて「ログアウト」する場面です。ホントは作者である私だけ判ればいいんですけど、判りやすくするために、▲の段落がプロット、〇の段落が完成している小説の部分だと思ってください。



▲ 落ちてくるガレキ やっとリキャストタイム 微笑むアオバ呟く 

〇 「君は、私が守る、そう誓ったんだ……」

▲ ログアウト叫ぶ 白い空間 ログ流れる

〇 とにかく、まずはアオバの千切れた右手の事象をデリートする! あれっ、これだと右手ごと消してしまうかも……じゃあログも書き足しだ。『16時02分51秒 僕は彼女の両手をつかんだ』と入力。うわっ、彼女のマフラーが燃えてる!

だめだ、もうアウトポートを指定する時間がない! ええい、デフォルトで決定!

▲ 自宅のベッドにアウト アオバ気を取り直し 赤面で主人公突き飛ばす



 これなら確かにすぐ書ける。そう思うでしょ?

 アイデアがあるのに、プロットがあるのに、小説が書けない。その理由は、いきなり完成された小説を書こうとしているからです。小説の書き方なんて自由です。過程プロセスとしてなら、明確なビジョンがある台詞やシーンだけ先に書いて、それをプロットに混ぜた段階があってもいいはずです。何より早く書けるしね!


 この例題では、プロット「オープニング」を丸々コピペして冒頭のエピソード3話を書いたとします。一話ぶんとして足りないと思ったとか、シナリーノの状態であったなら、進捗の数字も追加しておきましょう。

タイトルが思い浮かばなかったら、第一話とか適当につけておきましょう。


※ご注意 もちろん、未完成な部分があるのに公開するのはどうかと思いますよ。流行マンガ家が下書きネームで発表するのをマネるならともかく!


 本編の各エピソードのページを行ったり来たりして書き直しするタイプ(私だ)のかたは、サカロー全体を導入しなくてもこの3.だけで執筆がものすごくはかどりますよ!


※ご注意 よくある保存ミスにご注意ください。特に、あるエピソードをうっかり同時に2回開き、片方を訂正したのにうっかり保存せずに、もう片方の訂正していないほうをうっかり保存してしまったために、訂正した労力をうっかり消してしまう、という、うっかりミスにご注意ください。私もよくやりますが、自分が悪いので泣き寝入りです。これは警告がでたとしても気付きにくいですよ!



4. 小説のタイトルを決め、そのタイトルでバーにボタンを用意する


 小説の現時点での確定タイトルを考え、そのタイトルでボタンを用意します。

 今回の例題としては、その確定タイトルを【僕は戦わない~デスVRゲームから這い上がった僕はなぜか現実でも使える究極の逃げスキル「ログアウト」で逃げまくる~】とします。タイトルが長すぎるので、名前は「僕は戦わない」としてボタンを用意します。タイトルの残りはとりあえずメモしておきますか。結局使わなくても後でキャッチコビーに利用できるでしょう。


 こうして、バーに「僕は戦わない」「構想ボタン」「公開ボタン」の3つのボタンが並びました。



5. すべてのボタンとサブフォルダを統合する


 ノリで書くだけ書いてとりあえず満足したなら、「ふう……」とでも呟いて、「構想」コンセプトを積極的に活かすため、構想ボタンと公開ボタンを「(確定タイトル)」ボタン内にドラッグします。


 その結果、架空の現在として、ブックマークバーにある「僕は戦わない」ボタンの中身は、以下の通りです。


「僕は戦わない」


  「公開ボタン」


    公開トップ - カクヨム

    第1話を編集 - カクヨム

    第2話を編集 - カクヨム

    第3話50を編集 - カクヨム

     

  「構想ボタン」


    構想トップ - カクヨム

    「テーマ」

      決め台詞100を編集 - カクヨム

      ヒロイン怒る10を編集 - カクヨム

      ヒロイン攻め台詞10を編集 - カクヨム


    「キャラ」

      主人公30を編集 - カクヨム

      スキル活躍80を編集 - カクヨム

      城川蒼羽120を編集 - カクヨム

      ライバル10を編集 - カクヨム


    「ワールド」

      現実(学校)10を編集 - カクヨム

      VR世界10を編集 - カクヨム


    「プロット」

      オープニング10を編集 - カクヨム

      ゲーム暴走10を編集 - カクヨム

      スキルゲット10を編集 - カクヨム

      現実への帰還10を編集 - カクヨム

      スキル活躍80を編集 - カクヨム

      リベンジ10を編集 - カクヨム

      ヒロイン無双10を編集 - カクヨム

      ラブラブ予感10を編集 - カクヨム

      ふたりピンチ10を編集 - カクヨム

      スキル活躍80を編集 - カクヨム

      ヒロイン怒る10を編集 - カクヨム

      仲直り10を編集 - カクヨム


 

6. そして公開リリースへ……


 バーの各ボタンを左クリックして現れるメニューから、マウスポインタを移動し、フォルダ階層を自動展開ホバーして見てください。


 ひと目で。超スピードで。シームレスで。

 すべての書きかけ小説と構想コンセプトとその進捗プログレスが俯瞰できるではありませんか! ブラウザしか使ってないのに!

 改善するべきタスクエピソードまで1クリック、メニューの中のドラッグ移動だけで整理も自由自在です!

 しかも、サブフォルダを右クリックして出るポップ画面から、サブフォルダごとにブックマークをすべて同時に開くと、さらに効率アップです!


※お勧め いま開いているものの他に、新たなブックマークだけ開きたい場合は、メニューからタブ表示欄の空白へドラッグします。このテク、便利ですよ。


 実は私、会社の昼休みに、大型マルチディスプレイでこれをやってみました。文筆活動をカミングアウト済みの私は、会社のPCで昼休みにカクヨムるのを黙認していただいているンです。

 家のPCからコピーしたデータでサカローを構築し、左のディスプレイに公開ボタン、右のディスプレイに構想ボタンの中身を表示。それぞれのサブフォルダを開いて、それぞれのページの左上のタブを掴んでドラッグ、文字通り資料の束を広げるがごとく、デスクトップいっぱいに少しズラして並べてやると……


 おおーっ!

 なんかホンモノの流行作家になったみたい! 実にいい気分です。

 これだけで、最愛の奥様ハニーにおねだりして大型マルチディスプレイを導入したくなっちゃう!(ダメよ!by奥様)

 

※ご注意 作家気分にひたる遊びは、まともな大人なら笑ったとしても非難しない、正々堂々たる趣味です。思う存分ニヤけましょう。そして、仕事ならともかく、このいい気分だけで公開もせず満足してしまうのも個人の権利です。


 公開リリース可能なエピソード群と、構想がコンセプト、コンパクトかつシームレスに接続できるのがサカローの特徴のひとつです。後は、構想を練り練り&参照しつつ、小説を書いては公開していくだけです。


 サカローの基本的な使い方は以上です。簡単で効率アップの効果絶大でしょ?


 私見ですが、長編小説が行き詰まってしまうのは、構想の練り方が足りない場合がほとんどだと思っています。現在進行形でお悩みのカクヨムの皆様、ぜひサカローを導入してはいかがですか?


次回は第一章の補足として、サカローをさらに便利に使うアイデアを紹介します。



 無料フリーで書ける、読める、伝えられる。

 もっと自由フリーに、カクヨムライフを。


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