第91話 ウインドウショッピングデート

 次の日の日曜日……


 今日の二回のデートで長い長いデート週間もやっと終わるぞ!!


 しかし今回のデートで乃恵瑠さん、静香さん、ケイトさん、そして魔冬の素敵な部分が見る事ができたよなぁ……


 もし俺が誰かと付き合う気満々だったら一人を選ぶのにめちゃくちゃ悩んでいただろうな。


 それくらい、皆素敵な人達ばかりだよ。



「は~や~て~く~ん、お待たせ~」


「は、羽柴さん……いや、陽菜さん……」


「フフフ……おはよう颯君。颯君に陽菜って呼ばれる日が来るなんてねぇ……とても嬉しいなぁ……」


「下の名前呼びって少し恥ずかしいですけどね……」


「何を言っているのよ~? 他の人達にも下の名前で呼んでいるくせに~もう慣れっこじゃないのぉぉ?」


「い、いや……」


 だから毎回、恥ずかしくてたまらないんですよ。


 ってか、そんな事よりも他の人達同様、陽菜さんの私服もめちゃくちゃ可愛らしいよな。


 ナチュラルホワイトのニット生地でミニのノースリーブワンピースだけど、下に着ているTシャツが制服の時よりもより一層、巨乳が強調していて……とてもいやらしいじゃなくて、とてもセクシーだなぁ……


「うーん? 颯君、どこを見ているのかなぁ……?」


「えっ!? べ、別に陽菜さんの胸を見ていたわけじゃないですよ!!」


「ハハハ、私、颯君が胸を見ているなんて言ってないよぉぉ」


「あっ!!」


「フフフ……颯君、可愛い♡」


 はぁ……あっさり陽菜さんのペースになっているぞ。


 でもまぁ、『陰キャ』の俺が自分のペースでデートなんて出来る訳ないからな。


「そ、それで今日のデートはウインドウショッピングって事ですけど……」


「そうそう、私今日はたくさん買いたいものがあるから颯君にも選んで欲しいなって思ってぇ……」


「そうなんですね? ってことは俺は荷物持ちを頑張りますね?」


「別に颯君を荷物持ちだなんて思ってないわよぉ。それよりも今日はデートだから買い物中はずっと腕を組んで歩きたいんだけどいいかな?」


「べ、別にいいですけど……俺なんかと腕なんて組んでいいんですか?」


「何ソレ~? 私は颯君と組みたいのよ~昔から腕を組みながらデートをするのが夢だったし……」


 えっ? こんな美人の陽菜さんも初めてのデートなのか?


 っていうか、俺とデートをした美少女達全員の初デートの相手が俺ってことかよ!?


 なんか変なプレッシャーを感じてしまうぞ……


「さぁ、颯君? 早くショッピングモールに行きましょう」


「は、はい……あっ」


「フフフ……やったぁ、颯君と腕を組んじゃったわ」


 ひ、陽菜さん……腕を組むのは構わないのですが……なんと言いますか、む、胸が思いっきり俺の身体に密着しているのですが……


 こ、これは天国なのか地獄なのかどっちなんだろうか?


 それに……


 俊哉ゴメンよ……




 【ショッピングモール内】



「た、頼む伊緒奈ちゃん!! 俺も今日だけ仲間に入れてくれないか!?」


「うーん、そうねぇ……」


「何で俊哉が俺達の仲間に入らないといけないんだよ!?」


「きょ、今日は陽菜ちゃんが颯とここでデートをするって聞いたからさ……とても気になって……」


「でも前田君さぁ、二人がデートをしている所なんて見ちゃって大丈夫なの? 辛くないの? 私は辛いわ!!」


「太鳳ちゃんが何故辛いのかはよく分からないけどさ……まぁ、俺も辛いのは辛いけど……でも、聞くところによると颯は陽菜ちゃんと付き合う気は全く無いんだろ? そおういう事なら俺も耐えれると思うんだよ」


「ちょっと待て、俊哉!! もしかしてお前……羽柴さんの事が好きなのか?」


「あ、ああ……そうだよ。俺は小さい頃から陽菜ちゃんが好きなんだ……でも俺の気持ちは陽菜ちゃんに全然伝わっていないけどな。まぁ、俺は陽菜ちゃんが幸せになるなら誰と付き合っても良いとは思っているが……親友の颯だったら俺も諦めがつくところなんだが……」


「直人、今頃気付いたの?」


「と、俊哉……うっ……お前って奴は……なんて良い奴なんだ!! 俺はお前の事を今日から気に入ったぞ!!」


「今日からって何だよ!?」


「いずれにしても俊哉君の想いは伝わったから今日だけは一緒に二人のデートの監視をしましょうか?」


「本当に!? あ、ありがとう、伊緒奈ちゃん!!」




 【颯&陽菜サイド】



 オイオイオイッ!!


 陽菜さん、いきなり水着売り場って『陰キャオタク』の俺にとっては刺激が強すぎるんですけど!!


 それに他の女性客が俺の事をジロジロ見ているし……


 お、俺は怪しい者じゃないですから!!


 って言っても鏡に写っている俺の姿を見たら……


 はぁ……全然イケてないよなぁ……


 せめて髪型だけでもちゃんとしておくべきだったかな?


 それにしても陽菜さん、水着の試着って……その試着した水着姿を俺に見せる気ですか!?


 シャーッ


「お待たせ~」


「ウグッ!!」


「ウフッ♡ どうかな颯君? 似合っているかなぁ?」


 ヤバイッ!!


 なんなんだ、この水着は!?


 超ビキニじゃねぇか!!


 水着の生地、小さ過ぎないか!? ってか、陽菜さんの胸がデカすぎるのか!!


 

 しかし、こんな刺激の強い水着姿を見せられたら鼻血だけならまだしも、目からも血が出て来そうな感覚だぞ!!


 今日は俗に言う『サービス回』ってやつか!?


 そんな回に俺がいていいのか!?



 【伊緒奈&俊哉&太鳳&直人サイド】


「ウグッ!!」


「どうした俊哉!? 大丈夫か!?」


「うわぁああ、俊哉君……鼻血出てるわよ!? それになんか目からも血が流れている様な気がするんだけど……」


「ひ、陽菜ちゃんの水着姿を久しぶりに見たけど……む、胸があんなにデカいとは……あれは絶対凶器だ……ウグッ!! あんな間近で見れる颯が羨ましい……」


「私も大きい方だとは思っていたけど……負けたわ……颯君って胸が大きい子が好きなのかなぁ……?」


「え? 伊緒奈さん、何か言われましたか?」


「へっ? べ、別に負けて悔しいなんて言って無いわよ……」




―――――――――――――――――――

お読みいただきありがとうございました。

次回も引き続き陽菜ちゃん回です。

どうぞお楽しみに(^_-)-☆

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