第4章 仙石集会編
第15話 学園の人気者達
俺は油断していた。
クラスのことは徳川に任せっきりだったので一学期はこのままの感じで終わると思っていたんだ。俺は何もしない間に二学期が来て、そこで再び『人気著票』があり『クラス副委員長』とはおさらばできると思っていた。
それなのに俺は今、学園にある『大会議室』という部屋に設置されている椅子に徳川と横並びで座っている。
周りを見渡すと各学年、各クラスの『クラス委員長』と『副委員長』が勢ぞろいしていた。
総勢六十名……各クラスの『人気投票』で選ばれた奴等が勢ぞろいしているのだ。
さすがは『人気投票』で選ばれた人達だ。
男子はイケメンだし、女子は皆、綺麗な顔立ちをしている。
それに比べて俺は奇跡的に選ばれた『瓶底メガネオタク野郎』……
居心地が悪過ぎて今にも吐きそうだ。
それに一番キツイのは俺と徳川は一年一組ということで最前列に座らされている。
左から一組の委員長、副委員長、二組の委員長、副委員長という順だ。
そして更にキツイのは目の前に『生徒会役員』の人達がこちらに向かって座っているからだ。
中央には勿論、生徒会長の『
織田会長の左横の人が書記なのかな?
名前は……『
ん? でも待てよ。あの平手っていう人はネクタイの色からして三年生だな。
たしか副会長や書記は会長が任命できるって聞いているけど、織田会長は年上の平手さんを任命したってことなんだよなぁ?
なるほどな。
同級生で固めるんじゃなくて先輩も役員に入れるところはなかなかの策士だな……うんうん、なるほどなぁ……
「竹中君? さっきから何を頷いているの?」
「えっ? い、いや別に……」
ヤバイヤバイ、俺はいつの間にか勝手に頷いていたのか?
あまり変な動きをしていると生徒会役員の人達に目をつけられる恐れがあるからな。
き、気をつけなくては……
「えー、皆さん、揃われたようですので只今より『仙石集会』を開催させて頂きます。私は本日、司会を務めさせていただきます、『投票部部長』で三年の『
パチパチパチ パチパチパチ
えっ? 投票部の部長さんが『仙石集会』の司会をやるのか?
ってか、『ごだいごう』って……面白い名前だな。
それに『人気投票』を取り仕切る部の部長の割に顔は普通だよな。
身長は高いけど華が無いというか俺が言うのは絶対におかしいが地味な男だな……
「それではまず、織田乃恵瑠会長より集会開催にあたりご挨拶を頂きます。織田会長宜しくお願い致します」
司会の後醍さんがそう言うと、織田さんが立ち上がりマイクを持つ。
そして俺達に挨拶を始めた。
「皆さん、今日はお忙しい中、お集まりいただき有難うございます。仙石学園生徒会長の織田乃恵瑠です。一年生の人達とは入学式以来ですね? どうぞよろしくね? それでは今日の集会のメインテーマについてお話させていただきますね」
相変わらず、堂々としながらも滑らかで聞き心地の良いしゃべり方だな。
さすがは一年生の時に生徒会長に選ばれただけのことはあるな。
非の打ち所がないぜ……
それに小学生の頃にイジメられていたあの弱々しい面影は今は全然残っていないしな……
ほんと人間、変われば変わるんだな。
まぁ、俺も違う意味で色々と変わっちまったけども……
「今日の集会のメインテーマですが、今後出来るであろう新たな『人気投票』について皆さんのご意見をお聞きしたいと思っています。本日は新学期最初の集会です。皆様との顔合わせも兼ねていますので一人でも多くの御意見をお聞かせくださいね?」
えーっ!? まだ他に『人気投票』を増やす気なのか!?
はぁ……勘弁してくれよな。
ザワザワザワザワ……
ほら見て見ろ。俺だけがそう思っているみたいじゃ無いみたいだぞ。
他の人達も困惑して会場内がザワザワしだしたじゃないか。
「皆さん、お静かに!! 意見のある方は挙手をお願いしまーす。あっ、織田会長はお座りください。それと後醍さん、引き続き司会進行の方、宜しくお願いします」
ん? 今の声は羽柴副会長か……?
相変わらず笑顔を絶やさない人だな。
それにアニメ声だし……
「はい!! 意見を言わせていただいてもよろしいでしょうか?」
……え?
え――――――っ!?
と、徳川!? お前が……いきなり意見を言うのかよ!?
――――――――――――――――――――
お読み頂き有り難うございましたm(__)m
学園人気者が集まる『仙石集会』に出席した颯だが、場違い過ぎて落ち着かない。
そんな中、意見を求められた参加者の中で一番に手をあげたのはまさかの徳川だった。颯に緊張が走る!
ということで次回もお楽しみに(^-^)/
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